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森博嗣 100題エッセイ クリームシリーズ 題目 一覧


イントロ-この記事は何か?

森博嗣さんの見開き完結エッセイ"クリームシリーズ"は、年末に1冊の出版ペースで、すでに10年間以上続いています。各巻に100題だから、森博嗣さんはこのシリーズで、通算千を越える短文を書いている。これだけ膨大になると、どの巻に何が書いていたのかわからなくなります。

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"クリームシリーズ"は、Kindleで廉価版合本版もあります。

森博嗣さんのエッセイで一冊だけを選ぶとすれば、『道なき未知』(ワニ文庫)。この本で森エッセンスを描き切っているように思えます。

01『つぶやきのクリーム』(2011年9月 講談社 / 2012年9月 講談社文庫)

1.何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである。 / 2.自慢をする年寄りは、悲観する年寄りよりは長生きしてもらいたい。 / 3.天気予報は当たらないというが、これよりも当たる予報ってあるか? / 4.愛国心のような集団性を持つことが、人間の社会の基本だろうか。しかし、その基本が争いを個人から集団へと大きくする。 / 5.人の弱みにつけ込む最たるものとは、神である。 / 6.風向きが変わった、と喜ぶくらい、風を頼りにしていたのか。 / 7.土地に縛られているのは個人ではなく、集団である。 / 8.住宅の九割の価値を決める要因は、どこに建っているか、である。 / 9.つぶやくだけで良い。多くの普通の人の意見とは、その程度のものか。 / 10.長いものには巻かれろ、というが、それができるのは長くて柔らかい場合だけである。 / 11.本のページを捲る動作がどれだけいらいらするものか、電子出版が普及したら、みんな気づくだろう / 12.筆も鉛筆も万年筆も筆箱もなくなったのに、まだ筆記? / 13.ペンキを塗っているとき見ているのは、塗ったあとの表面? 塗るまえの表面? / 14.宣伝カーで大声を張り上げることがプラスになると信じているとしたら、政治家として鈍感すぎる。 / 15.遠いところへ旅行するより、近い土地へ引っ越す方が、ずっと冒険である。 / 16.遠い人の悪口と近い人の賞賛は簡単。遠い人の賞賛と近い人の悪口は勇気。 / 17.自分のせいで失敗したときより、他人のせいで失敗したときの方が後悔するのは何故。 / 18.自分のせいでも他人のせいでも、ほぼ同じくらい失敗は失敗。 / 19.成功する人は、成功する方法を知っているのではなく、失敗する方法を知っているだけである / 20.もし博打が当たって大儲けしたら、金輪際博打はやめるべきである。 / 21.喧しさは安いが、静けさは高い。 / 22.自由を目指す人は自然に金持ちになる、という理由は、物事を解決する楽しさから自由を感じることが多いためである。 / 23.AならばAの手を打つ。BならばBの手を打つ。CならばCの手を打つ。それがマニュアルである。しかし、一番難しいのは、今がAなのかBなのかCなのかを見極めることだ。 / 24.僕はだいたいにおいて、早く言いすぎる。今言えば良いことを、五年くらいまえに言ってしまうのだ。 / 25.どうしても欲しいものに大金を払うことは意外と簡単だ。 / 26.音楽をかけると反射的に仕事がしたくなる、という条件反射が僕を勤勉へ導いた。 / 27.「自由なんていらないよ」という人にかぎって、金だけは欲しがる。 / 28.太陽光発電で「貯金をしよう」という宣伝を見たが、たぶん「返済をしよう」の間違いだろう。 / 29.マクドナルドが大好きだけれど、店に入るのは少し恥ずかしい。 / 30.長くオープンカーに乗っているが、幌を開けてオープンにして走った時間は一パーセントもないだろう。すなわち、ステータスとはそういうものだ。 / 31.今までこれでやってこられたのだから、これからも大丈夫だろう、という理屈が通るなら誰も死なない。 / 32.もう少し早く言ってくれたら良いのに、と思うことが多いが、それをもう少早く思うべきだった。 / 33.僕は反省をしたことがない。そんな暇があったら対策を練る。 / 34.英語がしゃべれなくて困ったことはないが、日本語が通じなくて困ったことは数知れない。 / 35.友達がいなくて困ったことはないが、友達の名前が出てこなくて困ったことは数知れない。 / 36.格言というのは、誰が言ったことかというのが「格」になる。 / 37.品格というものがあるが、つまりその人間の強さが表れたものだ。 / 38.汚い言葉を話したり書いたりすれば、自然に汚い人間が出来上がる。 / 39.電子書籍というものが、既に「防戦」であることを出版界は理解しているだろうか。 / 40.飲むヨーグルトって、歩く辞書とは少し違う。 / 41.大部分の失敗は、やらなければならない失敗だった。 / 42.上手じょうずがうまい人は、一般に人づき合いが下手である。 / 43.声の大きさをコントロールできない、といえば老人か田舎者か犬か、あるいは、おばさんの団体である。 / 44.もう恥ずかしがる歳でもないでしょう」という言葉が、かなり恥ずかしい。 / 45.天気予報が当たらないと腹が立つが、悪いのは予報士ではなく、明らかに天気の方である。 / 46.いつも遠くを見すぎて、近いものにつまずく、という人生だった。 / 47.基本的に、歳を取るほど人懐っこくなくなる。だから、人懐っこい年寄りは、単なる幼児化だろう。 / 48.没個性の理由、それは一流よりも二流が多いからである。 / 49.現代において最も忘れてはいけないものは、パスワードである。 / 50.カロリィゼロならわざわざ食べたり飲んだりしなくても良いのではないか、と思うが、これと同じことが、いろいろな消費行為の最近の傾向らしい。 / 51.TVで紹介されるお店は、どれも「女性に人気がある」とわざわざ強調するくらい、女性に人気がないのだろう。 / 52.昔「家族連れで賑わっていたところは、今は「老人たち」で賑わっている。 / 53.「公共交通をご利用下さい」と主張しつづけてきたのに、 「若者の車離れ」を気にしている。 / 54.「それを僕は十年もまえから言っている」と話すことが多いが、それはもう三十年くらいまえからのことだ。 / 55.不言実行なんて大したことではない。普通の人の日常動作はすべて不言実行だ。 / 56.自分の短所や長所というものを考えたって、意味ないでしょう? / 57.大量の酒と少量の覚醒剤は、甲乙つけがたい。 / 58.「今コーヒーを飲んだら眠れなくなる」という人は、平和だ。 / 59.電話窓口は絶対に一回ではつながらない。 / 60.老人がブログを始めたら、個人情報について注意した方が良い。 / 61.こんなに借金を抱えているのに税金を上げないなんて、正気の沙汰とは思えない。 / 62.最近、バードウォッチングをしているが、鳥の名前をまったく知らない。知りたくもない / 63.売れない商品、売れ残り商品を沢山並べている店、それが書店である。 / 64.昔と変わらない味、というが、なんでもどんどん美味しくなっているのに駄目じゃないか。 / 65.人生の勝ち負けは、勝率ではなく、勝ち数で決まる。いくら負けても良い。 / 66.失敗を恐れなくては、成功は望めない。 / 67.当たっても砕けないように、準備をしておくこと。 / 68.気持ちを切り換えろというが、気持ちなんてものはどうだって良いから、次の手を打ちなさい。 / 69.友達は財産というが、まあ、その程度のものである。 / 70.親の死に目にあえないことの何が問題なのだろう? / 71.僕は両親の墓を作らなかった。生きているうちにできるかぎりのことをしたので、それ以上にする必要を感じない。 / 72.スパンメールはホワイトノイズと同じで、受信していることを示すバロメータとしての価値が認められる。 / 73.自由な発想はどうすれば生まれるのか。もちろん、考えないと生まれない。 突然思いつくものではない。 / 74.子供は自由だというが、大人ほどではない。 / 75.世の中、「こいつ何様のつもりだ?」という奴が多いが、たいてい無害だからよろしい。 / 76.「何故二番ではいけないのか?」と問われ、冷静に理由を答えられないようなら、やめてしまえば良いだけの話である。 / 77.正義の味方なんてものはどうでも良いが、正義の見方は重要だと思う。 / 78.「私にはそれはとてもできません」という言葉を聞くまえから、たいていは無理だとわかる。 / 79.本当のプライドを持っている人は、プライドを懸けたりしない。 / 80.僕が森博嗣でなかったら、いったい誰が森博嗣なのですか? / 81.「いだけ」と言われて抱いた大志など、大したものではない。 / 82.偉いというのは、偉い場所を探して移動したのではなく、自分のいた場所が隆起りゅうきして、あるいは周りが陥没かんぼつして、偉くなったのである。 / 83.若いときには苦労を買って出ろ、というのは、ちょっとした苦労のことで、結局はそれが効率が良い、という意味である。 / 84.偉い人の話を聞いて、うん、そうだ、そのとおりだ、と思っても、偉くなったわけではない。 / 85.偉い人の話を聞いて、それをそのままブログに引用しても これっぽっちも偉さには近づけない。 / 86.正直者が馬鹿を見るのは、その正直者が馬鹿だった場合だけだ。 / 87.僕がイメージする「平和」とは、たとえば2ちゃんねるのやりとりを、内容はそのまま少しだけ言葉を丁寧にしたものである。 / 88.勝ち組と負け組というのは、負け組が言っている表現である。勝ち組の人は、やった組とやらなかった組としか見ていない。 / 89.地面に置いた瓦を空手家が割ったとき、瓦を割ったのは、空手家と地面である。 / 90.人間の輝きは、 一所懸命になって探しているから出る光である。 / 91.日本人は、「国」という言葉を「政府」とか「官庁」という意味で使う。 / 92.トラブルに対する対処こそが、仕事の本質である。 / 93.人間なんだから、自分らしくないこともしなければ。 / 94.一番なりたくない職業は政治家である。 / 95.死ぬほどつらいことはあると思う。たいていの場合、死ぬ方が辛くないだろう。 / 96.死んだ人をどう処理するのかは生きる者の問題である。 / 97.良い品物だから売れる、欲しいものだから買う、というメカニズムはむしろマイナ。 / 98.人生経験という言葉があるが、人生以外の経験はできない。 / 99.森博嗣の言うことは身も蓋もない、というが、そうかもしれない。 / 100.最近、ようやく大人になれたかもしれない、と思う。 / 解説・あとがき.嗣永桃子(Berryz工房)

02『つぼやきのテリーヌ』(2013年12月 講談社文庫)

