積読本📚の中から、村上春樹さんの短編集『回転木馬のデッド・ヒート』を拝読しました📖´-
(2024,3,30 読了)

村上春樹さんがいろんな方から聴いた話を文章にしたもの。村上春樹さん曰く、小説ではなく、ノンフィクションでもなく「スケッチ」なのだそうです。

という言葉がありますが、本書はまさにそんなお話がいくつも詰め込まれています。人から聴いた何気ないお話を村上春樹さんが描くことで湿度のある素敵な物語になるのが不思議。


私はこれまでに村上春樹さんの著書は共著も含めて7冊拝読しています。小説3冊、エッセイ2冊、その他2冊。
正直村上春樹さんの文章が好きかと言われるとよくわかっておらず、でもなんだか気になってつい著書や翻訳書を買い集めていましたが、本書を拝読してやっと私は村上春樹さんの文章が好きなんだと確信できたように思います。



何がいいかと問われたらやっぱり上手く説明できないんだけれど。
湿度を感じると書きましたが嫌な湿度ではなく、季節でいうと春のような心地がするんです。あ、名前が春樹だからという訳ではありません。
春だからといっていつも爽やかということもないのだけど、ねばっこしさや暑苦しさは感じないんです。
何言っているのか分からなくなってきましたが、とりあえずこれからは好きな作家を聞かれたら村上春樹さんの名前も上げよう。



さて、本書の話に戻します。
人は多種多様な背景があるものです。それは見ただけではわからない。
見た目だけで判断する前に少し人に興味を持って背景を覗かせて貰おう、そしたらその人の印象が全く違うものになるかもしれない。
本書を拝読して、こらから人と接する時にちょっと気をつけてみようと思えました。


村上春樹さんに自分の背景をお話した人たちをどんな人かと想像しながら拝読しました。どの方も魅力的でできることならお会いしてみたくなっちゃいます。
そして読了後、私の背景にあるものを村上春樹さんにお話したらどんな風に描いてくれるんだろうなんてことを想像してみたり。




本書は小説ではないのですが、初めて村上春樹作品に触れるという方におすすめしたい一冊です。

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