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創業期の会社や事業でやっておくと後になって最高になる営業の準備

先日、IT営業の勉強会に参加してきました。
仕事が忙しく何の資料も用意しないまま、LTをやらせていただいたのですが、その時の内容をnote記事として発信させていただきます。

10分程度のLTだったため、お話ししたことは今日から誰でもできるたった2つのことです。
評価頂ければ続きを書いて次回のIT営業の勉強会で発表していこうと思います。また、こちらは後に資料PDFにして配布する予定です。

創業期の会社で最初にやるのはブランディング

ブランディングとは

ブランディングと聞くと難しく聞こえますよね?
私も今年の1月からマーケティングを改めて勉強してて、いろんな本を読んでブランディングという言葉を嫌と言うほど目にしました。
ターゲット市場とか、顧客への認知とか、頭の良い人たちが本気で考えてくれてるので一生懸命理解しようと努めています。
今回紹介するのはそんな難しいことは後でやるとして、今日からできる最初にやる簡単なブランディングを紹介します。

よくある相談

私はシステム開発会社を営んでいます。
システム開発会社というとプログラム書いたりする業務が連想しやすいですが、ビジネスモデルは大きく分けて2つあります。
1つは自社のサービスをデジタル化して販売すること、1つはデジタルシステムを作ることができないお客様の代わりに開発をすることです。
私の会社は後者がメイン事業で、お客様の代わりに開発をするというのは2つに分かれます。建設業のようにモノを作って納品する仕事と、一般的にはSESと呼ばれる「開発することをサービスとして提供する」仕事です。

よくSES事業をメインでやってる会社さんから「SESオンリーだと先行きが見えにくいので、モノを作って納品する受託開発をやりたいので相談に乗って欲しい」と言われることがあります。
相談に乗って1番最初に「御社の商品/サービスの特徴は?」と質問をすると大半の方から「エンジニアは複数いるのでたいていのことが出来ます。WEB系や業務システムもいくつもやってきました」と答えてくれます。
この後はいつも通り何の特徴もないまま新規事業をやろうとしていることをお話すると、みなさん新鮮な反応をしてくれます。

なぜ特徴がないまま新規事業をやらない方が良いのか

受託開発でも、SESでも世の中にはたくさんのお仕事があります。
私は受託とSESを掛け合わせたハイブリットなお仕事も経験してきました。
たくさんのお仕事があるということは、たくさんのライバル/競合がいるのです。
順調に事業を進めていくと必ず拡大局面を迎えます。
この拡大局面において特徴がないまま事業を進めると、絶対に方向性で迷いが生じます。
この迷いの発生や、迷いによる決断阻害、時間の浪費を防ぐために、特徴化が必要なのです。

SES会社さんが私に相談した時の迷いは「SES一本だけでこの先やっていけるのか不安」ということです。
この不安を解消しないまま、不慣れで何が起こるかわからない新規事業である受託開発に手を出すことは相当な時間とお金が必要になります。
さらに言うとこれでは最初の悩みの直接解決にもなっておりません。
そしてSES事業でも受託事業でも同様の悩みを抱えて更なる苦労を呼び込んでしまい、状況が悪化してしまったと聞くことが多いです。
特徴がないまま新規事業をやってしまうと、悩みが増えてしまうのです。

特徴化はブランディングなのか

私は特徴化が最初にできるブランディングだと考えています。
もしかしたらマーケティング分野の偉い人たちから「そんな適当なことを言うな」と怒られてしまうかもしれませんが、特徴化することでお客様が訪れるようになってくれたり、自分たちの仕事がやりやすくなるのであればメリットがあると考えていますので個人的にはお勧めしています。
もし他に上手なやり方があるようであれば私も勉強させていただきたいので是非教えてください。

特徴化の始め方

まず最初に好きなことを考えてみてください。
私は会社を始める前に「スマホアプリを作ること」が好きでした。
だから会社を作る時にはスマホアプリを作る会社を作りたいと考えました。
5年ほどかかりましたが、今ではマンハッタンコードはスマホアプリが作れる会社としてお客様から需要のあった時にお声がかかるようになりました。
もちろん自分たちで営業もしていますが、お客様が勝手に弊社を紹介してくれてお仕事をいただけるようにもなってきました。

私の元に相談に来たSES事業の社長さんはスポーツが好きでした。
なので「SES事業においてスポーツの仕事をどんどん取りましょう」とアドバイスしました。
社員の採用時にもスポーツが好きな人を採用しましょう、社外のイベントでもスポーツに関連するイベントだったらなるべく参加するようにしましょうと、次々にアイデアが湧くようになりました。
電車や車が好きならその分野でも良いです。お洒落やファッション、文学やアート、人との交流やイベントが好きというのでも問題ありません。

実は特徴化はこれで終わりです。
たったこれだけで最初のブランディングは終わりました。
かなりあっけないと思いますが、これだけで後になって、それはもういざ拡張するぞとなって会社や事業が成長期を迎えた時には最高になります。

特徴化したことで楽になること

まず我々が好きなことを話してるだけで仕事が向こうから来てくれるようになります。
次に出会う人たちも好きなことで繋がるので、入ってくる情報もかなり綿密で専門的なことが沢山手に入るようになります。
戦略を立てることや、ターゲット市場を特定すること、セグメンテーションなんかも楽になります。好きなことだから知ってることも多いはずです。