1.「なんとかなる」って、そりゃ、なんとかはなるさ。 / 2.謝り慣れた人間ほど、ミスが多く、同じ失敗を繰り返す。 / 3.「三度の飯より」って言うけど、飯を三度も食べないし、的な。 / 4.作れば作るほど優位になり、受ければ受けるほど劣化する。 / 5.仕事ができる人は、出世などさせず、給料だけ増やせば良い。 / 6.弁当を作ってもらって、もの凄く嬉しかった。 / 7.評価1の家電品を購入したが、大変満足できる製品だった。 / 8.死んでも直らない、と、死ななきゃ直らない、は大違いである。 / 9.個人情報は他の目的に使用しない、と書かれているが、漏洩はする。 / 10.町内会ではなく、町内清掃会にすれば良いのでは? / 11.「絆」という言葉に美しいイメージしか持たないのが最近の傾向。 / 12.奥様がよく黙っていますね」と言われることが非常に多い。 / 13.前半は良い話が書いてあるが、後半は宣伝になる。 / 14.作品を作り直そうと思ったことはない。成功作も失敗作もない。 / 15.1%のインスピレーションは、九十九%の努力よりも価値が高い。 / 16.電子書籍はどうですか?ときかれる。もうずいぶんまえに答えた / 17.小さい政党の存在理由は? 野党はどうしなければならないのか。 / 18.「何が言いたいのかわからない」と言う人は、何が言いたいのかわからない。 / 19.「有名」に価値があると思い込んでいる人が多い。 / 20.とても五十代には見えない、というのが流行っているらし / 21.「いきなり失敗して、それで舞い上がってしまった」って、変でしょう? / 22.誰にでも「頑張れ」と言える人は、かなり無神経。 / 23.フケがストレスで出るというのは、本当のようだ。 / 24.もう二度と貴方の作品は読まない」と言われたら、どうする? / 25.クローン犬がネットで否定的に扱われていたが、べつに良いと思う。 / 26.無料のものに支配される世の中。 / 27.幽霊がいないことを科学的に証明してみなさいよ、と言う人がいる。 / 28.立派な母親像を捏造するから、面倒なことをしたくなくなる人が増える。 / 29.世界観って、人生観よりどれくらい大きいの? / 30.よく思いつきましたね」と言われるが、思いつきを捨てる方が百倍多い。 / 31.物体の所有は無意味だが、だからといって不愉快ではな / 32.小説雑誌というものを一度も読んだことがない / 33.神は、みんなの期待に応えるうちに、だんだん狂気を帯びる。 / 34.「庶民」を絶対的な善人と見立てるのが、マスコミの偏見の根源か。 / 35.「視点」と「目線」の違いを使い分けてほしい。 / 36.残業手当ってやつは、基本的に馬鹿げている? / 37.何故、あなたの呟きは炎上しないのか。 / 38.え、もしかして、大人である方が良いと思っているの? / 39.好きも嫌いも、興味のあるものに対する評価である。 / 40.ニュースでスポーツ・コーナがあるのは変だ。 / 41.モグラ退治で僕が学んだこと。 / 42.奥様に対して、代名詞が何を指し示すのかを尋ね続ける人生。 / 43.子供には、「検索ではなく、模索をしなさい」と教えた。 / 44.絡まりやすいコードって、多いな。 / 45.トンネルを作っていたら、「窯ですね」と話しかけられた。 / 46.バレリーナの写真で、「写真上」に笑ってしまった。 / 47.救急車に初めて乗った。 / 48.ツイッタは、神様に声が届く、みたいな感じなのだろうか / 49.クーグルで「森博嗣」を検索すると出てくる写真は誰? / 50.「壊れた」と言うと、 「壊したんでしょう?」と言われる。 / 51.事故が怖いから車の運転をしない、という人が増えた。 / 52.入札したのに金の工面ができなかった、というニュースに驚いた。 / 53.ツイッタでバレてしまう、ということに気をつけましょう。 / 54.近頃の僕は読書家だ。理由は、書店に行かなくても良いため。 / 55.存在感って、何だろう? / 56.マクドナルドが好きなので、また書いてしまおう。 / 57.宝くじとか馬券で儲けたとき、税金がかかるの? / 58.思い知らせてやりたい人間は、そもそも思い知ることができない人だ。 / 59.こんなテーマで書いてほしい、と言われることが多いけれど。 / 60.病院へお見舞いにいくのは、本当に親しい人だけにした方が良い。 / 61.僕は最近でもときどき、コロンボの新作を夢で見ている。 / 62.不満と楽しさは、ベクトルが平行ではない。 / 63.上からの声も下からの声も聞けない人間になるのは何故か? / 64.年収の一割しか遊びに使えない。だから仕事をしているのか。 / 65.一所懸命やったことは、なにものも無駄にはならない? / 66.「平和」とか「豊かさ」というのは、いかに「棚上げ」するか、かも。 / 67.明るい酔っ払いを「良い酒」などと言うが、かなり迷惑である。 / 68.「微妙」の意味が、実に微妙である。 / 69.本当に良いもの、自信のあるものには飾り付けをしない。 / 70.僕の本職は、草刈り人、芝生管理人、それとも水やり人。 / 71.人からおすすめしてもらわないと、一歩踏み出せない人が増えた。 / 72.リタイアというプロジェクト。 / 73.クイズの本には、簡単に解ける問題があった方が良い。 / 74.文庫の解説者の選び方について。 / 75.性描写が大人の証だと思っているなんて、非常に子供だと思う。 / 76.篩にかけると、粒ぞろいになるが、量は減る。 / 77.先延ばしにできる状況は、それ自体は素晴らしく贅沢だ。 / 78.努力を続けることは、その努力を始めるよりも簡単である。 / 79.我慢をして不満を言わない人は、相手の気持ちを思いやれない。 / 80.グローバルとは、これは相手に通じるだろうか、と常に疑うこと。 / 81.「謝るのはただ」は世間に浸透している。罰金の方がはるかに効く。 / 82.「住民は不安を募らせている」っていうのは、マスコミの主観? / 83.無関係なミスで辞職に追い込むより、仕事上の手際を見てはどうか。 / 84.宣伝というのは、格好の悪い行為だった。 / 85.あやふやなものの上にすべてが存在している、という認識。 / 86.勤勉だと言われて、びっくりした。そんなはずはない、と考えた。 / 87.「真価が問われる」のは、それが破綻するときである。 / 88.自己評価というものは、自分にとっては絶対的なものだ。 / 89.話が通じるような相手ではなくても、話し合う以外にない。 / 90.自分以外のことは、基本的に不特定多数には話さない方が良い。 / 91.夏が大好きになった。 / 92.子供たちの喜ぶ顔が見たい、と言う大人が情けない。 / 93.目のつけどころの違いというのが つまり才能の違いである。 / 94.ツールを活用することで差は広がるが、逆転することはない。 / 95.自分のことなのに、あまりにも多すぎてわからなくなる? / 96.これからのネットはどうなるって? どうにもならないよ。 / 97.基礎を学ぶことは、一生の宝になると思う。 / 98.頭のおかしい人間というのは、若者よりも年寄りに多い。 / 99.もう一度生まれ変われるとしたら、何がしたい? / 100.しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ。 / 解説・あとがき.嗣永桃子(Berryz工房)

03『つぼねのカトリーヌ』(2014年12月 講談社文庫)

1.「欲しいものはない」より「欲しくないものはない」の方が上。 / 2.なんらかのトラブルがあったと見て調べている? / 3.「今のままで良いのだ」というのは、格好悪くない」 / 4.「号泣」を使いすぎるこの頃。 / 5.「今のままで良いのか」といつまでも意識したい。 / 6.トイレ掃除から僕が学んだこと。 / 7.値段が高いときに買っても、お得感はある。 / 8.完成の瞬間だけが目標ではない。 / 9.行列に並ぶというのは、恥ずかしい貧しさだと感じる。 / 10.自分は基本的に一人である。 / 11.「よす」という動詞は、命令形以外は聞かなくなった。 / 12.禁煙したと周囲が気づくのは、禁煙が終わった頃。 / 13.選挙というものは、民主主義の基本となるシステムだ。 / 14.ただいま森家は電話がつながりにくくなっております。 / 15.才能の差のせいにした方が、人に優しい。 / 16.他者に対する欲がない。欲はいつも自分に向かっている。 / 17.森博嗣はこういうのが好きなんだ、とよく言われるもの。 / 18.夏目漱石はラノベか。 / 19.正式文書では西暦にしてもらいたい。 / 20.人に嫌われる覚悟が、人生の活路になることがある。 / 21.国会中継するなら、野次をやめてほしい。 / 22.難度の高い問題を考えることは簡単である。 / 23.みんなが褒めてくれたのは、僕の足跡です。 / 24.本を読んでも、自分を知ることはできない。 / 25.たまに整頓をすると、捨てたもんじゃない、と思う / 26.「難しい」にもいろいろな意味があるようだ。 / 27.「ノリ」というのは、調子に乗ること。 / 28.人生なんてものは、思いどおりにしかならないのだ。 / 29.天才は突飛な人格だ、という幻想がある。 / 30.子離れ、親離れが難しい現代。 / 31.矛盾した思考は、むしろ大切である。 / 32.TVの一番の欠点は、時間枠に囚われていること。 / 33.家族とか夫婦とかに期待をするのは甘え。 / 34.一人で遊べる人は寂しいとは感じない。 / 35.ダムとか橋とかは、建築ではない。 / 36.奇跡を信じろ、というのは無理な話だ。 / 37.嫉妬という感情が、どうも僕にはないようだ。 / 38.がっかりしたくなかったら、悲観することである。 / 39.綺麗事が何故綺麗なのかといえば、それは言葉だからだ。 / 40.自分の本が海外で出版されていることについて。 / 41.「死」を無理に悲しもうとしている人が多い。 / 42.リンスをシャンプーだと思って一週間使った。 / 43.衝突しない車について。 / 44.捺印って、遅れていないか? / 45.この世に完全犯罪というものはない。 / 46.優しい人は優しい振りができない。 / 47.馬鹿がわりとまかり通る世の中ではある。 / 48.レトロは好きだが、レトロ趣味は好きになれない。 / 49.多くの製品は注文生産になるだろう。 / 50.僕は絶大な人気を博しているらしい。 / 51.では、自己紹介をためしに書いてみよう。 / 52.もう少し、自己紹介を続けて書いてみよう。 / 53.目立ちたがり屋ではなく、潜みたがり屋です。 / 54.不整地を歩くのは、エネルギィが必要だ。 / 55.英語の表記で、カタカナを工夫した方が良い。 / 56.戦争放棄の憲法は、現実的だろうか? / 57.自慢をしても嫌がられない時代になった。 / 58.みんな頭の良い奴ばかりだったのに。 / 59.頭の良さを感じるのは、どんなときか。 / 60.反応することは、自分から発している行為ではない。 / 61.金に糸目をつけるのも、基本的な自由である。 / 62.時間は無料だという認識が一般的である。 / 63.最近よく眠れるようになった。 / 64.僕的には、模型よりもおもちゃの方がレベルが高い。 / 65.場所は、人間の思考から切り離すことができる。 / 66.「新」がついている古いもの。 / 67.映画も漫画もTVも殺し合いばかりやっていた。 / 68.「どっきり」の何が面白いのか、僕にはわからない。 / 69.夢で多いのは、不動産関係とゼミ旅行と学会かな。 / 70.人間の物差しは伸び縮みする。 / 71.僕は頑張らない人間です。 / 72.捨てることを考えないと、ものは売れない。 / 73.生態系というものを、どれくらいの人が考えているだろう。 / 74.太陽光発電と風力発電は、いちおう実験してみた。 / 75.「だから日本人は駄目なんだ」と言わなくなった。 / 76.奥様が「幸せだね」を連発するのでビビっている。 / 77.夢を叶えるなんて大したことではない。日常である。 / 78.無理をしない余裕が、仕上げの美しさになる。 / 79.目は痛くなるが、耳は痛くならない。 / 80.ちょっとやそっとで感極まってほしくない。 / 81.政党って、何の違いで分かれているの? / 82.自分の空間をできるだけ広く持った方が良い。 / 83.「自分らしさ」がほしくてたまらない人たち。 / 84.自分が立っている地面の下には何があるのか? / 85.枯れないかぎり、待つことができる。 / 86.点の有無で違う文字になるのって紛らわしい。 / 87.キラキラネームも、大勢いるときらきらしない。 / 88.何が生まれるかわからないことをしよう。 / 89.スバル氏がTVで相撲を見ていた。 / 90.空間認識と客観視について。 / 91.ポケットからまず自分の耳を出してはどうか。 / 92.偉大な神ほど、人間を戦わせる。 / 93.「神」も落ちぶれたものである。 / 94.その代名詞は何を示しているか、答えよ。 / 95.話が通じた、わかってもらえた、と感じたことは少ない。 / 96.おそらく、見るもの、接するものへの執着の差だろう。 / 97.自然の中には、純粋なものも均質なものもない。 / 98.噛み合わない会話が人間関係を支えている。 / 99.よく考えてみると、好きなものって、特にない。 / 100.穏やかな日々を支えるものが、かつてあった。 / 解説・あとがき.土屋賢二(お茶の水女子大学名誉教授)

