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独活(うど)の香りと苦み!晩春から初夏へと向かう

東京在住の私は、独活(うど)を手に入れるには、スーパーで購入するしかありません。
店頭のうどは、たいていは光をあてない室で軟化栽培されたアクの少ないもので、普段私たちが食べているほとんどがこの種類です。

一方、4月のこの時季になると、スーパーでもたまに「山うど」を見かけることがあります。
今日は、福島県産の地物を見つけました!晩春が近いことを感じます。

山うどの表面には白いうぶ毛があり、皮の一部分が薄茶色がかっています。里山の木漏れ日で自然に育ち、独特な香と苦みが自然の恵を感じます。

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〇うどの下処理と酢の効用

うどは調理する前に、下処理で酢水に浸けることが知られています。
酢を使う理由は2つあります。

①ひとつ目は、うどにクロロゲン酸という物質が含まれていて、苦み成分でありアクです。切り口が空気に触れると褐変してうどの色が悪くなるため、褐変を食い止めるためために酢水を使います。

酢水の割合は、水500mlに酢大さじ1杯が適当です。うどに酢の味がしみ込まず、白くきれいにうどの下処理ができます。

②ふたつ目の理由は、うどの魅力である苦みを取り除き過ぎないように、酢を使います。
酢には、クロロゲン酸の苦み成分を必要以上に失わないようにする効果があります。

軟化育成のうどは、クロロゲン酸がそれほど多くないので、酢水に浸けるだけでそのまま生で食べられます。サラダにもぴったりです。

山うどは、クロロゲン酸が多く苦みも渋みも強く感じるので、5~10分程度酢水にさらした後、さっと熱湯に通して冷水に取ると良いでしょう。

いづれにしても、うどを酢水に長時間浸けると、水っぽくなり、香りも苦みも抜けてしまうので注意します。
また、クロロゲン酸は熱に弱く加熱で壊れますが、過熱し過ぎると、うどの特徴である香りも苦みも無くなってしまうので、手早く行うことが大切です。

〔山うどの下処理の手順〕
①山うどを5cmの長さに切り揃えます。切り口の角に包丁を当てて下にひき皮を剝きます。

②身も皮もどちらも酢水に浸けます。前述のとおり酢水は酢味が残らない程度の水500mlに酢大匙1杯くらいが適当でしょう。

③身は3mm厚さの拍子切りにします。皮は細い千切りにしておきます。
どちらも、さっと熱湯に通して冷水に取り水切りをします。

〇うどは茎、皮、先端の若葉まで全て食べる

① 茎の身は、わかめやきゅうりと共に酢の物や酢味噌和えに合います。うどの苦みが、酢で香りと苦みが無駄に溶け出すのを防ぐからです。

②千切りにした皮は、油で炒めてきんぴら風に料理すると美味しくいただけます。
クロロゲン酸は熱に弱く油になじみ、苦みをまろやかにしてくれるのでおすすめです。炒めたり天ぷらにして美味しいのはのはその効果です。

③先端の若葉は、水に浸けたり茹でたりせず、そのまま天ぷらにすると香り良く美味しくいただけます。

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〇うどの栄養と雑記

うど自体は水分が95%でこれといった特徴もなく、栄養があまり期待できません。
芳香やしゃきっとした食感を楽しみ、これによって食欲増進効果があるので、しっかりと食事をするのに役立ちます。

山うどが手に入ったら、ぜひ作ってみてください。今から6月中旬頃までが出頃です。


ところでなぜ「独活」と書いて「うど」と読むのでしょうか、いろいろな説があるようです。
植物の専門書によると

うどは、植物名としてみるとウコギ科の多年草で山野に自生しているそうです。うどの若葉を見ると、山里で見かける、ウコギの低木の若葉によく似ています。

独活を、植物名として読む場合は「うど」。
薬草名(乾燥薬草)として読むときには「どっかつ」。
と云われています。  

また、うどはひょろりと長く、しっかり独立しているのに、風にそよがれて活動する姿に見える。だから「独活」と書く、と云う説もありますが、私は「一人独立して活動する様を独活と書いてうど読む」この説が、元気をいただけてとても好きです。

今回もありがとうございました。

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