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虹禍論(こうかろん)

年末になると今年もいろいろな事があったなと思い返す事が多くなりますが、何をするにしても「平成最後の~」というものが頭につく今年、本当にいろいろあったなと自助グループをしていて思いました。

昨年末に寝屋川で監禁致死事件が起き、現代に残る座敷牢だと恐ろしい気持ちになって新年を迎えたわけですが、今年になっても三田市で同じような事件が明るみになりました。発覚していないだけで他にも閉じ込められている人がいるのではないかと恐ろしくなりました。

そんな自助グループをしていて胸が苦しくなるような事件がある中で、「LGBTは子供を作らない、つまり生産性がない」という論文が掲載され、それもまたとてもショックでした。

その後掲載した本が廃刊に追い込まれたという形になったわけですが、そうした中で「LGBTは騒ぎすぎる」「変な事を言うと廃刊に追い込むまでしつこく絡んでくる」「権利を声高に主張してくる」と、怖いし面倒くさい存在だと言ってくる人も様々な場所で見えるようになりました。

LGBTについて深く知ろうとせず、その存在を脅威に感じてバッシングしたり差別したりするのを私は(勝手に)「虹禍論」と呼んでいます。

精神疾患をはじめ障害者、女性、高齢者もそうですが、日常でも様々な場面で生きづらさを感じ、そうした差別を少しでも知ってもらいたいし直してもらいたいと訴えるわけです。しかしそれを考えた事もない人からすると「何か急に弱者アピールして要求してくる恐ろしい存在」と捉える人が存在するのです。

SNSでも差別的な言葉が撒き散らされ、何も知らない人がそうした書き込みを見れば「やはりLGBTって気持ち悪いし怖いな」となるでしょうし、そんな世の中では自分が当事者で困っている事を言いづらくなります。寝屋川市や三田市で精神障害や知的障害がある子供を数十年も閉じ込めた事も、そうした違いを認めない社会がずっと続いている事の証明でしょう。

しかも様々な生きづらさを複数抱えると、いったいどこに相談すればよいのかわからなくなります。LGBTの中でも障害者に差別的な考えの人もいますし、障害者の中でも同性愛を気持ち悪いという人もいます。そうして居場所をなくし、自ら命を絶つ人もいるでしょう。日本の自殺率の高さ、これもまた生きづらさの証明です。

こちらのグループには専門の相談員がいないため相談窓口という機能がないのですが、少しずつでも何かできないかと情報を発信したり集まって雑談をする場を作ったりしています。

2019年はさらに新しい事に取り組み、ひとりでも多くの人が生き心地の良い社会になる取り組みをしていく予定です。こちらをお読みの皆様にもぜひnoteでご協力いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

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