04『ツンドラモンスーン』(2015年12月 講談社文庫)

1.現代人が求める「気づき」は、「気づきたい」ことでしかない。 / 2.「あれはカラスだよ」と言ってカラスを見ない子供たち。 / 3.シャーロック・ホームズって、冒険してますか? / 4.安全保障というのは、戦争をすることだったのか。 / 5.少年Aの手記に対する騒動について。 / 6.「いいね」「いやだな」は自分の中で留めておいた方が良い。 / 7.「考えていかねばならない」で結ばれている文章がとても多い / 8.どんなに外れが続いても、当りの確率は高くならない。 / 9.妬みやひがみは、人を見下した言葉で口から出る。 / 10.「天才」を描くときの限界は、読者の理解力である。 / 11.「老後が心配だ」と口にする人に「どうせ死ぬんですから」と言える? / 12.この表記はやはり変えよう、と思うことは一ヵ月に三回くらいある。 / 13.報道とは、みんなが知りたいことを伝えるだけで良いのか? / 14.下から目線に囲まれて育った子供が、大人になって見下される。 / 15.「未知数」が「大したことない」の意味に使われている。 / 16.アマチュアほど、制作の途中経過を実況する。 / 17.金銭的な格差よりも、知恵や楽しさの格差の方がずっと大きい / 18.ドローンが危険だと問題になった理由は、簡単に飛ぶからである。 / 19.ついに怖れていたことが。「新書」が「古書」の反対だと認識され始めた。 / 20.おはぎとぼたもちは同じものではないのか。 / 21.僕の小説を読んだだけで、理系の大学へ行きたくなるという。 / 22.老年よ、好奇心を抱け。 / 23.地方への移住者が増えているとのニュースを見て。 / 24.個人情報について、本当に認識が甘い。 / 25.アロマが苦手。 / 26.「屋台が炎上」のニュースで、 「屋台の何が話題に?」と思う。 / 27.たとえば、と一例挙げただけで真実味が出る錯覚。 / 28.「相手を理解する必要がある」はいつも正しいわけではない / 29.フルーチェを作って感じる孤独。 / 30.我が庭園鉄道もついに三十号機に至った。 / 31.昨日の僕が今日の僕にプレッシャをかける。 / 32.推論は、論理的でなければならない。 / 33.いろいろ文句を書いているが、愚痴ではない。 / 34.「憲法を守ろう」には二つの意味がある。 / 35.知識は無料、発想は有料。 / 36.自慢か謙遜かという判断はない。相手が興味を示すかどうかだ。 / 37.複数形が気になる人です。 / 38.マンホールの蓋が円形である理由は聞き飽きた。 / 39.ものを捨てて整理しろという洗脳を都会人は受けている。 / 40.さきの心配をするよりも、今この瞬間を楽しもう、という馬鹿。 / 41.この頃、穴を掘るのが上手になった。 / 42.忘れたいと言いながら、忘れないでほしいとときどき思う。 / 43.自殺者が多いのは、いけないことだろうか。 / 44.なにかというと現代への批判と取られるが、そうではない。 / 45.「表」が通じなかった。数字を比較する習慣がそもそもない? / 46.「いっそ」と「いっそう」は使い分けられているのか? / 47.僕の最近のオーディオ環境について。 / 48.文庫書き下ろしが有利になるのはどんな条件か? / 49.「ぼろい」という言葉は、関西ではよく用いられる。 / 50.本には書けることでも、ネットで発言すると炎上する。 / 51.「一票の格差」には、もう一つ意味があると思う。 / 52.「青い鳥を探しています」 症候群の人が増えている。 / 53.「ただなんとなく」の大切さ。 / 54.短編集は気持ちの切り換えが大変、というのを聞いて。 / 55.道筋を示せば突き進むことはできるが、道を探せない。 / 56.楽しみは、自分の中に閉じ込めたときに一番楽しくなる。 / 57.硬さと強度は違う性質である、について再び。 / 58.受信者は送信者の何倍くらいいれば良いのか? / 59.似て非なるものは、非なるがゆえに似せたものである。 / 60.果物や野菜の漢字は難しい。どれもキラキラネームである。 / 61.相槌は基本的に共同作業であって、引き立て役の意味ではない。 / 62.「何とお呼びすれば良いでしょう?」と聞かれることが多い。 / 63.「ローンで買った」というのは、「借りた」の間違い。 / 64.シリーズでは最初は面白くなく書くようにしている。 / 65.「やる気が大事だ」と言うが、やる気が何を産み出すのか? / 66.「役に立ちたい」は、「感謝されたい」ではない。 / 67.エッセィを書く理由は、自分が小説を読まないからである。 / 68.ウソッポ物語は、子供にはとても嘘っぽい。 / 69.受け手は作り手よりも保守的だ。だから受け手になる。 / 70.玉転がしと庭園鉄道、どちらも自分が一番楽しい。 / 71.人生という列車に乗っている。 / 72.絵本作家よりもミステリィ作家の方がなりやすい。 / 73.「努力」は必要ないが、着実に進めることは大事。 / 74.四年振りに講演会をするために三年振りに東京へ行った。 / 75.最近またラジコン飛行機で遊んでいる。 / 76.知りたいところだけを見ていたのでは、変化は読めない。 / 77.ネットオークションから学んだことが沢山ある。 / 78.あなたの実体は何か? / 79.知りたいことを知ろうとするのは、知りたくないことがあるから。 / 80.拘りが際立つのは、それ以外が自由奔放だから。 / 81.「プロフィール」っていうのは、自分では見えない角度。 / 82.好かれようとすることが、怪しさを増す。 / 83.身近な人たちにも、僕のようにあれ、と言うことはない。 / 84.「平均」という評価をし始める年代。 / 85.難しそうだと敬遠していると、いつまでも簡単にはならない。 / 86.オリジナルであれば、たいていは個性的で、似たものはない。 / 87.配置換えが多すぎるのは、平等意識から来る被害妄想か。 / 88.小説を書いたあと、そのテーマのものを読む癖がある。 / 89.出力も大切だが、不出力もまた非常に大切。 / 90.花蝶よと育てられた犬たち。 / 91.場所や環境に関する僕のトリック。 / 92.「正しさ」をより確かなものにするのは、 「誤った」情報である。 / 93.発想を育てる庭を持つこと。 / 94.バックグラウンドのない意見は、単なる感情と見なされる。 / 95.「啓発を求めているわけではないけれど」と言い訳する人が多い。 / 96.味の深みというのは、結局は相反する刺激の混在である。 / 97.毎日を楽しくしたかったら、せめて前日に明日の準備をしよう。 / 98.全力を出し切るよりも、常に余力を残す方が安心安全。 / 99.右に出させたら右に出る者がない。 / 100.不器用貧乏とか貧乏貴族とか忘年老人とか年金就活とか。 / 解説・あとがき.土屋賢二(お茶の水女子大学名誉教授)

05『つぼみ茸ムース』(2016年12月 講談社文庫)

1.あのときやっておけば良かったな、と思ったときにやりなさい。 / 2.けんもほろろに生きていきたい。 / 3.何ですか? 決定力不足って。 / 4.「俺の気持ちがわかってたまるか!」 への返答は? / 5.いらいらする人でないと合理化の工夫をしない。 / 6.「やらなければならない」は、「やれば良い」ではない。 / 7.「12%でなければ書かない」は、「2%なら書く」ではない。 / 8.死者を毎回出す祭りは、伝統よりも大事なものを忘れている。 / 9.「学びたい」にひそむ「誰かに教えてもらいたい」気持ちが不純。 / 10.「強い意思」とは何か、頑固と何が違うのか? / 11.踊らされたくないけれど、踊っている人たち。 / 12.感情は、なくてはいけないものなのか? / 13.どんな社会が好きか、ではなく、どうすれば良くなるのかを考えよう。 / 14.お金をもらうために仕事をする人の方が、安心して依頼できる。 / 15.友人が少ない僕です。 / 16.だいぶ小説の書き方がわかってきた。そろそろ本気を出すか。 / 17.事実と意見と願望を区別していますか? / 18.頑張っている若者がいると喜ぶのは、年寄りだけ。 / 19.自分の夢のために、子供を道連れにしないように。 / 20.あまりにも多すぎる 「ありがとう」の応酬について。 / 21.自分の好みの情報ばかり集める危険性について。 / 22.ネットで多いのは、「発信」ではなく「転送」である。 / 23.立派で綺麗な話ばかりでは、誰も信用しなくなる。 / 24.男の子が自動車の絵を描きたがる理由。 / 25.作業の手順を自分で考える癖をつけることの大切さ。 / 26.どうしてみんな食事の時間を合わせるのだろう? / 27.小説に必要なことは、読めることと、新しいことである。 / 28.「不透明」って、しっかりと見える状態のこと? / 29.最近いらいらしなくなったが、たまにはした方が良いかもしれない。 / 30.お金がないから我慢しよう、というのは「我慢」なのか? / 31.理系の雰囲気を、方程式の名称や数学者名で出そうとするのは非理系。 / 32.いつまでも変わらない、と思ってしまう信仰。 / 33.重くて安い材料の購入が一番大変。 / 34.〈間いろいろいる、一律になるな、などはもう書かなくても良い? / 35.約束は自分の意思だけでするものではない。この勘違いが多い。 / 36.黒歴史というものは、僕にはない。最近の人にはないのではないか。 / 37.「困ったなあ」を「悲鳴」と表現するマスコミ。 / 38.カロリィゼロは美味くない。これこそ人間の味覚の凄さだ。 / 39.ドラマや映画やアニメや漫画のキャラクタに恋愛できる人がいる。 / 40.「クレイジィ」は「やばい」と訳せば良い。 / 41.間は、連続した遅い変化には鈍感である。 / 42.吉本ばななと羽海野チカは、遠い存在である。 / 43.「電話は使っていません」と言うことが多くなった。 / 44.「謝罪」とは、要求するものなのか? / 45.風は妖精、という捉え方は、読書の基本的なスタンス。 / 46.透明人間というものが、子供のときに不思議だった。 / 47.お金を貯めるよりも、時間を貯める方が、人生を豊かにできる。 / 48.理系に向いているのは、「発想」を売り物にする商品開発である。 / 49.可動式がもっと増えると思っていたのに。 / 50.被災地で活躍するものを開発したがるのは何故か。 / 51.「書店は今後どうすれば良いのか」 問題からさらに…。 / 52.表紙に人物のイラストがある小説が多くなった。 / 53.「感想」が言えない人たち。 / 54.YouTubeもCMが入って見なくなった。これではTVと同じ。 / 55.自分のことを「研究者」とは名乗らない。者と家の違いは、他称と自称? / 56.執筆中にアイデアを思いつくと、長くなりすぎないか、と心配。 / 57.「正直」を楽しむ。 正直に語りましょう。 / 58.ヨーグルトが好きだということについて再び、三度。 / 59.4、5ばかり集める作品ではなく、1も5もある作品の方が良い。 / 60.名前のローマ字表記について再び、三度。 / 61.「神は細部に宿る」の「細部」は、「装飾」ではない。 / 62.「ネタばれ」なしで物語を書く、それがミステリィ作家の能力。 / 63.「書くつもりだ」と、「書く計画だ」は大違いである。 / 64.「引っ提げる」のか「振り翳す」のか。 / 65.書斎で指を切ることの方が、工作室での怪我よりもずっと多い。 / 66.我が庭園鉄道における事故について。 / 67.シェルティを飼うと経験しがちなこと。 / 68.「憧れの生活」よりも「憧れてもらえる生活」に憧れている人たち。 / 69.庭師の生活は、庭を眺めることが報酬である。 / 70.毎日使うものなのに、一回しか買わない商品って何? / 71.「この設定はいつから考えていたのですか?」ときかれる。 / 72.日本人の未練がましさが、どうも肌に合わない僕です。 / 73.最近、右翼じみている気がするが、基本的には左寄り。 / 74.初めに言葉があった、というくらい、言葉が思考の元凶。 / 75.「意味なしジョーク」の成立ちについて。 / 76.こういう考えの人がいるんだ、生きているんだ、という感覚。 / 77.子供は、家庭よりも学校などの小社会の影響を受けやすい。 / 78.生活の役に立つものを作らないのが、僕の工作のポリシィ。 / 79.毎日ブログを書くことは、全然大したことではない。 / 80.ジョージ・チーの冒険の舞台裏。 / 81.変換ミスなのに、残ってしまうのは、意味が近すぎるから? / 82.森博嗣の小説は夢のようにぼんやりしている、とよく言われる。 / 83.測定することが好きかもしれない。 / 84.作業量を分割し予定を組む。それに従って粛々と実施する。 / 85.タイトルは大事だが、凝り方にはいろいろある。 / 86.「先駆」の価値。 / 87.「嫉妬をしない」と書いたところ、質問が来た。 / 88.「馴れ馴れしくされるのが嫌いだ」というのは、今でもそう。 / 89.タレントやアスリートは、品行方正でなければならないのか? / 90.多数派に対して、少数派の有利さはどこにあるのか? / 91.偶数でなければならないもの、奇数でなければならないもの。 / 92.見つかるものは、探していたものである。 / 93.なにもしなくても、毎日は過ぎていく。 / 94.「夢」というものを持ったことはないかもしれない。 / 95.「日本製は少し高いけれどサービスは良い」は本当だった。 / 96.奥様はダイエッタ。 / 97.もう会えない、という思い出を積み重ねて。 / 98.科学によって失われたものは、非科学以外に何一つない。 / 99.優しさは、余裕から生まれるもののようだ。 / 100.人生で今が一番楽しくて充実している。 / 解説・あとがき.羽海野チカ

