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嫌いな食べ物

昨日の晩御飯に、珍しく母が何か作っていた。
私が粕床を作って、鮭を漬けておいたのを母が焼いてくれていた。
それと、麻婆豆腐も作ってくれていた。
市販の「素」を買ってきて、豆腐をからめただけだったが、それが食べたいと思ったのだろう。
娘、甘酒は飲まないが、粕漬けにした鮭は美味しそうに全部食べた。
娘と私が麻婆豆腐をひと口食べた途端……

辛い!!痛い!!何これ!!
ちょっとした怒りが込み上げてくる。

麻婆豆腐の素の箱を見ると「本場の辛味」と書いてあった。
辛口通り越して「激辛」じゃん。
父は辛いものが好きなので、私達が残したものまで全部食べた。

そこで思い出した事がある。私の嫌いな食べ物って、全部父に合わせて母が作ったものだということだ。

例えばカレー。
私が幼稚園児の頃からうちのカレーは辛口だった。私にとってカレーとは、1番辛口のルーにハチミツを大量に入れたものだった。
あのね。幼児の口に激辛と激甘が一気に来たらどうなると思います?(笑)
身体が拒絶しますよ。いつも白米だけ食べて、ルーの部分は残していたことを急に思い出した。
小学生になって、給食で出たカレーが美味しかったことに本当にびっくりしたんだから(笑)!

母にとっては、外で働いてくる父が優位で、父の味覚に合わせて料理する事が当然だったのだろう。昔の人だからね。でも、私は旦那の味覚に合わせて娘に辛いカレーを作ろうなんて1mmも思わなかった。甘口のカレーに好みで香辛料を追加するようにしていた。

同じようにして、「イカと里芋の煮物」が嫌いだ。
父が好きだからと母はよく作っていたが、私は甲殻類を醤油で煮付ける匂いが最も嫌いなのだ。
週に1回はこの匂いが台所からすると、部屋へ逃げ込み、窓を全開にして換気していた。
そんな理由で匂いに敏感なのだろう。アロマに興味があったのは、高校生ぐらいの頃からだったかも。

旦那と好きな食べ物や嫌いな食べ物の話をした時、旦那は、キュウリや生野菜が嫌いだという。6歳離れた当時ヤンキーのお兄ちゃんがいて、旦那が小学生の時テレビの取り合いでケンカした旦那の靴の中に、飼っていたのか分からないがカブトムシだかクワガタだかと一緒に、その虫が食べていたキュウリやスイカが入っていて、嫌いになったそうだ。
そりゃトラウマになるわ。
旦那のお兄さん家族は、親戚の集まりに1度も顔をだした事がないし、旦那が亡くなったあと、お兄さんの奥さんのLINEが消えてそれっきりだしもう会うこともないだろうから言うが、酷いことしてくれたな、コノヤロウ。

旦那は、キュウリだけでなく、カボチャや、スイカも嫌いだった。

嫌いな食べ物って、もしかしたら過去の嫌な記憶と紐づいていることがほとんどなのかもしれない。
過去の嫌な記憶を癒さないと嫌いな食べ物を克服したり出来ないのだろう。

でも。そもそも「嫌い」という感情が伴う物事は、克服したりするものなんかではなく、「危険」を知らせるサインなのかもしれない。

嫌いなものにわざわざ近づく努力をするのではなく、嫌いなものを認識したら、そこからすっと離れる事にエネルギーを使った方が、きっと楽しい現実を作ることが出来るんだろうね。

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