またね

ああ、死にたい。
久しぶりの感覚。
こうなったらもうだめ。

人の温もりの優しさを求める。
それがたとえ見知らぬ人でも。
上っ面だけの優しさだとしても。
それでもいいと思ってしまう。

見知らぬ男たちは私に優しくする。
だって優しさはタダだから。

金を使わずに己の欲求を満たせる。
そんな事を腹の底に隠している。

どうせこの人もそうだろう。
そう分かっていても私は逃げない。
一時の優しさと温もりを求めて。
名前も知らぬ人と朝を迎える。

そしてまた寂しさと虚しさに襲われる。
汚い自分が醜くて仕方ない。
それを誤魔化すためにまた別の男に縋る。
いつまで経ってもその繰り返し。

褒められたことでないのは分かってる。

こんなんじゃあお嫁に行けないな。
一生独り身か。
憐れだな。

男に抱かれながらそんなことを思う。

淫らだ、厭らしいと人は言う。
全くもってその通りだ。
貞操観念なんてものはとうの昔に捨てた。
今までに寝た男の数なぞ分からない。
200人は超えたか、もっとか。

昔は好いた男に抱かれるのが嬉しかった。
今じゃもう誰と寝たって変わりゃしない。
抱かれる喜びなんて忘れてしまった。

愛のあるセックスなんて知らない。
性欲を満たすために腰を振り喘ぐだけ。
そういうものだと思っている。

哀しい。
愛も恋もない人生が。
自分が可哀想で仕方ない。

でももう遅い。
ここまで来たら戻れない。

こんな女を好きになる男はいない。
よくてセフレや不倫止まりだろう。
普通の感覚を持つ人には軽蔑されて当然。
そういう事をしている自覚はある。

胸を張って生きられるとは思ってない。
けれどやめることもできない。
後戻りなんてできるはずもない。
どんなに真っ当に生きても過去は消えない。

恥ずかしいとは思わない。
時々後悔することはある。
それでもまた同じことを繰り返す。

どうしようもない阿呆だな私は。

もういっそ消えてなくなれよ。

生きていても寂しいだけだろう。
恥の上塗りじゃないのか。
自分で自分を追い詰めてるだけだ。

虚しい毎日に終止符を打とう。

そうだ、死んでしまおう。

もう、いいや。

画面の中だけの友達。
私はきっと都合のいい女。
口先だけの愛。
私がいなくても誰も困らない。

この世界に私は要らない。
私もこの人生は要らない。

括った縄に首を通す。
踏み台にしていた椅子を蹴る。

もがいてもがいて苦しんで。

そして、動かなくなった。

私はもうどこにもいない。

来世があるならまともに生きろよ私。
いつかきっと幸せになってね。

ばいばい、またね。

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