06『つぶさにミルフィーユ』(2017年12月 講談社文庫)

1.同じ本を読んでも、同じものを食べても、同じ人間にはならない / 2.「できない」と「やりたくない」はほぼ同じ。 / 3.最後に「今後も目が離せない」など、余計なことを書きたがる。 / 4.満員電車というものが、そもそもどうかしている。 / 5.「ぞっとしない」が通じないみたいで、ぞっとした。 / 6.「美味しい!」と言う人を見ないと、美味しく感じない人が増えた。 / 7.山あり谷ありというが、山も谷も片方だけでは存在しない。 / 8.「誰某の〇〇論だよね」ですべてを否定する人がいるが。 / 9.大勢の中の一人と自分を位置づけるのが常識的な人間の感覚である。 / 10.「土地に縛られた日本人」問題について少し考えてみた。 / 11.真面目に言うが、僕はほとんど巫山戯ふざけた経験がない。 / 12.「本気を出す」というが、本気以外のものを出せる方が凄い / 13.「にわかで申し訳ないのですが」と謙遜のつもりで言っているの? / 14.「○○もびっくり」と聞いても、ほとんど誰もびっくりしない。 / 15.上は下の気持ちがわかっていない、という例は滅多にない。 / 16.人の呼称に、「ちん」や「さ」を付ける習慣がすたれた? / 17.電子版には見本というものがない。でも、見せてもらうことにした。 / 18.「乾電池十九本、耳をそろえて持ってきておくれ」と奥様に言われたこと。 / 19.「諧謔かいぎゃくろうする」なんて言われても、首が捻挫ねんざするだけ。 / 20.順番というものは、さほど重要ではない。 / 21.売れていても、評判が良くても、商売が成功しているわけではない。 / 22.「お気持ち」は、「お考え」ではない。 / 23.オスプレイの非難に文句をつけると、オスプレィに賛成なのかと言われる。 / 24.鉄道の人身事故の多さは、都会の脆弱性ぜいじゃくの一つ。 / 25.ラノベの定義について書こう。 / 26.小説について誰かと語りたい、という人が多いが、何を語るのか? / 27.「森博嗣さんですね、読ませていただいています」と聞くと、嬉しくない。 / 28.材料のストックがある幸せを、僕は大事にしている。 / 29.宇宙人は、ほぼ確実に十進法を採用していない / 30.「カップを口につけた」と書いていつも直される。 / 31.思考の道筋を一度築くと、そこに沿ってしか考えられなくなる。 / 32.「乗っている」ときは、周囲が見えていないから、要注意である。 / 33.不思議な人は、春に現れる。 / 34.ゲームというのは、制約の中で成立するものであり、基本的に不自由だ。 / 35.「〆切」というものが、今の僕にはない。 / 36.予定どおり粛々と進めることについて、もう少し語ろう。 / 37.ぼんやりと知っていることの大切さを、少し見直しても良いと思う。 / 38.「変化は悪だ」と感じるようになったら、老人である。 / 39.キャンペーン商品に踊らされる人がいるなんて信じられない僕だった。 / 40.そこそこマイナが一番効率が良い。メジャになりすぎない立ち位置。 / 41.ガリレオは、いろいろ間違えていた。 / 42.嫌なもの、面白くないものからも、学ぶことは多い。 / 43.「挫折するまえに気づけよ、無理だということを」と思ってしまうが。 / 44.「たかが形だけのこと」と思ってしまうものが多いのだが。 / 45.人は、損得を考えずに本気になることはないように観察される。 / 46.「新書」という不思議な出版物があって、僕は最近よくこれを出す。 / 47.水晶玉が登場すると、それだけでファンタジィになるのか。 / 48.オリジナル栞を入れた理由は、古本売買への対策。 / 49.宣伝がニュースを支配し、報道が信じられない時代になった。 / 50.情報は死んでいる。 / 51.忘れることが難しいもの、それは「自分」である。 / 52.二刀流は一刀流よりも有利なのか? / 53.草刈りをしていて考えること。 / 54.最近聞かなくなった言葉といえば、超伝導かな。 / 55.僕が子供の頃には、ラジコンとリモコンは区別されていた。 / 56.模型から僕が学んだことはとても多い。 / 57.「メッカ」ではなく、「聖地」というようになったのは何故? / 58.著作発行部数が累計一五〇〇万部を突破したことについて。 / 59.論理と理論はどう違うのか。 / 60.構造、材料、生産の順に進化する。 / 61.ここへ来て良かった、という肯定こそ、幸せの手法である。 / 62.人間は争いにならなければ力が発揮できないのか。 / 63.日記が書きやすいのと同様に、物語は書きやすい。 / 64.英語にコンプレクスを持っている人は、ジェネラル指向なのでは? / 65.言葉を知らないから理解できない、と考えている人が多い。 / 66.お膳立てに誘われ、あおられたままに感じるのでは、感性といえない。 / 67.観察とは、観察し続けることでしか実現しない。 / 68.段ボール箱がこんなにメジャになるとは思わなかった。 / 69.「活字」というのは何なのか、今の若者は知らない / 70.ローテクのおもちゃに驚く子供たちを見て思ったこと。 / 71.「ブラック」だったからのし上がれた人たちの会社がホワイトになる? / 72.押すか引くか問題に関する一考察。 / 73.ミニオンズというらしいものが僕の周りに集まっている。 / 74.iPhoneとかMacとか、なかなか壊れないから、新型が買えない。 / 75.工作機器も壊れないから、新しいものを買う機会がない。 / 76.シャワーが電話に似ているよね、と言っても通じなくなった。 / 77.同窓会に出席したいと思ったことは一度もない。 / 78.今回、いつもと違う作り方でこの本を書いていることについて。 / 79.やる気の貯金をする方法は、僕以外の人にもおすすめかもしれな / 80.「人を見る目」というものがあるらしいが、どんな目なのか。 / 81.四という数字が、身近に沢山ありすぎる。 / 82.ときどき動画を撮っているのだが、プライベートではない。 / 83.「育てる」とは、どういう意味か? / 84.結局、人の評価を気にしてしまうのは、自分で感じる力がないから。 / 85.最近は名刺交換会もしておりません。 / 86.のんた君とは何なのか。 / 87.犀川さいかわ先生AIはとんちんかんだった。 / 88.この冬には、水道管破裂と雪道で立ち往生があった。 / 89.救急車に乗るのは二回めだった。 / 90.というわけで三十五年振りくらいに薬を飲んだ。 / 91.一週間休養していたが、仕事にはまったく支障がなかった森博嗣である。 / 92.庭園鉄道も、昨年全線開通し、キリが良かったかもしれない。 / 93.個人でもビジネスでも、最も判断が難しいのは引き際である。 / 94.良いイノベーションだけが、イノベーションと呼ばれ / 95.この世に「結末」というものは実在しない。 / 96.することばかりではなく、しないことも考えよう。 / 97.誰がいつどこで何をしたか、を自分に対して問うこと。 / 98.気持ちは伝わらないが、気持ちがあることだけは知ってほしい。 / 99.楽しさを育てよう。 / 100.遺言は書きたくないが、 もし書くなら毎日書くのが良いかもしれ / ピロチくんとオレ 第一回 吉本ばなな

07『月夜のサラサーテ』(2018年12月 講談社文庫)

