クリニファー株式会社でインターンシップをさせて頂いております、大学院生のオダニと申します。
今回の記事は「アカデミア発バイオベンチャー企業まとめ【創薬系・非上場】」です。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします！

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前回の記事では上場しているアカデミア発の創薬型バイオベンチャー14社を紹介しました（記事はこちら）。前回に続き、今回は私が独自で調べあげた、非上場（未上場）のアカデミア発創薬型バイオベンチャー６社を紹介します。

Epsilon Molecular Engineering
（埼玉大学発）

埼玉大学の伏見譲博士らが進化分子工学の研究の末に確立した、cDNAディスプレイ法を用いたVHH抗体や環状ペプチド医薬品の開発を行っているバイオベンチャー企業です。VHH抗体は固形がんや免疫、感染症や神経疾患など多岐にわたる治療領域を想定して現在開発が進められています。加えて、ドラッグデリバリーシステム（DDS）や抗体-薬物複合体（ADC）、光免疫などへの応用研究も進められており、次世代バイオ分子としてさらに注目を浴びています。
共同研究先として、協和キリンやJCRファーマなどがあります。

エディットフォース（九州大学発）

九州大学の研究に基づき開発された、独自のRNA編集技術「PPRプラットフォーム技術」を応用して遺伝子治療薬を研究開発しています。PPRプラットフォーム技術はRNA編集に限らず、ゲノム編集技術としての応用可能性も備えており、加えてDDSとの組み合わせも可能であることから、副作用の少ない治療薬の開発が可能となります。
ライセンス契約先として、田辺三菱製薬があります。

メガカリオン（京都大学発）

東京大学と京都大学の研究成果として開発された、iPS細胞から血小板を産生する技術を応用し、iPS細胞由来の血小板製剤を開発する目的で設立されました。この技術は、輸血に必要な血小板の安定供給を実現する革新的な技術です。さらに、iPS細胞からの血小板産生は無菌下で行われるため、献血による輸血には必ずつきまとう細菌やウイルス感染などの病原リスクがありません。同社が開発した血小板製剤の治験はすでに行われています。
メガカリオンはハーバード大学と共同研究契約を締結しています。

mAbProtein（島根大学発）

島根大学医学部浦野教授が長年にわたる医学・分子細胞生物学研究で培い、確立された独自の抗体作製技術やノウハウを用いて、抗体を用いた研究試薬・診断薬・医薬の研究開発及び製造販売を行っています。COVID-19 に関する研究試薬・診断キット / 診断薬の研究開発及び製造・販売も行っています。

ジェクタス・イノベーターズ（琉球大学発）

遺伝子操作技術・タンパク質工学的技術を駆使し、様々な組換えタンパクワクチンを研究開発しています。主に、家畜動物やペットを対象とした感染症ワクチンや、養殖魚を対象とした水産ワクチンの開発に力を入れています。また、ワクチンの効果を高める機能を持つアジュバント（免疫賦活物質）の開発も行っています。
世界最大の動物薬専門メーカーのビルバック社と動物用ワクチン開発に向けた研究開発事業提携を結んでいます。

アグロデザイン・スタジオ（東京大学発）

構造生物学の産業応用を推進することを目的に、2018年3月に設立されました。同社は、農薬を中心にタンパク質立体構造情報を活用した研究開発を行っており、タンパク質構造解析のトータルソリューションを提供しています。開発した製品には、撒くと環境汚染が減り作物の成長がよくなる硝化抑制剤や、特定の害虫を選択的に退治する殺虫剤などがあります。
AIスタートアップ企業であるPreferred Networksと共同研究を行い、除草剤候補化合物の創出に向けて研究を進めています

まとめ

今回私が調べた、上場していないアカデミア発の創薬型バイオベンチャーは6社ありました。調べていく中で、抗体やワクチンなどの生物学的製剤の開発を行っている企業が多いことがわかりました。非上場（未上場）ですが、どの企業も革新的な技術を有しており、非常に注目されている企業であることは間違いないと感じました。

参考までに国内大手製薬企業１１社の企業分析をまとめたマガジン、アカデミア発バイオベンチャーをまとめたマガジンをを共有します。ぜひご覧ください！

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