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33歳の私へ ①

今日の創作です。
美雨の講座に通い始めた自分に声をかけています。

こんにちは。お久しぶりです。
あなたは講座で初めての体験をたくさんしていますね。

前回お話をしてから、あなたはまた別の心理学を学び、インナーチャイルドを癒やし、それらの成果を自分のお話会で披露しました。遠方からの参加者もいて、嬉しかったですね。長文のお礼状をくれる人もいました。

あなたはもっと役に立つ人間になりたいと思い、ヒーラー養成スクールに行ってみました。そこではオーラが視える人たちがいました。あなたはオーラが視えないので、自分はまだ次元が低いのだと思いました。誰かが教室で「ねえ、なんか今日、邪気すごくない?」と言うたび、あなたは自分のせいではないかと肩身を狭くしました。あなたは居づらくなり、そこを去りました。

自分にはまだ把握できていないカルマがあるのではないか?あなたはそう考え、ヒプノセラピーを受けてみました。何の景色も視えませんでしたが、施術者に申し訳ないと思ったあなたは「私は魔女です。薬草を摘んでいます。」と大嘘をつきました。あなたはすっきりしないまま、また別の所で、エア棺桶に入って生まれ変わる儀式に参加しました。ドキドキしましたが、やっぱり自分が不十分であるという感覚は消えませんでした。

たくさんの人から褒められ、感謝されても、なんだか手応えがない。そんなある日、あなたはアメーバブログを徘徊中に、美雨を見つけたのでした。「この人は、UFOに詳しいらしい。」あなたは興味をもちました。「この人なら、宇宙連合と繋がって、私の次元上昇を助けてくれるかもしれない。」あなたはそう期待し、講座への参加を決めました。

講座の同期生は十数名いました。お互い本音でコミュニケーションするよう勧められたので、あなたは目についた子に、「あなたは悲劇のヒロインぶっている。それは良くない。」と忠告しました。その子は激怒しました。あなたは自分の親切が、報われないどころかネガティブな展開を招いてしまったことにうろたえます。

あなたは毎日「嫌われても良い♪」と唱えてから出かけていました。だけど実際ケンカしてみると―あなたにとっては約20年ぶりでした―嫌われることが怖くてたまらないのでした。あなたはほとんどパニック状態です。幼稚で寂しがりな自分がどんどん出てきます。ああこんな未熟ではいけない。改善しなければ。あなたは深く反省します。

ところが周りを見てみると "未熟" な言葉があたりまえのように飛び交っています。あなたにとって感情を表に出すことは隙を見せることであり、それは再び虐げられる可能性のあるリスキーな行為です。少なくともあなたはそう信じて生きてきました。でもここでは皆、自分の弱さや傷つきやすさを隠そうとしません。あなたは戸惑います。何よりも驚いたのは、誰もあなたの幼稚な部分を「駄目だ」「直せ」とは言わないことです。

あなたにとって初めての世界がそこにはありました。本音を言い合う場においては、あなたが今まで学んだ対人スキルや論理的説明力はまったく役に立たないのでした。あなたの立派な学歴や職歴も、ここでは通用しません。「せっかく身につけたのに…」あなたは落胆しつつ、どこか清々しさを覚えます。優劣を決める争いではない関係性を、あなたは皆と築き始めます。

今のところ、あなたが得た宇宙連合の情報はゼロです。あなたは価値観ぶっ壊れ祭りでそれどころじゃなくなっています。あなたは履いているジミーチュウを誰も羨ましがってくれないので残念に思っています。同時に「もう脱いで良いんだ」という、ほっとする気持ちもあります。あなたが "武器" だと思って集めてきた物のほとんどは、実は必要なかったのかもしれません。

それにしても講師の美雨はふしぎな人ですね。スピリチュアルな講座のはずなのに、龍や天使について説明をしません。受講生たちの機嫌をとることもしません。今まで出会ったことのないタイプの講師です。あなたはおそらく波動が低いですし、飾りや肩書を外せばただの嫌な奴ですが、そんなあなたを一切変えようとしません。これはどう理解すればいいのでしょうか…。

さて今夜は同期の子たちと豚まんを食べに行くそうですね。講座はあと2回で終わりでしたっけ?いずれも楽しんで下さい。修了までに謎が解けることを祈っています。

ではごきげんよう!

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