1.森博嗣は理屈っぽいというが本当か。 / 2.かつて僕が一度だけ結婚をして学んだこと。 / 3.世間の多数派は感情屋であり、理屈屋は減少傾向? / 4.仲間外れを作るのは、自分がそうなることを恐れている人である。 / 5.仲間意識や家族の絆が、いじめや虐待の原因になっている。 / 6.「不徳の致すところ」というのは、「私のせい」の意味らしい。 / 7.アクション映画の爆発シーンで、主人公はタイミング良くジャンプする。 / 8.「自信を持て」と励ますことがあるが、どうしてなのだろう? / 9.「自信を持つな」と励ます方が、ありなのでは? / 10.「地底」と「地下」はどう違う? / 11.方法が難しいという理由で、「間違った方法だ」と思い込む。 / 12.「教えてもらいたいことがあります」が本当である確率は五十パーセント以下。 / 13.子供の頃には不可能だと考えていたことが、実現しそうに思える。 / 14.お店とは、いらないものが沢山並んでいる場所だ。 / 15.選ぶ必要がない商品は、自動補給になる。 / 16.「私負けましたわ」は、回文であることで損をしている。 / 17.「たれ」と「つゆ」の違いは何か? / 18.「むらむら」とは欲情限定なのか? / 19.謝罪会見は、いったい誰に謝っているつもりなのか。 / 20.人類の大半は、既にAIに飼い馴らされている。 / 21.リストラで駄目な部分が切られるが、原因は駄目だからではない。 / 22.「むしゃくしゃ」と「むちゃくちゃ」は意味が違うのか。 / 23.火のないところでも煙は立つ。 / 24.読み方で意味が変わってしまう漢字をなんとかしてもらいたい。 / 25.「マッハ」は古くなりにけり。 / 26.無差別殺人に及ぶ動機は、知合いには見られたくない、という羞恥しゅうちしん? / 27.黒板からホワイトボードへと、いつの間にか白黒反転した。 / 28.怪奇現象が最近起こりにくくなっているのは、カメラが増えたせい? / 29.ネット漫画では、絵の上手さや綺麗さなんて、そんなの関係ない? / 30.ネットニュースで、聞き慣れない単語に出会うと、たぶん競馬の話。 / 31.昔の漫画の悪役は、今はネットで炎上し、吊るし上げられるだろう。 / 32.抽象的に希望し、具体的に悲観しよう。 / 33.「ピタゴラスイッチ」を見て、自分もやりたいと思ったら…。 / 34.乗り物の安全性を高める技術は、人間を排除する方向にある。 / 35.資産家になりたいなら、若い資産家になった方が良い。 / 36.「感動」の不適切な扱いが目立っているこの頃。 / 37.吉本一家にご馳走になった日。 / 38.過不足なくしたいとき、難しいのは、過ぎることの判断。 / 39.メガネを愛用して、十年くらいになる。 / 40.期待が大きいものほど危ない、は観察される事実。 / 41.名古屋という街について。 / 42.「スケール」の使い方が日本は少し違っている。 / 43.「何をしたら良いかは、なにかしたらわかる」 という方法。 / 44.「しつこさ」というのは、上手に使えば、強力な武器となる。 / 45.「ごわす」とか「おます」なんて、実際に聞いたことがない。 / 46.勾配こうばいがきつい人とは? / 47.「お世話になっております」を初対面の人に言われるのは心外。 / 48.「格好」は、「形」とどう違うのか? / 49.「お楽しみ定食」を選ぶことが「自由」ではない。 / 50.歌舞伎揚げの湾曲について語る。 / 51.防御能力の不足を悲観すれば、攻撃的態度を取るしかない。 / 52.珍しく、具体的なおすすめは、『穴』と『道』です。 / 53.ジャイロモノレールに関する本をようやく書くことができた。 / 54.人物を見て、行いや意見を評価する人が多い。 / 55.「ビッグ」とは、どういう人のことなのか。 / 56.「推理」とは、どういう行為なのか。 / 57.自分を悲観している人のなかには、実は状況を楽観している人がいる。 / 58.褒めて導くか、叱って導く、それが問題だ。 / 59.「どこにもない」という場合の「どこ」は「ここ」である。 / 60.「くたんくたんちゃん」を知っているか? / 61.「モーメント」という概念を知っていた方が良い。 / 62.作家稼業の最近、そして未来。 / 63.電子社会の中で生きることについて。 / 64.新しい「のんた君ぬいぐるみ」に込められた思い / 65.小説というのは、すべてファン向けに書かれている。 / 66.「探偵」が将来の夢だという子供が、はたしているだろうか。 / 67.鳥の話。 / 68.信念は、あってもなくても良い。 / 69.人間でもペットでも、子供を育てるときに最も大切なことは? / 70.僕はかつて、二次創作に否定的だった。 / 71.「急がば回れ」の「がば」がわからない、という人が多数。 / 72.「よろしい」を使うことにしたのは、最近である。 / 73.嫌なことと、楽しいことは、ほとんどカップリングしている。 / 74.嫌なことさえなければ楽しくなれる、という観測は間違い。 / 75.スポーツの審判は、今後はAIになる。 / 76.吉本ばななさんが、また来訪。 / 77.その後、目眩めまいに襲われたことはない。 / 78.「ターンテーブル」と聞いて、鉄道の施設を思い出す人は少ない。 / 79.なんだかんだといって、結局は「勝利」を欲しがる人ばかり。 / 80.カメラで撮影したデータは、すぐに消すことにしている。 / 81.好きなものだけを食べても良い、という自由を知ったとき。 / 82.「知識」と「教養」はどう違うのか。 / 83.よく知った人が亡くなることで、落ち込むようなことが僕にはない / 84.若き日の思い出を無理に書いてみよう。 / 85.いろいろ試せるという余裕が、成功には欠かせない。 / 86.真空管ラジオをいくつ作っただろう。 / 87.右とか左とか、どちらでも良い。 / 88.ブログを二十二年間も続けていること、しかも毎日休みなく。 / 89.最近購入した一番有益だった買いものは、エンジンブロア。 / 90.仔犬をもらいにいったドライブ。 / 91.ジャイロモノレールで図面を描いた話。 / 92.重いものを買うのは、もうやめよう。 / 93.いつか使えるものを買うのは、そろそろやめよう。 / 94.というか、もう買わなくても一生分あるのではないか。 / 95.これからは、売っていく人生かな、とか言ったりして…。 / 96.一日三食なんて、なかなか続けられないっす。 / 97.一番楽しいことは書かないことにしている。 / 98.百作ほど書いて、この頃少しだけ小説の書き方がわかってきた。 / 99.小説を書いていなかったら、今頃何をしていただろう。 / 100.小さな幸せというのは、毎日どこかで必ず見つかるものだ。 / ピロチくんとオレ 第二回 吉本ばなな

08『つんつんブラザーズ』(2019年12月 講談社文庫)

1.「このシリーズは最初のうちは鋭かったのに最近はそうでもない」は本当か? / 2.欲しいものを買い、必要なものには金をかけない、という方針でこれまできた。 / 3.相談に乗って解決するときと解決しないときの差は、どこにあるのか? / 4.電池を買い溜めするようになって、お金持ちになったものだ、と感じた。 / 5.ほとんどの社会人は、大学落第者である。 / 6.戦争の体験はないが、戦争反対を強く後世に伝える責任は感じる。 / 7.「そして、誰もいなくならなかった」というタイトルはいかがか。 / 8.「そして、誰もいらなくなった」というタイトルはいかがか。 / 9.「群れるな」という教えについて。 / 10.「誰か見て」「誰か教えて」と立ち止まって前進しない幼さ。 / 11.「やさぐれる」の意味を知っている人は、あまりいないと見たぜ。 / 12.「自由」とは、すなわち「不安定」な状態のことである。 / 13.老後二千万円問題を、遠くから白けて眺めていました。 / 14.「子供の科学」で連載を始めて、文章を書くことの難しさを実感している。 / 15.YouTubeで動画公開を始めて十年になる。 もしかして僕はユーチューバか? / 16.血筋が途絶えることに、どうして抵抗するのか、理由が全然わからない。 / 17.現地に立たないと感じられないのは、ある意味、鈍い感性である。 / 18.本当に戦力を放棄していたら、今頃どうなっていただろうか? / 19.「謝罪しろ」という怒りは、謝罪されたら行き場を失って、困ることになる。 / 20.運転が自動化されたとき、交通事故被害者の怒りはどこへ向かうのだろうか? / 21.「~ともあろう者が」と非難されるが、勝手にイメージしたのは誰だ? / 22.書店には、新刊ばかり並んでいる。何故、面白い本を並べないのだろうか? / 23.亡くなった人が星になる、というが、人間は星よりはるかにちっぽけな存在だ。 / 24.現場のレポートの八割は意味がない。無駄なことはやめてはいかがか。 / 25.服は自分で買わない。ずっと同じものを着ている。これぞ最適化である。 / 26.「どうしたら、そういうふうに考えられますか?」に対する答は? / 27.「もっと早く出会いたかった」と言う人は、自分の未来を変えられない。 / 28.学者のライフスタイルは、研究テーマの逆になることが多い。 / 29.思考の道筋を逆に辿ることができるかどうか。 / 30.「炎上」と「過熱」と「白熱」を使い分けましょう。 / 31.手を差し伸べるとしたら、立ち止まっている人ではなく、歩きだしている人。 / 32.「一人で死ねば良いのに」問題を考えてみよう。 / 33.当たり前すぎるが、手の届く範囲のことを毎日するしかない。 / 34.ヒット・アンド・ミス、という生き方。 / 35.自分が頑固だと感じたことはない。周りの人がみんな頑固すぎる。 / 36.世の中には凄い人がいるけれど、仕事というのは普通に凄いものである。 / 37.三十五年ぶりにラジコンヘリコプタにはまっている。 / 38.僕が育てた犬は、異様に大きくなった。大きいけれど赤ちゃん、と呼ばれている。 / 39.エッセィが売れるようになってきたが、残念ながら本人は飽きてきた。 / 40.「自分」とは、どういう意味なのか。 / 41.不動産を買ったことで、どんな得があったのか。 / 42.自分の好きなことをしていれば、自然に優しくなれるのは本当のようだ。 / 43.最後の引越になるかもしれない。ということは、そこがゴールかな。 / 44.自動車の免許以外にも、返納すべきものが沢山あるだろう。 / 45.「つながりたい」という欲求はどこから来るのだろう? / 46.少子化対策として、子供を産めという単純かつ頭の悪い意見について。 / 47.言論を弾圧する国家が、今も成り立っていることを、真摯に受け止めるべき。 / 48.森博嗣ともあろう方が、どうして子供など作ったのですか?と言われたが。 / 49.久しぶりにMacを購入して、新しいマシンでこれを書いている。 / 50.交通事故が怖いから運転しない、というのは、ある意味、怖い発想である。 / 51.毎日、お風呂上がりにヨーグルトを飲んでいる。 / 52.ビスケットのRITZを、ほぼ毎日食べている。 / 53.老後で考えたのは、とにかく遊ぶこと。ただ遊ぶだけの老後です。 / 54.エレクトロニクスとプログラミングを体験できた時代だった。 / 55.漫画同人誌を作っていた頃、何が面白いと思っていたのか。 / 56.結局、人に使われる経験、人を使う経験をしない人生だった。 / 57.この十五年ほどは、ネットオークションが行きつけの店だったかな。 / 58.若者の目には、沢山の「無駄」が見えている。 / 59.自分が使っている身近なものの仕組みを、ほとんどの人が知らない時代。 / 60.ブラックホール発見というニュースの凄さを、みんなはわからないようだ。 / 61.どれか一冊、自分の本をすすめるとなったら、迷わず短編集である。 / 62.政治家が選挙運動をしない法案を通してほしい。あれは無駄だと思う。 / 63.十年ほど、腕時計を使っていない。いらなくなってしまった。 / 64.都会というのは、人間社会の培養実験室のようなものだ。 / 65.統計を取るだけでは、因果関係はわからない。 / 66.安全とは、危険の確率を下げること。ゼロにすることではない。 / 67.「時間の作り方を教えて下さい」 への答は、「時間が作れるか?」である。 / 68.集中してやるより、少しずつだらだらと進める方が良いという人がいる。 / 69.「方法」というもので上手くなるのは、才能がない凡人である。 / 70.周囲の人たちが悲しむことが悲しくさせる、という作用はあると思う。 / 71.学問や芸術をはぐくむことが、豊かな社会の指標といえる。 / 72.僕は、履歴書というものを書いた経験がない。 / 73.困ったときにどうするか、ではなく、困るまえにどうにかしないと駄目。 / 74.考えたことの一パーセントを文章にしていたが、もう充分だと感じている。 / 75.「今一番したいことは何ですか?」という馬鹿な質問が成立する理由。 / 76.髪が減ったので、帽子が被れるようになって、帽子を沢山買っている。 / 77.靴はスニーカしか持っていない。靴と帽子は、自分で買う例外的な衣料品。 / 78.落葉を集めて燃やす作業で、いろいろ学んだことがある。 / 79.一匹狼はいても、一匹羊はいない。 / 80.活発な老人が増えたが、これは医療技術の向上がもたらしたものか。 / 81.写真も文章も、僕は自分に関する資料をなにも保存していない。 / 82.人間が死ぬより、犬が死んだときの方が悲しいのは、犬が黙っているから? / 83.僕が生きている間に、核爆弾が大量殺人をすると考えていたけれど......。 / 84.原発は絶対安全ではないが、みんなが使う家や橋やトンネルよりは安全だ。 / 85.AIが人間と勝負をしなくなったことが、いよいよAIの時代だという証拠。 / 86.「明日受け取ります」 という返答に、その人の責任感が滲み出る。 / 87.子供のときによく作った秘密基地を、何故大人になって諦めたのか? / 88.ヘリコプタって、けっこう事故が多いって、知りませんでしたか? / 89.僕は人真似が得意だけれど、誰の真似かわかるほど上手ではない。 / 90.オリンピック? えっと、次はどこで、いつあるのかな? / 91.田舎は人口が減ってもなんとかなるが、都会はたちまち崩壊するだろう。 / 92.後ろはどこまでも見えるのに、前は霧に閉ざされている。それが人生。 / 93.おもちゃに囲まれた生活を夢見た子供の頃。今もその夢の中にいる。 / 94.正直にいって、僕には恩人という人がいない。感謝は神様にだけしている。 / 95.少しずつ薬を飲む日を減らしている。 特に変化は見られない。 / 96.死ぬまえに、皆さんの前から姿を消しましょう、雄猫のように。 / 97.結局、本当の「美しさ」というものは、学問の中にあったようだ。 / 98.美しさを知るほど、人は強くなる。強くなるほど、美しくなるのだろう。 / 99.研ぎ澄まされた一瞬の思考に、人の価値のすべてがあるのではないか。 / 100.宗教を信じないし、いらないものだと思っているが、神は僕のかたわらにいる。 / 解説・あとがき.ピロチくんとオレ 最終回 吉本ばなな

