吉田麻也の視点：質 versus 量、日本のスポーツと労働の未来
吉田麻也氏は、自身がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「吉田麻也のチャレンジ＆カバー」（毎週月曜から金曜、14:55～15:00の放送）において、リスナーから寄せられる様々な疑問や悩みに対し、90秒の間にアドバイスを提供しています。10月4日（水）の放送では、日本のスポーツ界における練習時間についての考えを明らかにしました。
リスナーからの質問：
「夏の甲子園で優勝した慶應義塾高等学校（神奈川県）の野球部は、髪型が自由で、練習時間も短いと言われています。麻也さんは、練習時間が短いことについてどう思いますか？」
吉田麻也の回答：
吉田氏は、外国の監督たちが「決められた時間内でクオリティや質を高める」ことを重視しているのに対し、日本は「量でカバーする」傾向があると指摘しました。さらに、日本人の長い労働時間もこの傾向が反映されていると考え、日本の練習文化では「結果よりも練習の量が評価される」と述べました。吉田氏は、このような考え方が欧州の指導方法とは異なっていると感じています。
彼は、日本の練習時間の長さについても言及し、「Jリーグなどで話を聞くと、練習は“選手が上手くなるため”よりも、“監督自身が満足するため”に行われているように思える」と述べました。
しかし、吉田氏はまた、若い時期に効率ばかりを重視すると、効率的に動くことしかできない人間になり、大人になっても困難に立ち向かうことができなくなる可能性があるとも考えています。
学生時代には、理不尽な状況に直面することが多く、これらの状況を乗り越えることで精神的に強くなれると吉田氏は信じています。それゆえに、学生時代に理不尽な状況を乗り越える力を身につけることも重要であると彼は考えています。
笠原彰心理学的分析:
環境と行動の相互作用: 日本の練習文化と労働環境は、個人の行動と思考プロセスに影響を与えています。これらの環境は、量よりも質を重視する外国の環境とは異なり、時間と努力を重視する文化を育んでいます。
内発的 vs 外発的動機付け: 吉田氏の話から、日本の監督や教育者は外発的動機付け（監督の満足、他人の評価など）に重きを置く傾向があり、これが長時間の練習や労働を促進している可能性があります。一方、内発的動機付け（個人の成長や達成感）は、効率と質を重視する文化を形成する要因となっているかもしれません。
効率と耐抗性のバランス: 効率を重視することは重要ですが、吉田氏は、若者が困難や理不尽な状況に立ち向かう耐抗性も同時に育む必要があると指摘しています。これは、心理的なレジリエンスと自己効力感の発達に貢献し、個人が未来の挑戦に対処する能力を向上させる可能性があります。
笠原彰プロフィール：
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