言い訳できない真実

本当は分かっていることなのに、僕はいつまでも分かっていない振りをしていたんです。

何かが出来るようになるとか自分の望んだ結果を出すとか、自分を磨くだとか自分をより成長させるだとか。そういったものは、そこに辿り着けるまで、何度でもやることだということです。

僕自身が知らない振りをしていることに気が付いたのは、知人にどうすればそんなに料理が上手に作れるのかと聞かれたことからでした。僕は調理の仕事にずっと長いこと携わっていました。その甲斐あって、その方も料理の腕が早く上達できるように教えてほしいとおっしゃってきたんです。僕に聞いてくれたのが、嬉しかったから喜んで了解したのです。ですが、どれだけ教えたとしても上達は見られませんでした。その方は、僕が教える時だけしか料理をしようとはしなかったのです。普段は、自炊すらもしなかったのでした。

ある時、その人から連絡が来ました。「せっかく、教えて頂いているのにも関わらず、全く料理の腕が上がりません。きっと、料理の才能を全く持ってないんだと思います。センスがないんです。ですので、こちらからお願いしたのに大変申し訳ないのですが、断念したいと思うのです。本当に申し訳ございません。」

お構いなくとお伝えしたのですが、僕の心うちは、そりゃそうだろうと思ったんです。月に数回しかやらないのに上達するはずがないって。僕だって、毎日料理を作っていたってまだまだと思っているのにって。一人でぼそぼそ言ってしまいました。その自分の言葉が何故か耳に残ってしまいました。

よく分からないモヤモヤした気持ちを抱えたまま、僕の中では、変わらない毎日をしばらく過ごしていました。普段の自分が、何を口癖としているのか、どんな行動をよくしているのかといったことは、正直あまり気にしてはいませんでした。ただただ、上手くいかないことに嘆いてばかりいるだけだったんです。

あることがきっかけで、そんな自分を省みることが出来たんです。自分と向き合ってみた時に、とても大きなショックを受けたのでした。あの時に、知人に何でもかんでもやらないと上達するはずがないと思っておきながら、僕自身が行動もしないで、本当に色んなことを口癖のように言い訳を並べては、諦めていたんです。

才能がないだとか自分には似合わないとか、自分はダメな人間だからとか常に言っている自分がいたんです。何もやっていないのだから、何も出来るはずがないと分かっているのにも関わらず、何も行動しない自分。結果が出る前から諦めてしまう自分。自分で納得できるまでやっていないのに、自分には出来ないと勝手に納得させようとしている自分がいるのでした。

自分に問うべきこと

挙句の果てには、自分をネガティブな人間だと決めつけては何でもかんでも安易に、人生の答え合わせをするのでした。

誰よりも自分のことを分かっているようで、誰よりも自分のことを決めつけていたんです。自分の気持ちを論破するのは簡単なんです。何でもかんでも論理的に考えていけばいいのです。頭でっかちにあれこれと考えればいいだけのことです。

ですが、その前に自分に問うべきだったのです。自分はそれで本当に納得出来ているのかって。自分が納得できるまでやっているのか。四の五の言わずにやれるだけやる必要があるのじゃないかって。出来る出来る出来ないの判断はそれからじゃないかって。まさか、ちょこっとしたくらいで、出来ないと言ってはいないだろうかって。

自分自身の性格も同じではないかと思えました。僕は自分のことをネガティブだと言い続けているけれど、日頃から前向きで明るくいられることを、どれだけ出来ているのか、自分に問うべきだったんです。

いつも本を読んだりネットで検索してみて、これが良いと思っても、一回か2回実行したでけで、やっぱり無理だと決めつけていたんです。自尊心とか自己肯定感とか言っているだけで、自分を喜ばせることをほとんどしていなかったんです。ポジディブな自分になりたいといいながら、ネガティブになる事ばかりしていることに気が付いたのです。

もしも、自分が喜ぶことをやりつくしたと思えるまでやってみたら、自然と明るくなれるのではないかと。

実際に、本当は気が付いている自分がいるんです。分かっていない振りをしている自分がいるんです。そうやって、責任逃れみたいなことをする為に、ややこしく考えていただけなんです。この世界を複雑にしているのは僕自身で、本来は、とてもシンプルで、やればやるほど出来るようになるのは当然のことなのです。

そのことを、しっかりと受け止めていくことで、少しずつ僕の中でも覚悟が持てるようになりました。

今では、真っ直ぐに前を向いて、ただただ、一歩一歩踏み出すこと。それが、出来ていることがあるのです。

それは、文章を書くことです。

多くの人がポジティブになるきっかけを持てるようなことを伝えるために、心に響くような文章を届けられるように、毎日書き続ける道を選び、こうして書いています。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。
今日も自分をご機嫌に。
メルシー