09『ツベルクリンムーチョ』(2020年12月 講談社文庫)

1.「会」と「式」と「祭」がつくイベントから離れて十五年ほどになる。 / 2.コロナ禍において日本人が否応いやおうなく見せつけられたものとは。 / 3.コロナといえば、日産のブルーバードと競ったトヨタの人気車の名でしょう。 / 4.さて、どうして日本には「お役所仕事」が根付いてしまったのだろうか? / 5.備えるというのは、時間スパンを想像する頭の運動である。 / 6.スマホを使った集団管理システムに対する僕の認識は「やったら?」である。 / 7.マスク転売問題について、「本当に欲しい人に届けて」とはどういう意味か。 / 8.日本は、だいぶ以前から医療崩壊していたのではないか。 / 9.自粛社会になって自殺者が激減したというデータに驚いた人が多いようだった。 / 10.高校野球が中止になったらしいが、僕が一番不思議に思ったことは…。 / 11.日本の役所の申請書類は、すべて表の中に書き込むフォーマットである。 / 12.パチンコ店にできた行列を非難する人たちが、見逃しているもの。 / 13.では、コロナ騒動の社会を少し俯瞰ふかんしてみよう。 / 14.「自粛を要請する」と「非常事態宣言を出せ」は同じくらい押しつけがましい。 / 15.友達がいなくても良い、大勢でわいわいしなくても良い。そういう人もいる。 / 16.最近では、ほとんど作家の仕事をしていない。だから作家ではなくなったかな。 / 17.「私は小さくどよめいた」 「同じ本を買いかぶった」は新しいかも。 / 18.「写真はイメージです」は、もっと別の言い回しにならないでしょうか。 / 19.「ハグ」は、日本語の「はぐ」と同じ意味のようだ。 / 20.外出自粛に日本人が素直に従ったのは、「民度」が高いからではない。 / 21.どうして、周囲に聞こえるような大声で話したがるのだろうか? / 22.決算書では、マイナスをムで示す。こんなわかりにくい記号、やめたらどう? / 23.「ナレ死」って、素敵だなぁ。理想の死ではないか、と思う。 / 24.最高の教師とは自分自身であり、このため、教育格差は広がるばかりだろう。 / 25.他者を非難する人は、他者から非難されることを恐れている人である。 / 26.老人は若者の欠点を指摘し、若い先輩は後輩の長所を見ている。 / 27.水害は今後増加する。堤防ていぼうの決壊を防ぐ方法はなく、引越が最も簡単な対策 / 28.会社勤めに比べて、個人事業はリスクが高い分、儲けが大きいのが常識。 / 29.仕事とは、社会や他者にとっての価値を産み出す作業のことである。 / 30.「トリアージ」が話題になったけれど、誰も意見はないみたいだった。 / 31.「権力」というものが、最近になってようやく少しわかってきた。 / 32.僕は、人を動かすことにまったく関心がないようだ、ともわかった。 / 33.最近流行しているけれど、SUVって、乗り心地悪いよね。 / 34.「自粛疲れ」という言葉が一世を風靡ふうびしたようだが、なんか変だよね。 / 35.「ずば抜ける」の「ずば」って何だろう? / 36.「売国」って何だろう? / 37.「つぎつぎと展開する物語を思いつく」って凄くないですか? / 38.「私に合ったもの」を探している人がとても多いけれど......。 / 39.「心に響く」という言い回しが、最近増えているように観察されるけれど。 / 40.「注文の多い料理店」とは、どのようなものなのか。 / 41.爪切りという道具に関する一考察。 / 42.意味のないものはないし、意味があってもなくても、大した意味はない。 / 43.庭仕事が楽しい毎日を送っている。誰に見せるわけでもない庭だ。 / 44.森の中の水辺の道を散策する楽しさを、誰かに伝えようとは思わない / 45.ウィルス騒動の最中、統計の数字に対して大勢がぼやいていたこと。 / 46.ヘリコプタ作りにも飽きてきて、今はジェット機のことばかり考えている。 / 47.都会というのは「人間工場」のような装置である。 / 48.ネットによる通信が始まった頃、 「仕事も生活も変わるな」と思った。 / 49.完成後の耐久性を確保することは、高性能化のうち最も難しい。 / 50.ジェットコースタで叫ばずにはいられない人は、人としてちょっとおかしい。 / 51.模型も小説も、完成したときの達成感みたいなものは僕にはない。 / 52.親は子供を常識人にしたい。 常識人というのは平凡な人のことである。 / 53.モールス信号が最近話題になっていた。 / 54.願望や疑問をニュースとして報道するのは、安っぽい仕事である。 / 55.リモート飲み会の行き着くところは、現実から乖離かいりしたバーチャルである。 / 56.十日で建設された中国の病院とマスクを届けるのに何カ月もかかった日本。 / 57.国民や市民に現金をばらまくのはいかがなものか、と僕は思う。 / 58.小学生のときの将来の夢は、鉄道模型のレイアウトを作ることだった。 / 59.感情を揺さぶりたくない。びっくりさせたくない。落ち着いていてほしい。 / 60.規格が統一されていないものが多すぎるのは、誰のせいなのか。 / 61.「威張り」の九十五パーセントは、「空威張り」である。 / 62.僕がイギリスに親しみを覚えるのは、ミステリィとクルマに起因している。 / 63.実際に自分が行ったことのある場所しか、小説の舞台にできない。 / 64.もし不自由を感じたら、自分の思い込みはないか、と確認しよう。 / 65.天才の意見は参考にならない。かといって身近にならえば今のまま。 / 66.電子書籍がようやく一般的になってきたことを、僕はなんとも思っていない。 / 67.一億という数をわりと認識しやすいところに日本人は住んでいる。 / 68.あなたは「むさぼった」ことがありますか? / 69.言い回しが英語と同じだ、という日本語が沢山あるようだ。 / 70.巣箱を設置すると、たちまち動物が住み始めるのは、ちょっと愉快。 / 71.心の中の声と口から出る言葉が逆になったらどうなるだろう? / 72.「ライフスタイル」というものが、今後もっと注目されるようになるだろう。 / 73.人と話をしなければ、頭でいろいろ考えるようになるのではないか。 / 74.初めて、靴下を自分で買ってみた。 / 75.毎日でも食べられるほどアイスクリームが好きだが、一段で充分だ。 / 76.来客があると家の中が少し綺麗になるが、これは整理整頓とはいえない / 77.なんでも「サザエさん家」にたとえて話す人がいるようだ。 / 78.お気に入りのキャラが出ない、という不満。もう作品を見なくなっている。 / 79.「サプライズ」が流行っているようだが、「驚き」は良いことなのか。 / 80.「そんなことでは国民が納得しませんよ、総理」と、聞くと納得できない。 / 81.政治的なことを書いたみたいに認識されたかもしれないが、そうではない。 / 82.鉄道の二本のレールを横ではなく縦に並べたら良かったのに、と思う。 / 83.プロフィールにいつも書かれる「メフィスト賞」について。 / 84.日本人作家の小説をほとんど読んだことがなかった世間知らず 2 / 85.かつて「工作少年」という言葉が輝いていた。今も人知れず輝いている。 / 86.小説は前年には執筆を終え、エッセィでも半年以上まえに脱稿している。 / 87.電子書籍でシリーズ合本が売れているが、以前から期待していた形態である。 / 88.デビュー当時は、作家ごとの読み放題(サブスク)契約も考えていたけれど••••••• / 89.森博嗣が時代劇を書いていることを、ご存知でしょうか? / 90.森博嗣の真似などできないといわれるが、こちらもそちらの真似はできな / 91.雨の日も雪の日も風の日も、毎日二回の犬の散歩は欠かすことはできない / 92.他者を意識しすぎる「わかってもらいたい」 症候群は現代病なのか。 / 93.「眠い」「だるい」「やる気が出ない」は、ごく普通の状態です。 / 94.学校を九月始まりにする絶好のチャンスを逃しちゃったね。 / 95.なんでも、個人の自由です。ただ、みんなでやらないでほしい、というだけ。 / 96.「みんながその時代、その環境を懸命に生きていた」って当たり前でしょう? / 97.常識がもたらす無意味な規制を破壊することが、ブレイクスルーである。 / 98.マニアがジャンルを滅ぼすのは、そのジャンルで強固な常識を作るから。 / 99.こんな大きな犬と一緒に生活することになるとは思っていなかった。 / 100.「言いたいことも書きたいこともない」と正直に書ける人でいたい。 / 解説・あとがき.清涼院流水

10『追懐のコヨーテ』(2021年12月 講談社文庫)

