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問題の本質を見抜く

変えるべきなのは

自分の価値があるとは思えなくなってしまったことがありました。これまで信じて進きた道を見失ってしまったことがありました。そして、これまで本当に必死になって築いてきたものが、あれよあれよという間に崩れ去ってしまったことがありました。

こんな苦しみを嫌なほど経験したからこそ分かるのです。

何度も自分に絶望してしまったからこそ分かったことがあります。

何かしら、人間関係に悩んだり苦しんだりしているからといって、付き合う人を変えたからと言って問題を解決することは出来ないんです。

お金に対しても、不安や悩みを抱えていたとして、その人がどれだけお金を手にしたとしても、その人が抱えている問題を解決することが出来ないのです。

お仕事が上手くいかないとか、楽しみを感じられないからといった不満を抱えていたとして、転職したところで仕事に対しての問題は解決出来るものではありません。

お金を手にしたからといって、お金の管理が上手くなるわけでもありません。相手が変わったところで、人との接し方が変わるわけではありません。職場が変わったからと言って、急に仕事が上手くこなせるようになれる訳ではないのです。

問題を変えたところで、根本的なものは何も変わっていないからです。変えるべきなのは自分自身だということなのです。

そうした問題の本質に、僕らはもっと気が付く必要があるものだと思うのです。

問題の本質を見抜く

僕は自分に常々言い聞かせていることがあります。ある特定の人が許せないとか、怒りを感じてしまうのは、僕自身の中に認めることが出来ない自分がいるからだというもの。

自分と自分との関係が良くなったとき、自分と他人との関係も良くなるものだということです。

かつての僕は大きな悩みを抱えていました。人が自分の思い通りの行動をしなかったときに、激しく感情的になってしまうことでした。それは、今となっては当然のことだと理解することが出来ますが、当時はいつも、人と衝突したりといった問題ばかりで、苦しさを感じていました。

その当時、僕が出した答えがこうだったのです。

もう二度と、人は信用しない。いつも疑いながら付き合っていこう。人は裏切るものだと決めていれば、どんなことが起きても冷静でいられることが出来るのではないかと考えたのです。

そんな風に覚悟を決めていたとしても、この人ならと思い、心を開いては裏切られる。何も変わらない現実を味わってしまうのでした。遂には、一番信用していた友人にまで、お金をだまし取られてしまったのでした。

この問題の本質は、僕自身にあるのだということは、本当に随分後になってから気が付くことが出来たのでした。

結局、僕は人を信用しないと決めていても、どこかで、まだ信用したいと考えていたんだと思うのです。それは、当時の自分に対しても、同じように感じていたんです。自分を信じたい。でも、優柔不断な僕はすぐに決意がぐらついては、自分を裏切ってしまっていたからです。

そうなってしまった原因を探すのには、過去の自分と向き合うことが必要でした。

とても厳格な母の下に、僕はいつも母の意見に従うしかなかったのです。自分の気持ちを伝えたところで、全て否定されるばかりでした。親に認めて欲しいと思うのは、どの子供であっても思うはずです。そうやって、自分がこうしたいと言い続けた僕は見放され、母は、何でも自分の言うとおりにしてくれる弟を溺愛するようになったのです。

子供ながらに傷ついていたんです。小学生の頃、よくお風呂でひとり泣いていたのは、記憶に残っているんです。「僕は、この家の子供じゃない。どっこかで拾われてきたんだ。」って真剣に思っていましたから。

母の言うことを聞かないダメな子供。この時の心の傷が、僕の人間関係において、問題行動の全ての本質となっていたのでした。

こうした心の傷を癒し、当時の母であり、自分を許し受け入れることが出来たときに、少しずつではありますが自分が変ることが出来て、人間関係は大きく改善することが出来ました。

つまり、人生において問題が発生した時、自分の思い込みや生まれ育ってきた環境であったり、向き合いたくなくて避けているものであったり、原因を突き止めにくいものであるの場合があります。

そこを勇気と覚悟を持ち、問題の本質を見抜くための目を養う必要があるのだと感じました。

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メルシー

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