『骨』 (小説、約14000字)
『骨』
1
死因、骨。
節枝おばあちゃんは、マキオおじいちゃんの死をたった一文字で表した。
「骨」
僕は畳の床と平行になっているマキオおじいちゃんを見る。いつの日か遠足で行ったときに見た、剥製になった忠犬ハチ公を思い出すような、死んだマキオおじいちゃんの顔。あるいは標本にされた蝶にも見える。マキオおじいちゃんの魂はすでにこの世にあらず。今は抜け殻だけが綺麗に保存されている。少しでも力を入れて表面を触ってしまったら、すぐにでもバラバラになってしまいそうだった。それくらい