見出し画像

変身

読んだ


空前の東野圭吾ブーム

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。



アルジャーノンに花束を』といい、私は人間の脳と心の繋がり?関わり?に興味があるのかも




ネタバレさらっと出しちゃう私の悪い癖多分ここでも出る






主人公と、脳のドナーの対比の人物像が面白いし変化(変身)が分かりやすくて良かった


ところで特筆すべきほどのことではないが、成瀬の印象が予備知識と若干違っていたことを記す。職場等での成瀬についての人物評価を総合すると、無口でおとなしく、人見知りするタイプであるとなっていた。しかし本日会ったかぎりでは、極めて快活な印象を受けた。初対面だが動じたようすはないし、会話にも淀みがなかった。人間の見方がいかに千差万別であるかを痛感する。


主人公の一人称が「俺」になっていたり、大切だった恋人のことも「女」になっていたりして、気付かず普通に読み進めちゃってて待て待ていつから!?って何回戻ったことか




ジュンが会社に行った。あたしは夕方から部屋で待っていた。彼の好物のスパゲティ・ミートソースを作ったけれど、とうとう最後まで「おいしい」といってくれなかった。セロリとスモークチーズのサラダなどは、四分の一ぐらい皿に残っていた。彼がこれを残したことなんて、ない。
神様神様、恐ろしいことを起こさないで下さい。あたしたちをそっとしておいて下さい。ジュンを、あたしのジュンを奪わないで。


「ジュンは気が弱いから」って母親に言われてきたこと、「真面目で臆病」って同僚に言われてきたこと、自分自身も平凡だと自負してることとか何回も出てくるから私の中でのイメージが完全に出来上がって


対比の人物がつよすぎたな






あと私が個人的に好きだった部分、

「世の中には理不尽な目に遭っている人間は数多くいる。皆その理不尽さに腹を立てながら、その怒りをエネルギーにして生きているんだ。」


原動力が怒りや恨みの時って人間すごいよね。マイナスな感情ではあるけど、それの持つ力の大きさがとんでもないというか

幸せとか嬉しいとかの感情がモチベーションになって、頑張れることって沢山あるし、そういう瞬間私は大好きなんだけど
怒りの力はすごいから、だからこそ世の中で復讐とかそういった事件が多発するんだろうな〜って頭の中で脱線しながら考えてた





科学的にあっているかどうかは別として、脳移植そのものについての自分の意見ってどうなんだろう

大切な人が、例えば本の話と同様頭を撃たれて、たまたま脳移植ができる状況だったら「助かって欲しい」の一心で手術をお願いすると思うし

でもそれのせいで大切な人の人格が失われたら?私への暖かい感情も消えてしまったとしたら?
切なすぎるな〜


突然変わるんじゃなくて、だんだんじわじわ変わっていくのがまた悲しい





「先程君は、足跡を残すことが生きているということだといった。私もそう思う。そして君は昔自分がつけたはずの足跡が、自分のものでなくなったという。しかしそれでもいいではないか。生まれ変わった君には、それなりの新しい足跡が出来るだけだ。」







あとまた個人的に好きだった部分

「今いった例は、脳が本来あるべき姿とは違った状態になったから起きたことだ。だが君の場合、脳としての形態は完璧に保っている。これは自信を持っていえることだが、君よりも不完全な脳味噌のくせに、自分だけは正常だと信じて生活している人間が世の中には五万といるよ」






犯罪者というか殺人を犯す人の考え方や感情の動き方ってこうなのか、って思いながら読んでて恐怖だった。言い方悪いけど街中でもいつスイッチ入るか分からなさそうな人っているけど、やっぱり怖い



あと脳の手術といえばロボトミー手術


一時期狂ったように調べてたけど怖くて文字にしたくないやつ











最後まで諦めず見捨てずにいた恵の愛が本物の愛だね


この記事が参加している募集

note感想文

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?