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徒然なるまにまに

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なんとなく思いついたこと、思い至ったこと、思いにふけったことなどを つらつらと書きしるし、書きのこし、書きつけた何か
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記事一覧

アンチテーゼ~『いい人』はいらない

アンチテーゼ~『いい人』はいらない

 ある年齢を過ぎたころから『いい人』と言われることに抵抗感があり、今となっては嫌悪感に近いものを感じてしまう。

 たとえば人の魅力に『いい人度』があるとすれば、それは重要なパラメーターでないと僕は考えている。数多存在するスーパースターは『いい人』であるからスターでもそこがスーパーなわけでもない。

 なろうと思えば人は誰でも『いい人』になれる。それはRPGでいうのなら絶対に何もなしえない人であり

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アンチテーゼ~スイーツはいらない

アンチテーゼ~スイーツはいらない

 30代くらいのころって、知らないことは恥ずかしいとか、無知の罪なんてこともあるなぁって思っていた。
 50代も半ばを過ぎると、知らないことが羨ましく感じるようになる。

 もちろん、なんでも知っているわけでもなく、知らないことはたくさんあるのだけれども、知らなくとも大概のことは予測が可能になる。

 どんなにおいしいものを食べても、食べる前からある程度予測ができるし、何かの延長線にその味はたいて

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野芥子

野芥子

 アパートの玄関の前、そしてベランダの前には植え込みがあって、年末年始の改修で砂利で埋められてしまった。

 ジブリ的には、そこで小さな虫たち、生き物たちのドラマが繰り広げられるのかもしれないけれども、ドラマチックなことど何もおきないのです。

 この画像よりももっと前は、ビニールシートもなかったから、それはもうジャングルとまでは言わないまでも、いい感じにうっそうとしていた。

 僕は部屋の前のそ

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串屋横丁

串屋横丁

 多くの言葉をかわすことなく、通うもの
 それは秘伝のタレの香りが混じる煙の中にある
 潔くも口の中にとろけるホルモン
 いつものテーブルに陣取る老夫婦に会釈をする
 ともすれば見過ごしてしまいそうな小さな絆
 日常とはそういうことなのかもしれない
 どこまでも通る店長の声
 笑顔でオーダーを受ける店員
 潔く売れ切れてしまった定番メニュー
 ひとりが楽しい
 そう思わせてくれる場所に今夜もカンパ

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曇り空

曇り空

晴れ渡った空は気持が良い
だけど人の心はいつも晴れてはいない
時には青空が眩しすぎるときがある
美しくはないかもしれない
曇っていても空は広い
どこまでも雲は続く
時には青空を覆い隠してくれることに
感謝をしなければいけないのかもしれない
今の僕にはそれがわかる
曇りのない人生はない

明日は晴れるかな

地図のキャンバス

地図のキャンバス

地図を片手に歩けよ歩け
見知らぬ路地もなんのその
地図を片手に行けよ行け
怖くなったら引き返せば良い
雨が降ったら雨宿り
疲れ果てたら一休み
のどが渇けば地図を見て
探せよ探せ
オアシスを
地図を片手に歩けよ歩け
気の向くままに
赴くままに
道はどこまでも続いている
広げた地図のキャンバスに
描けよ描け
我が足跡

月の光

月の光

なぜ月にはうさぎがいるのかって、いろいろ調べたら今昔物語にこんな話が

老人が倒れていて、おなかが空いたので何か食べ物がほしいといったら、サルは木に登り果実を、狐は魚をとってきて食料を与えた
でもウサギは何も取ることができなかったので、自らを焼いて差出した
実は老人は神様で、ウサギの献身に心打たれ月に昇らせた・・・って少し残酷な話だったんですよね

それをヒントにいくつか物語を書いたことがあるので

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妨げるもの

妨げるもの

 我、真理を求める旅の途中、夜も更けて休めるところを探していると、寄りかかって休むのにちょうどいいイチジクの木を見つける。
 煮炊きをしたのちに、心を静め、思いを収め、世界と一つになろうと、目をつむり、闇の中に身も心も委ねてみる。

 すると何やら囁く声あり。

 ないものはないんだって言っても、君にはわかってもらえないのかなぁ
 そりゃぁ、君が何をほしがっているのか、僕は十分に分かっているつもり

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歩く屍

子供の頃にジョージ・A・ロメロ のゾンビを見て、僕はすっかりゾンビ恐怖症になってしまった

定期的にゾンビに襲われる夢になやまされる

夢の最後はたいてい鍵がしっかりかからない小さな部屋に逃げ込み、そこでドアノブを押さえているのだけれど、ついに力尽きてゾンビの侵入を許してしまう・・・みたいな流れで目が覚める

潜在的に僕の中には集団に襲われる恐怖というのがあるという説もあって、僕は前世で、武家の役

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昔話考察3

かちかち山

僕が物語を書くようになったきっかけは、この物語だったりする。

畑を荒らした狸

それを捕まえたお爺さん

狸にだまされたおばあさん

狸の悪事を成敗するウサギ

最近の絵本ではおばあさんは狸に乱暴をされてけがをし、ウサギは狸を懲らしめはするが殺したりはしない

僕が子供のころに聞いた物語とはだいぶ違っている

まず、狸はおじいさんにつかまって狸汁にされそうになる

殺されかけた狸は

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昔話考察2

浦島太郎その2

この物語の主人公は言うまでもなく浦島太郎であるが、乙姫側に視点を変えて物語を見ると、これはこれで味わい深いというか、面白い

もしも乙姫が、あるいは乙姫とその周りの女たちが、物語の主人公ならどうなのであろうか?

ある日竜宮の女たちは話し合う

誰が一番魅力敵な女性であるか

そこで一人が提案をする

「漁師村の若者をそそのかし、だれが一番その若者を竜宮にとどめられるか競いましょ

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昔話の考察1

浦島太郎

亀助けて、恩返しが乙姫様の接待
これが等価交換ではなかったので、その差分として月日をとられた

だいたいそんなふうに解釈していたけれど・・・

それはもう現代社会においては、困っている女性を助けて、そのお礼にと、毎晩のように接待をうけたり、いい思いをしたら、最後にはとんでもない請求書を突きつけられるか、家庭から愛想をつかされるか、まぁ、そんなもんだろう

これはこれで、正解なのかもしれ

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