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痛くて手を付いていられない?

手首が痛くて付いていられない…!

「太陽礼拝」の基本的な動きの中で「ダウンドッグ」や「板のポーズ」など、地に手を付くポーズがいくつかあります。ヨガを始めて間もないころ、手や肩を傷めていました。今からもう25年前くらいのことで、柔軟性や動きには割と自信があった頃です。

手首の関節に負担が。

   「手を付く時に指をしっかり開いて」
   「ヒザを伸ばして、かかとをしっかり床につけて」
   「ヨガマットを前後引っ張って引き裂くような気持ちで」

など、色々な先生からご指導いただいたものです。
ご指導いただくたびに頑張るものの、それでも、特に手首の関節部分が痛くて痛くて長くはそのポーズをキープできない。時にはズキッと痛みが走り途中で中断するほど。自分では原因もよくわからないまま、そんな時期が長かった。

手首が弱いのかと思っていたが、でもよく考えてみれば、幼少時からピアノを熱心に続けていた私はベートーベンの「悲愴ソナタ」やバダジェフスカ「乙女の祈り」など割とバンバン情熱的に弾くのが大好き。とても手首が弱いとは思えないレベルだった。
そうこうするうち、肩も痛くなってきた。今考えれば、手首をかばおうとしていたためだろう。ところが当時は、肩が弱いせいだと思っていた。腕立て伏せも逆上がりも苦手だったし。

   「きっと肩が弱いせいで、手首も痛くなったんだ」

そう考えて肩回りの筋トレを取り入れたが、良くはならない。

原因は「肩甲骨」の使い方

数年前に体の使い方を学びなおす「フェルデンクライス・メソッド」を知った。指導を受けながら実践するうちに、この、手首や肩の痛みの原因と対処法を身をもって学ぶこととなった。

原因は、腕の付き方、チカラの加え方にあった。肩甲骨を全然うまく使えていなかったのだ。

肩甲骨

肩甲骨は、体本体と腕との動きをつなぐ要

体の使い方の指導を受ける中で、自分がいかに肩甲骨の動きに対して鈍感であったか思い知った。トレーニングのはじめの頃は、肩甲骨を動かすという感覚自体がわからなかった。
下手に筋トレなどして筋肉の力で動かそうとしていたため、なかなか「骨」の動く感覚を認識できなかったのだ。

「要」でありながら本体とはつながっていない「肩甲骨」

肩甲骨は体の本体と腕をつなぐ要であると書いたが、それでいて、本体とは離れている。

じゃあどうやって動いてる?

骨が接していないのに、どうやって腕が動いているか。
肩甲骨を腕の動きの起点として、実に多くの筋肉やじん帯が体の首・上半身・腰、お尻から脚につながる部分までをつなげているのだ。
腕を効果的に動かすコツは、その全部、つまり、肩甲骨を起点に体全体をうまく使うこと。

本来体全体を使う動きを、肩や手首だけで動かそうとするから無理が生じる。私の場合は、手首が弱かったのではなく、逆に強かったために、手首の強さでその負荷をまかなおうとしていたのだ。それは、長年の生活の中で身についてきた、無意識に行われる「動きのクセ」である。
無意識にまで身についたクセというのは、特別に自分自身に意識させる機会がなければ、気づきもしない。だからなおることもない。

この原因、そして自身の動きのクセが変わって以来、ヨガの他のポーズも「目からウロコ!」って感じの進化を続けている。やっと、20年越しで太古からの知恵の結晶・ヨガをカラダで理解できた。これは、知識や経験だけでは得られない内側から湧き出る泉のような感覚だ。

この「動きのクセ」は、生きていれば誰にでも身についている。各人それぞれちがう人生を生きているから、どんなクセがついているかはみんな違う。まずは、自分にも「動きのクセ」があることを知ることだ。
どんなクセがついちゃってるのか自覚させ、自ら自身の動きのシステムを再構築していくのは、その次のステップ。

「肩甲骨」を意識

自分の体の中の肩甲骨を意識するために、構造をビジュアルで見る動画を作りましたので、よかったらご覧ください。
※背景音楽の音量が割と大きいので、音量を下げて見ると良いかもです


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