1.「元気が良い」とは「大声を出してやかましい」ことではない / 2.「不要不急」を見分ける唯一の方法について。 / 3.やる気が出ないのは、やる気がないのか、やる気を出す気がないのか。 / 4.仕事をしている人は、遊んでいる人よりも偉い、という不思議な価値観。 / 5.お菓子の封が上手に破れない。「だったら食べなければ」と奥様に言われる。 / 6.色の感覚が、周囲の人たちと一致しない、と常々感じて生きてきた。 / 7.「全力を尽くします」というのは、本当のところ、どういうことか。 / 8.「引導を渡す」といいたいところを「印籠いんろうを渡す」といい間違える人がいる。 / 9.「その予定はない」を「考えていない」と言ってしまう日本人気質について。 / 10.「平和憲法」という呼び名は、どうもしっくりこないと思うが、いかがか。 / 11.高効率を目指した「都市化」によって失われたものに、みんな気づき始めた。 / 12.森博嗣の静かな生活。 / 13.必要なものは買わない、欲しいものだけを買う、という生き方。 / 14.「方法」の特徴は、どうでも良い、語ることができる、真似ができる、である。 / 15.「嘘つき」とはどういう人のことか。 / 16.金儲けはしたいが感染は怖い、という「複雑な気持ち」って何? / 17.言葉が響く必要があるのは、政治家ではなく、役者か作家だろう。 / 18.「私の考え」というけれど、その人が考えたのではなく、ただ選択しただけ。 / 19.「酒禁止」の指示に、「酒が悪いと名指しされた」と反発する人たち。 / 20.「しめしめ」と含み笑いする人を見たことがあるか? / 21.「ネタばれ」なしで感想が書けないのは具体的なことしか考えられないから。 / 22.「仕事」というのは、つまり「罰ゲーム」である。 / 23.「外連味けれんみ」があっても褒められ、なくても褒められる不思議。 / 24.「私たちに今できることは何か?」よりも、「今できないこと」を考えよう。 / 25.あまりにも「みんなで一緒に」という意識が強すぎる気がしますが、いかが? / 26.「幻想的」というのは、「写真みたいな」という意味なのか? / 27.「東日本大震災」から十年が経過した。人々は何を学んだのか。 / 28.毎日、なにかを運転しているが、これが僕の趣味なのかもしれない。 / 29.その人にとって不都合な理屈は、「理屈りくつ」と呼ばれる。 / 30.「また同じことを」と感じて受けつけないことが、また同じである。 / 31.「こんなにアップしました」というのは、そのまえにダウンしていたから。 / 32.「大人気」は、「おとなげ」なのか「だいにんき」なのか。 / 33.「ベストセラ作家」と今も書かれるが、どれくらいが「ベスト」なのか。 / 34.「接待を伴う飲食店」でない飲食店では、接待が伴わないのだろうか? / 35.「金にものをいわせる方法」という本を書きたかったが、当たり前すぎた。 / 36.「エクスキューズミー」と「アイムソーリィ」を謝る言葉として習ったが。 / 37.大衆娯楽は、すべて個人の趣味になる、という大きな流れ。 / 38.「経済を回す」ことにやっきになる人たちは、明らかに空回りしている。 / 39.「問題」作成や「ミステリィ」執筆で大事なのは、受け手のレベル想定。 / 40.昨年は、クラシックカーを買い、小屋を建て、蒸気機関車が完成した年だった。 / 41.火星でヘリコプタが飛んだのには正直驚いた。 久しぶりに快挙だと思えた。 / 42.部品の分厚いカタログを一ページずつ眺めることが大好きだった。 / 43.「考えさせられました」ほど、なにも考えずにいえる言葉はない / 44.「前を向いて進むしかない」というが、その方向が間違っている場合がある。 / 45.ワクチン予約で顕在化した、老人たちの浅ましさは、見たくなかったかも。 / 46.あなたは、誰にへつらっていますか? / 47.マスコミは「人を集める」ことが目的だから、「密禁止」で困ってしまった。 / 48.「持続可能な」という言葉が頻繁に聞かれるようになった昨今だが…。 / 49.とはいえ、思っていたよりも改善している社会・環境問題が幾つもある。 / 50.謝罪するというのは、「誤解を招く」ことが悪いからなのか? / 51.「断腸の思い」を一度も体験したことがないが、どうしてかな。 / 52.馬鹿は、 「馬鹿な真似」をしているわけではない。 / 53.僕の庭仕事は、春と秋が忙しいけれど、春の方が多種にわたって複雑である。 / 54.どうして「みんなで一緒に」という発想になるのか、みんなで一緒に考えよう。 / 55.水遊びはさせるのに、火遊びはさせないのは、どうしてだろうか? / 56.意見に反論するときに、相手の人格を攻撃することについての是非。 / 57.「できます」「可能です」という言葉が、文系と理系で意味が異なっている。 / 58.「口走る」という行為は、意識的にできるものではない。 / 59.オリンピック選手に対して、出場を辞退するように訴えた人たちについて。 / 60.もちろん、仕事だからといって見下げて良いというわけではない / 61.「割引」というものにまったく興味がない人間になったのは何故だろうか? / 62.「印象操作」というものを知りたかったら、ニュースのタイトルを見れば良い。 / 63.ほんの僅かな温度の範囲でしか、人間は生きられないという不思議さ。 / 64.ほんの僅かな時間の範囲でしか、人間は生きられないという不思議さ。 / 65.ただし書きはもの凄く小さい文字で書かれているのと同じで、普段は話さない。 / 66.材料を揃えるために調べているときが一番楽しい。 未来の可能性が見える。 / 67.三頭の怪人が現れたら、真剣に話をしていろいろなことを質問してみたい。 / 68.大きいけれど赤ちゃんは、もう赤ちゃんではなくなったが大きい。 / 69.不要不急の髭剃り、不要不急の自慢、不要不急の見栄、不要不急の着替えなど。 / 70.ものを買うために出かけていく時間がなくなった、という合理化の大きさ。 / 71.「芝生の哲学」について語ろう。 / 72.「調子が出ない」と口にする人が多いけれど、その多くは「調子がない」である。 / 73.「論理が破綻している」という場合、多くは基本データに間違いがある。 / 74.無関係なものを「理由」として持ち出すことがとても多いので困る話。 / 75.オリンピックをやるかやらないかの議論は、十年遅い。 / 76.「情熱」が自分にあると感じたことは一度もない。情熱って、欲望とどう違う? / 77.図書館という存在は、今はパソコンやスマホの中に存在している。 / 78.小説とエッセィの執筆はどこが違うのか? 少し考えてみた。 / 79.もし挨拶というものがなかったら、何を話せば良いか考えるようになる? / 80.森博嗣に関する間違った呟きに抗議はしませんが、少しだけ修正しましょうか。 / 81.「散らかし術」についてなら、本が書けるかもしれない(本気にしないでね) / 82.美しい自然の景色に囲まれて暮らすより、その景色が自分の庭の方が良い。 / 83.「勝つ」とか「戦う」といった言葉をつい使う年代は、自分の古さを自覚しよう。 / 84.憎まれ口を叩くことで、相手にとって有益な情報を伝えられる場合がままある。 / 85.ダイエットばかりが持て囃されるのはどうして? 断捨離も同じ理由? / 86.スバル氏は聞き上手で、自分のことは話さない。 / 87.日本の子供たちが「最初にお役所仕事」を体験する場こそ、小学校である。 / 88.「諦める」ことについて、最近少し考えた。 僕は諦めたことがあるだろうか? / 89.ついでに、「逃げる」ことの重要さについて、念のために語りましょう。 / 90.最近、楽しいことばかりが僕を取り囲んでいて、その外側が見えないほどだ。 / 91.ニュートラル・スタンスというものを、もう少し理解しても良いかもしれない。 / 92.「中途半端」というのは、それほど悪い状態ではない、と思うようになった。 / 93.「持続可能な思考」というものを最近考えている。これは有用だろうかと。 / 94.「ダブルスタンダード」というものを日本人も意識し始めたみたいだ。 / 95.周囲から「これが得意なんでしょう?」と言われることが、だいたい苦手である。 / 96.透明性、公開性、そしてデジタル化は、「水に流せない」 社会へのシフトだろう。 / 97.許容できるものは許容し、できないものからは離れる。それが自然である。 / 98.夢が達成される瞬間というものはない。夢に近い状態への漸近ぜんきんか維持があるだけ。 / 99.さて、仕事は今後どうしようかな…、とこんなときにしか考えない。 / 100.三月に書くより五月に書く方が、なにかしら明るくて抽象的になっているかも。 / 解説・あとがき.清涼院流水

11『積み木シンドローム』(2022年12月 講談社文庫)

1.ここ十五年ほど、なにかで職業を尋ねられたら「無職です」 と答えている。 / 2.「マスクをしてご入場下さい」とは、マスクをしないと入場できませんの意味? / 3.「具体的」と「抽象的」の焦点距離の自在性こそ、人の重要な能力。 / 4.戦争が身近に感じられるデジタル時代は、不安を大きくするが、より安全側か。 / 5.想像以上に個人主義だった日本人。時代の変化は早いといえるのか。 / 6.原因や理由を挙げることは、単なる「言い訳」ではない。 / 7.日本でコロナウィルスが抑制された理由は、日本人の個人主義にあるのでは。 / 8.出ザル、会わザル、飲まザル、騒がザルになれ、と指示された日本人。 / 9.出来事を具体的に書かず、いきなり発想を述べるとエッセイになる。 / 10.ストレス解消のため、というが、そもそもストレスを何故溜める? / 11.「褒めて育てる」神話は、科学的には否定されているが、信仰はまだされている。 / 12.「なんなら」という言葉の意味が、ほとんどわからなくなっている気がする。 / 13.国連の安全保障理事会にどうして「拒否権」なんてものがあるのか? / 14.コロナ騒動で、それまで異常だったものが普通になったと評価できる。 / 15.ドラえもんの何が凄いって、あれが「猫型」だということである。 / 16.2021年7月に発表された「税収が過去最大だった」というニュース。 / 17.思いついたことを話すと、「それ、書いちゃ駄目だよ」と言われる。 / 18.本書のこと、作家・森博嗣のことについて、今さらだが書いておこう。 / 19.「常識の範囲で」とかいわないで、ずばりいくらなのか決めてほしい。 / 20.「怠ける」という贅沢を買っている人がわりと大勢いるようだ。 / 21.オリンピックが日本であったらしい。まったく見なかった。 / 22.「平坦な道」だと、なんとなく後ろめたくなってしまう。 / 23.普通のものが嫌いになったり苦手になったりする主な原因は、敏感だから。 / 24.どうしようもないときに、「どうしよう?」と言っても遅い。 / 25.インフレだ、デフレだ、と騒ぐほどのことだろうか? / 26.「ばらまき」には、単に配布するよりも悪い語感があるのは何故? / 27.格差社会を解決するものはヴァーチャルしかない? / 28.政治家が最も馬鹿に見えるのは、当選して万歳するシーンである。 / 29.「寸暇を惜しまず働いた」という誤用が近頃多いけれど、耳ざわりが良い? / 30.邪馬台国は九州にあっただろう、と小学生のときから確信していた。 / 31.歌詞の中で、単語に長音が入っても意味がわかるのが日本人の能力? / 32.誰よりも早く作ったけれど、まだ一度も使っていない僕のマイナンバカード。 / 33.「戦争を語り継ぐ」という場合、何故か日本人は被害者になっている。 / 34.日本語の最大の特徴は、「主語がない」という点である。 / 35.「可愛い機関車だね」と君が言ったから、今日は機関車記念日? / 36.せっかくなので、僕が「積み木」について思うことを書いておこうか。 / 37.マスクをしているとコミュニケーション不足になる、という懸念があるそうだ。 / 38.「重要なお知らせ」とあれば、誰もがすぐゴミ箱に捨てる時代になった。 / 39.最近の仕事環境あるいは仕事具合について少しだけ。 / 40.いじめや登校拒否の問題は、リモート授業で解決するのではないか。 / 41.言語というのは、思考や記憶の仕組みの一部を辿るものである。 / 42.「誰のためのオリンピックなのか?」の声。「え、誰のためなの?」と思った。 / 43.「見て見ぬ振り」という言葉は、「見ぬ振り」より悪い状況なのか? / 44.「近所で聖火リレィがあったら見にいってしまう」という条件反射の習性。 / 45.「原則」という日本語がわかりにくい。 principleか、 generalなのか。 / 46.これまでの人生において最も評価に値する決断あるいは行動は何だったか? / 47.「会議」というものを無効化する要因は何か、と考えてみたが、よくわからない。 / 48.怒りっぽくなっても、落ち着いて怒らなくなっても、歳だといわれる。 / 49.「気の毒」という日本語は便利で使いやすいが、あまり使われない。 / 50.「明日の委員会で正式に決定される見込み」と全国ニュースで伝える不自然さ。 / 51.「感情よりも理性を信じているのですか?」との質問に対する答。 / 52.「リベンジ」という言葉を使うようになったのは、つい最近のことだ。 / 53.「自分との戦い」って何なの? そういうものが本当にあるわけ? / 54.今、この文章を執筆するときに僕が採用している手法について。 / 55.ロシアがウクライナに侵攻したときに僕が思ったこと。 / 56.約束が守れない人は、自分のことを過大評価している。 / 57.二十五年以上、毎日ブログを書いてきたので、もう経験しなくても書ける。 / 58.「かぞえ」で数えると一つ多くなる理由は、ゼロの存在にある。 / 59.「寸前」と「直前」と「間際」は、と「間際」は、同じようで違っている。 / 60.どのジャンルのショートエッセィに人気があるか、意見が分かれる。 / 61.食事というものは同じことの繰返しで、満腹になればもういらない。 / 62.日本人の平均年収が低いというデータは、何を意味するのか? / 63.子供の頃からよく見た夢が、今は形を変えて現実になっている。 / 64.火事や爆発の現場に行って、調査をしたことが何度かある。 / 65.日本の笑いの大半は封じられ、これからが本当のユーモアの時代に。 / 66.ずっとMacばかり使ってきたが、三十年振りにNECのパソコンを買った。 / 67.「会話形式」が面白くないのは、テーマ以外の余計な応酬があるためか。 / 68.音声認識が一般的になったから、もうキーボードは不要になると思います? / 69.気温の低い土地で暮らしていると、こんなことが日常になるといういろいろ。 / 70.「やりこい」「へちゃこい」「ぺちゃこい」「ちっこい」の「こい」って何? / 71.「いけず」も結婚して初めて知った言葉である。「生け簀」ではない。 / 72.「もしくは」や「あるいは」は、既に会話に使われない。若者には通じない? / 73.「逆にいえば」といいだした以上、ちゃんと逆のことをいってほしいときがある。 / 74.ネット社会の発展によってもたらされる「都会」というシステムの崩壊。 / 75.「早く」始めるように出版社に助言したネット書店と電子出版。 / 76.ひねくれたエッセィを書いているから、「性格の悪い人」だと思われるようだ。 / 77.好きな作家を挙げるよりも、好きなYouTuberを挙げた方が自己表現になる。 / 78.「スポーツカー」というのは「スポーツマン」と同じようなものなのか。 / 79.戦争には審判がいない。何故なら、ルールがないからだ。 / 80.アドバイスを求められ、真剣に考えて答えても、結局は聞いてもらえない。 / 81.「わからない」にはいろいろありすぎて、どの意味なのかわからない。 / 82.子供の頃にプラモデルで戦車を何台か作り、大人になっても作りたかった。 / 83.完璧ではないものが長生きする理由は何か? 不合理を抱える生き方とは。 / 84.ジェームズ・ボンドは、どうしてタイムロードみたいに生まれ変われるのか? / 85.YouTubeにアップした動画が七百を超える。 全部見たら何時間かかるだろう。 / 86.エンジンが好きで、今でもときどき始動している。 / 87.「大きいけれど赤ちゃんはもう赤ちゃんではない」が獣医さんでワクチン接種。 / 88.お金の減らし方ばかり考えているのだが、これといって決め手が見つからない。 / 89.うちの犬は「鼻が高い」のか、それとも「鼻が長い」のか、どちらだろう? / 90.「会」「式」「祭」のつくイベントは嫌い。「長」がつく役職は避けたい。 / 91.「感動定食」がよりどりみどりだが、どれも代わり映えがしない。 / 92.対策が見つかると、その一策に縋り、問題が解決したと楽観視する傾向。 / 93.なんでも前倒しで実行する人間だったが、この頃は後回しが得意になった。 / 94.「やらなければならないこと」がなくなってしまって、腑抜けのような毎日。 / 95.「妻は学びの宝庫」という言葉は、まさにそのとおりだと納得している。 / 96.世間知らずのままでいたいし、誰かの友達になりたいと思ったことは一度もない。 / 97.たまたま書いた人が作家、たまたま読んだ人が読者になるだけ。 両者に差はない。 / 98.人は好きなもの、許容できるものになる。許容できなければ拒絶するしかない / 99.大きいけれど赤ちゃんの名前、そしてスケジュール・カレンダ。 / 100.作家になって一度も、「つづく」と書いたことがない。 / 解説・あとがき.安本美典