特に採用は大きな影響を受けます。
例えばエンジニア採用で「システム開発が好きな人!」って聞いたら誰もが手を挙げてくれると思います。
応募してくれた人たち全員が手を挙げちゃったら誰を採用しますか?
きっと頭を悩ませてしまうのでこれは良い質問とは言えません。
具体的に「toCユーザー向けのスマホアプリを作るのが好きな人!」って聞いてみましょう。
きっと手を挙げる人は少ないと思いますが、採用で頭を悩ませることは少なくなるので楽になります。
全体からすると小さいかもしれませんが、好きなことを決める≒特徴化することで楽ができます。
楽ができるということは続ける可能性が増えます。
特徴に合わせて実施する小さなことの積み重ねで大きな成功を手に入れる可能性が増えるのです。


ブランディングができたら次にやるのはメニュー表作り

メニューとは

1つの会社で、1つしかメニューがないという話をあまり聞いたことがありません。もしかしたら1つのメニューだけで勝ち残ってる会社があるかもしれませんが、そういう見せ方をしているだけで実は裏方の仕事では沢山のメニューがあります。

事務職の仕事で考えてみてください。
事務職の人は書類作りだけではなく、伝票管理や社内外との打ち合わせ、データ入力、郵便物の発送や仕分け、備品管理、電話やメールなどの応対など沢山の種類の仕事をしています。
ゼネラリストでもあり、スペシャリストでもあります。
ひとまとめにして「事務の人」って言われたらあまり良い気もしません。

自分たちが何をやっているのか具体的にするためにメニュー表を作ります。

メニュー表の作り方

メニュー表作り

まずは値段で分けましょう。
メインとなる主力商品の値段を変える必要はありません。
ランクの低い商品と、採算度外視だけどお客様が手に取りやすい商品をメニュー表に追加してみてください。
ターゲット市場調査とか、顧客のペルソナ作成とか、新しく何かを始めなくても普段通りやっている仕事を分解することでメニューを作ることができます。
普段通りの仕事を整理する意味もありますが、このメニュー作りをすることで自身が顧客に提供している価値についてもリマインドできます。

作った後のメニュー表を見て、先ほどお話したブランディング/特徴化と関連していない・離れてしまっているなどの状態であれば、再考する必要があります。作ったメニューは置いといて、特徴を思い出してもう一度作り直してください。

メニュー=商品に応じて売り方を変える

メニュー表ができたら商品に応じて売り方を考えましょう。
事業のマネージャーなどに技術のレポートを毎月売り歩いても買ってくれる可能性は少ないです。技術レポートは技術者が買ってくれる可能性が高い、技術者と繋がる必要があります。
SNSでも良いですし、イベントに積極的に参加するなどして売る方がもしかしたら効果が高いかもしれません。
こうしてメニューが決まれば、次の行動を考えて決めることができるようになります。

商品は必要な人の元に届けることで買ってくれる=売れる可能性が高まります。
例えば私の会社で販売している”スマホアプリサービスを作る”という商品は、WEBアプリサービスの会社などでは売れる可能性が高いです。
だから私たちはWEBアプリの会社とつながります。
山奥で宿泊業を営んでいる人たちに売れるかというと、可能性としては低いので優先順位を下げて対応します(宿泊業の人に売らないわけではありません)

広告を出すのも良いです。
自分たちの特徴と、提供するメニューをたくさんの人に知ってもらうのは大事なことです。SEO対策をしたホームページや、固有の商品を紹介するLPページなどを作るのも良いアクションです。

メニュー作りのポイント

ランクの低い商品を作るときは当然ですが効果や価値がメイン商品を超えないように設計しましょう。
ランクの低い商品の方が売れてしまう場合は、メイン商品の売り方や内容に改善が必要だとわかることもあります。
他社商品を調査しなくても自分たちだけで何が良くて、何が悪いのかがわかるようになります。

お客さんを呼ぶための目玉商品はお求めやすい値段設定をしましょう。
手に取り易いということを意識するとより良いです。
またこれはあまり教えたくないのですが、見た目にはとことんこだわってください。
目玉商品はお客さんを自分のところに呼んでくれる商品です。
いくら内容が良くても見た目が悪かったらお客さんの目に止まりません。
最初くらいはプロのデザイナーさんに依頼するなどして、出来る限り見た目にこだわってください(ここは私が相談に乗れます)
私はいろんなスマホアプリの新規サービスを作ってきましたが、プロトタイプだからと言って見た目に手を抜くと効果測定にブレ幅が生じます。
ブレ幅がある状態で「効果がなかった」とお金を捨ててる人たちを見ると、もっと出来ることがあるんだよ!って声をかけたくなってしまいます。

続きにはどんなことがあるの?

LT大会が1人の持ち時間が10分だったので、実はお話したことはここまででした。
この続きとしてお話したいことは「toBマーケティングの始め方」だったり、「ホームページとLPサイトを使った集客システムの作り方」だったりします。
IT営業の勉強会の会場にいらっしゃった方々は経営者、営業職、エンジニアなど様々な方がいて、恥ずかしながら発表資料を用意してなかった私は現場の方々から知りたい情報をお聞きして即興で発表をさせていただきました。

次回、会場にいらっしゃった方々の要望をお伺いして発表する内容が変わるかもしれませんが、今回は今日からでもできる特徴化とメニュー作りを発表させていただきました。
他の方の発表もとても勉強になりましたので次回がとても楽しみです。
また勉強会を開催致しますので、会場でお会いしましょう!

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