春。
あたたかくて柔らかくて心地良い。
外の世界はパステルカラー。

朝はまだ少し寒いかな。
昼はぽかぽか陽気で眠たくなっちゃう。
あ、髪に桜の花びらが絡まった。
つくしって食べれるの知ってた？
鼻歌うたってご機嫌ね。
今度お花見しようか。
毎日のお散歩も楽しいね。

そんな会話。そんな日々。

夏。
日差しが眩しい。
雲一つない青空と蝉の大合唱。
すべての色が濃くて絵の具みたい。

夜も暑くて参っちゃうね。
アイス買いにコンビニ行こうよ。
暑苦しいけど手繋いでよ。
あ、花火したいね。
今度海に行こうよ。
お祭り行って焼きそば食べたい。
何であんなに美味しいんだろうね？
夏は忙しいね。
でもさ、楽しいよね。

そうやって笑い合う。二人で歩いた夜。

秋。
暑さが落ち着いて少し肌寒い。
茶色とオレンジと黄色。
寒くて暖かい季節。

もう半袖は着れないね。
衣替えしなくちゃ。
夜はもう寒いから靴下履いて。
あ、焼き芋食べたいね。
今度紅葉狩りに行こうよ。
落ち葉で栞を作ってあげる。
きみがよく読む本に挟んでよ。
お月見したいね。
私は花より団子だけど。
君と一緒ならいいんだよ。
全部楽しいからさ。

きみの手はいつもより少し温かかった。

冬。
吐く息が白い。
灰色と白。雪が積もって銀色になった。
ちょっぴり寂しくてわくわくする。

耳真っ赤だね。
手もキンキンに冷えてるよ。
でも雪だるま作りたいな。
寒いから風邪引かないでね。
あったかいココア飲もう。
ねえ、クリスマスはどうする？
チキンとケーキは絶対食べたい。
炬燵でぬくぬくしようか。
また雪降るかな。
もう今年も終わりだね。
来年も君と一緒にいたいな。
二人で楽しい一年にしよう。

きみの笑顔が何よりも愛しく思えた。

そうやってまた一年が過ぎていく。
ぼくときみが一緒にいたら最強さ。
もし一緒にいなくなっても季節はめぐる。

春の花吹雪とあたたかい日差しに。
夏の高揚感と潮の香りに。
秋の落ち着きとどこか懐かしい景色に。
冬の静けさと星空の瞬きに。

ぼくは涙が出るんだ。
どうしようもなく美しいと思うんだ。
それだけで幸せなんだ。

そこにきみがいるなら。
もうなにも要らない。

マイペースで食いしん坊なぼくだけどさ。
この先もどうか隣りに居てね。

いっぱい食べる君が好き、なんて。
ぼくがマシマロボディになっちゃったら。
そうしたらきみが責任取ってよね。

一緒にいっぱい食べて太ろうよ。
そんで一緒にダイエットしよう。
太ったのはきみのせいだって喧嘩しよう。
仲直りって肉まん半分こして食べよう。

そうやってさ、普通の毎日を生きてこう。
派手でもロマンチックでもないけど。
それでいいんだ。
ぼくらにはそれがいいんだ。

きみが幸せならそれだけでいいんだ。

だって。
きみがぼくを幸せにしてくれるんでしょう？
この先もずうっとさ。

なんて、ね。

冗談だよ。

ちょっぴりね。