12『妻のオンパレード』(2023年12月 講談社文庫)

1.「楽園」とはどんな場所なのか?/2.「最大」とか「最短」をイメージ宣伝で使う無意味さについて一言。/3.「ないです」や「いいです」や「よかったです」などの日本語に違和感を覚える。/4.「反対!」「良くない」「やめてほしい」と訴えても、なくならない理由がある。/5.「綺麗事」に共感することで一体感を演出する社会に大いなる違和感を抱いて。/6.「宗教って、そもそも全部、霊感商法なのではないか」と書いたら叱られる?/7.「地中海」は、地中にある海なのでは?/8.森博嗣は死後に発表する小説を用意している、と噂されるけれど本当なのか?/9.それでも、人間は社会になんらかの価値を残すものだ、とは考えている。/10.サブスクというのは、つまり税金のようなものだな、と理解している。/11.「金は遊ばせておけ」という教えから「遊ばせる」について考えてみた。/12.猛スピードの「猛」は、「高」よりも激しいのだろうか?/13.次のうちから当てはまるものを一つ選んで下さい、といわれても選べない設問。/14.年金の申請をしないと年金がもらえないのは、なんか変じゃない?/15.健康のためになにかをしたことがない。毎日体重と血圧を測るくらいか。/16.「奇跡の○○」と鳴り物入りで謳われていても、「奇跡的」でさえないものばかり。/17.アドバイスをする目的は、相手に好かれることではない。/18.「ウィズ・コロナ」ってどうなの?これって、良いイメージなのだろうか?/19.「やんごとない」と今でも使う人がいるけれど、日本遺産級である。/20.「作家の収支」を八年まえに上梓して、いろいろ理解が広がった気がする。/21.多数の老人が少数の若者に支えられている?まだ、その反対なのでは?/22.しかし、その頃にはロボットが生産し、AIが考えてくれる社会になっている。/23.周囲が叩いていると、自分も叩けると思う。そんな社会に絶望するのか否か。/24.誤解されることに抵抗がまったくない、という話が信じてもらえないようだ。/25.ついていないな、と思ったことはないが、運が良いなとは、いつも思う。/26.物語では、個人が活躍しすぎる。個人がそれほど活躍した事例はあるのか?/27.個人の力や能力によって、どれくらいのものが生産できるだろうか?/28.「しかない」「すぎる」という強調表現によって失われた機微に思いを馳せる。/29.タッチパネルって、手を沢山動かすから面倒って思うのは、昔の人ですか?/30.カップヌードルはふりかけが入っていなくて良いよね、と奥様と話し合った。/31.「今年のベスト」なる記事が横行するのは、発売後すぐ買われるという驕りか?/32.庶民を貧乏人として扱う傾向があるが、それはあまりにも失礼ではないか?/33.その人にとって満足できる金額を所有している人を「お金持ち」という。/34.「ふともも」と「もも」は、場所が違うのか問題。/35.「おしくら」「ぷりくら」「かまくら」「たべくら」のうち仲間はどれか?/36.「生放送」も「中継」もいらない、と視聴者はTV局に教えた方が良い。/37.「百パーセント悪いのは確かなのだが」と言ってしまったら、あとは話すな。/38.愛知万博からそろそろ二十年。当時から太陽光発電の問題点を書いていたが・・・・/39.知識の基礎は若いときに得た。歳を取って、経験によってノウハウを築く/40.森博嗣は消費税に賛成の立場をもう三十年ほどまえから表明している。/41.「レトリック」ほどわかりにくい言葉はない、というレトリックはどうですか?/42.ミステリィの読者ほど常識外れの推理を展開する人はいないだろう。/43.奥様はガーデナ。/44.相変わらず、古い車の運転と整備を楽しんでいる。/45.見ただけではわからない。動かしてみて初めてわかるものが好きみたいだ。/46.自分以外の人の感想を知ることに興味がない僕が、感想を読むのは何故か?/47.「説明責任」が流行っているみたいだけど、何故そんな責任があるのか?/48.若いときは、パズルもゲームも好きだったけれど、今はほとんどしない。/49.人間は誰も、「仕掛け品」から始める。ゼロからのスタートという場合はない。/50.スバル氏はいつも鼻歌を口ずさんでいて、その曲が気になってしかたがない。/51.金にものをいわせるのは、ほかのもので話をつけるよりずっと公平である。/52.この一年間は、のんびりとした生活を楽しんだ。なにも不運なことがなかった。/53.「森博嗣ほど面白い」という「ほど」の使い方は、今は普通に通じているのか?/54.「木目が細かい」とは、単に「細かい」とどう違うのだろうか?/55.再び、「推し」について考察してみよう。/56.AIは答えることしかできない。/57.結局、できることしかできない。だから、できることを増やすことが自由。/58.ミステリィ作家と呼ばれるよりは、SF作家と呼ばれる方がほんの少し嬉しい。/59.「たんま」と叫んでいた子供たち。「今のなしな」も頻繁だった。/60.スコットランドで小さな機関車を百キロ以上走らせたプロジェクトについて。/61.悪いことができなくなったのは内部告発のおかげだが、それには理由がある。/62.コミュニケーションとは会話だけではない。思考も言葉だけではない。/63.「お恥ずかしい」「恐縮です」「面目ない」「かたじけない」という日本語。/64.ようやく時間的余裕を手に入れることができ、なるほどこれが「悠々」かと思う。/65.エンタテイメントの時間的な長さに関する制限が、今はほとんど消失している。/66.忙しい趣味と暇な仕事。「忙しい」や「暇な」は、どんな状態をいうのか?/67.なにかをしながら、別のことをするのを、二足の草鞋というのか。/68.時事ネタを取り入れたところ、わりと好評だった。同時性が求められている?/69.「クリームシリーズ」について十二年間を振り返る。/70.シリーズで続いているサスペンスドラマにありがちな設定。/71.日本が技術後進国となったのはどうしてなのか?/72.AIは今後どのように社会に進出してくるのか?/73.意識高い系のジレンマは、歓迎すべきジレンマだ、という意識が高尚。/74.子供をのびのびと育てたい、犬を好きなように遊ばせたい、というエゴ。/75.「くじける」や「へこたれる」という状況に陥っている人って、何を期待したの?/76.これまでの人生で「観光」のために自分のお金を使ったことが一度もない。/77.人間の毛は、地球の植物みたいなものか、と子供の頃に想像した。/78.「奥様は良き理解者なのですね」といわれることがあるが、どういう意味?/79.「相応しい」という言葉が、最近では難しい日本語の部類になりつつあるようだ。/80.なるべくゆっくり執筆するように心がけている今日この頃であるが・・・・・/81.ジェネレーション・ギャップがいかに恐ろしいものかを、日本は今体験している。/82.「十年一昔」とはよくいったものだ、と最近になって思う。/83.森博嗣の講談社文庫が百冊になったらしい。では、熊は何匹いるか?/84.「コロナも終息したので」を嬉しそうに話す商売人たちがTVに映りすぎる。/85.人生からそれらを切り捨てた、というわけでもないけれど、最近していないもの。/86.子供の声は騒音ではない、はそのとおりだが、騒音でなくても煩いものはある。/87.莫大な記憶容量を、現代人は単なるアリバイ証明に使っている。/88.「どうしたら良いのか」と悩んでいる人は、パニックになって考えていない。/89.なにかに悩んでいる人のうち、かなりの割合が自分の状況を望んでいる。/90.「罪を憎んで人を憎まず」は、現在はほぼ共有されている概念か。/91.ガンダムは今もまだ新作が作られ、サザエさんやドラえもんと同じくらい凄い。/92.なんでも一気に片づけてしまいたい「せっかち君」だったが、今では完全に離脱。/93.同じであることを確かめるよりも、異なっていることを見つける方が有意義。/94.もし不満や要求を相手に伝えたいのなら、最初にがつんといった方が良い。/95.選挙中の銃撃について僕が思ったのは、街頭演説が何故必要なのか?である。/96.そんな思いをしてまで金を儲けたいとは思わない、というまっとうな感覚。/97.ゆっくりと執筆できる能力があったら、と羨ましく思う(皮肉ではない)。/98.毎日沢山のことを少しずつして充実感を味わっている老人は何の夢を見るか?/99.客観性を失うことは実に簡単だ。自分の家の犬が可愛い、自分の子供は可愛い。/100.死ぬまでにしておきたいことは特にない。明日が最後の日でも問題はない。

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