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多摩美術大学 TCL Day5 Day6

あっという間に11月になりました。10月分のTCL の気づきを書いていきます。

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Day5 AM

5日の午前中は、ビジョナル(ビズリーチの会社)の田中裕一さんより、デザイン経営の実践とUI/UXのデザインの講義。

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田中さんは、元マッキンゼーの方が多いDeNAで戦略的思考を身につけられたそうで、デザイン思考と戦略思考の違いを綺麗に分析されていて、そういうことかー!と腑に落ちました。両方の思考ができてとてもうらやましいです・・笑

デザイン単体では、商業的価値はないため、デザイン戦略領域を決め、優先度の高いものから実行することが大事とのこと。

■デザイン戦略領域
1.資産(リソースマネジメント、知財、デザインシステム) 
2.ブランド(CI/VI,BI/YI,デザインブランディング) 
3.人財(採用、育成・キャリア、研修) 
4.サービス(UX部門の事業アシスト、プロセス支援、成果・評価)
サービス、プロダクトのデザインそのものを喜んでもらえるように

■デザインとは
機能、設計方法、思考方法に分かれる。(設計と思考がデザインアプローチで、このアプローチをしながらデザイナーはUXやグラフィックデザイン、ロゴデザインなどの機能の部分の仕事をする)

■優れたデザイナーの思考プロセス 
1)洞察する 2)可視化する 3)設計する 4)検証する 5)問いを立てる 
常にいろんなことに引っ張られるとは思うが、「一貫性」を保つことが大事

本当の課題は何か?と問いを立てる。言っている言葉の奥に何があるか、お金がないではなく、お金がないことで○○に困っている。こっちのほうを知る。

■デザイン思考と戦略思考の違い
1)ミクロからマクロ⇔マクロからミクロ
2)ユーザーインサイトから仮説⇔データを活用し仮説 
3)ユーザー軸で調査/検証⇔蓋然性を定量的に
4)確かめることを決める⇔やらないことを決める
5)プロトタイピングで確かめながら⇔決めたらやり切る

■デザインアプローチとロジカル/ストラテジーアプローチ
1)前例のない不確定なものに対応⇔データや回数が多いほど成功率↑
2)問いをたてて本質課題にリーチ⇔仮説の確度が高い場合は一気に成果
3)ユーザーに使われるモノに届きやすい⇔情報の構造化、具体化が得意
4)失敗を小さく挑戦を繰り返せる⇔万人に通じるコミュニケーション
5)ストーリーとイメージを伝えることができる⇔スケーラビリティを前提

■デザイン思考は戦略思考で
1)状況を知る 2)戦う場所を決める 3)実現可能性を考える 4)やることやらないことを決める 5)実現可能性を高める 

など、各種事例を交えながらお話いただきました。

講義を聞きながら、いかに日々の実践において、自分の思考内容、回路を高めてくれる人と一緒に仕事できるかが、様々なことに気づける大事な要素なのかなと思いました。
ロジカルシンキングになれていると、デザインアプローチのふわふわしたところ(どんな結果がでるのか、どの事実を大切にすればいいのか、よくわからない)に、もやもやを感じやすいのですが、それを楽しめるようになりたいです。

また、デザイン思考は、問いを立てて本質的課題を抽出することで、前例のないものに対応できるが、一部の人には響くが、スケーラビリティがないビジネスアイディアにもなりがち、というお話もあり、今後その点に気を付けながら、二つの思考法を使いこなせるようになりたいです。

Day5 PM

午後はKESIKIの井上裕太さんより、ユーザーテストやプロトタイプの心得などを学びつつ、グループでサービスに関するインタビューを進めました。

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■ユーザーテスト手法
・ユーザーの気づきを通じて、新たな「問い」をつくる 
・共感する ユーザーに向き合って探求する 
・答えを見つけよう、さがそうとしない 
・この人は何を考えていて、どこにフラストレーションがあるのか?
 神経衰弱のようにどんどんめくっていくと成長が体感できる

■インタビュー後の進め方
1)インタビュー実施(探索) 

2)ダウンロード(学びの共有)
①Fact  ユーザーから聞いたこと・見たこと、ニーズや課題、印象に残ったフレーズやエピソード
②Insight  面白い気づき、新たな発見
③KeyLeanings カギとなる気づき・学び(主観、推測) 
を整理する 

3)テーマインサイトの発掘 複数の情報、学びや気づきを統合することでインサイト(ユーザーが言語化もしくは認識していない本音)を発掘する 

4)問い/コンセプトのブラッシュアップ インサイトをベースに「とくべき問い」「解決策のコンセプト」をブラッシュアップする

■プロトタイプの心得
1)手を動かしながら考える 
2)早い段階からテストする 
3)ユーザーフィードバックを集める 
4)感情をこめすぎない 
5)ラフに、素早く、正しく 
6)繰り返し、繰り返し、繰り返す

自分たちのチームのサービスに関してインタビューしてみると、インタビュイーの大切な価値観や、いいと思う点、ちょっと・・と思う点が一緒に検討しているチームメンバーと異なり、新鮮でした。これでまた案がブラッシュアップできそうです☺

本などで学ぶだけでなく、実践することの大切さを感じています・・!


Day6 AM

6日目の午前は、多摩美術大学の久保田晃弘教授より、デザインの先端/哲学に関する講義。

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先端(Edge)=周辺の思想であって、非中心の哲学ですよ、というところからお話いただきました。

スペキュラティブ・デザイン=思索、課題提起、モノを考えるための手段のデザインのこと。

世の中は下記Aのデザインが多いのですが、それでいいのか?と疑問を投げかけるデザインが、先端のデザインとのことです。

Aデザイン
=インドストリアル、プロダクト、グラフィックデザインなどの大量生産かつ中心にあるデザイン 生産と消費を促進

Bデザイン=世の中に対してクリティカル、先端のデザイン 
生産、消費を使わない バイクのデザインも消せないか、可能性を提示する

■クリティカルデザイン(Bデザイン)の特徴 
1)利益や技術発展を目的としない 
2)生産や消費を避ける 
3)議論を引き起こす 
4)関心の対象をより詳しく調査することを支援
資本主義を疑う、見慣れたものを見慣れないようにする 

そのほかにも、あいまいさを抱えながら進むクリティカル・メイキング(批判的ものづくり) や、ものにつくられるものづくりということで、存在論的デザイン(日常生活はデザインされている)のお話、持続的デザインのために、 イノベーションすべきはデザイン(教育) 、デザインの目的=市民になる事?(≠消費者) など、多くの考え方を教えてもらいました!

デザインにもいろんな流派があるなーと改めて感じました。このあたりのデザインの文脈まで咀嚼するのには、もう少し時間がかかりそうです。

Day6 PM

午後はKESIKIの石川俊祐さんから講義のあと、各チームプロトタイプを作成したり、他のチームのアイディアを聞いたりする時間でした。

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■プロトタイプ作成
・新しいことにチャレンジするときはあいまいで当たり前
・これまでの違和感、主観、問い、コンセプトの流れを振り返る
・解像度が高いか、共感できているか、ソリューションが十分か

■コンセプトブラッシュアップの観点
1)ユーザーへの共感 
2)キーモーメント ユーザー&世の中にインパクトがあるか? 
3)ジャーニーで考える 
4)自分たちらしさ(思い、ユニークさ)
5)ステークホルダー どう作用するか?

私たちのチームは、おうち交換サービスの概要が、かなり仕上がっていたので、それに加え、オンラインスナック、コミュニティなどのサービスのプロトタイプも第2の案としてすすめることにしました。

場所にとらわれない新しい生き方を、オフライン、オンラインともに模索していきたいです。

次回に向けて

1)コンセプトシートをつくる 
2)プロトタイピングのテスト 
3)自分が考える「美しいビジネス」とは何か


0→1を考えていくのって大変ですが、チームで考えるといろいろ浮かびますね。様々な職種の人が混じっている多様性って大事、と感じます。


▼前回までのnote


最後までお読みいただき、ありがとうございます!スキ💛コメント、とても嬉しいです💛