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概念としての女子高生〜映画『SUNNY』のレビューを添えて〜

こんばんは。服飾大学で出会った「みっぽ」と「キキ」がサブカル的な態度でコンテンツについて対談形式で語る「サブカル女子って呼ばないで」です。

今回は、先日仕事終わりに二人で観に行った映画、『SUNNY』についてかる〜くレビューしつつ、女子高生を女子高生たらしめるものは何なのか、概念としての女子高生についてお話できればと思います。

■好きな映画≠面白い映画

みっぽ このビジュアルだけ見て「90年代×女子高生=好き」って思って勢いで映画館に行ったわけだけど、実際どうだった?

キキ 本当にストーリーも監督もロクに調べずに観に行ったもんね。個人的には面白いか面白くないかで言うと面白くないんだけど、好きか嫌いかで言うと好きな映画だった。笑

みっぽ それは同感。ストーリーは陳腐というか、面白くはなかったかな。

キキ 映画観てから予告編観てみたんだけど、事前にこの予告観てたら映画館行くのやめてたかも。笑

みっぽ じゃあなんで「好き」ではあるのかっていうと、そもそも私たちがドンピシャで好きな「90年代の女子高生」が題材としてあって、それを的確に捉えたビジュアル、映像が良かったからだよね。

キキ そうだね。世代ごとの女子高生の特色と、世代が違っても共通している女子高生というイメージを形成するものの、両方がきちんと映像化されてた。

みっぽ 世代差をきっちり描くことで、逆に共通点も浮かび上がって、「あ〜、やっぱりいつの時代も女子高生は最強だ〜」と思わせてくれる感じね。

■女子高生を女子高生たらしめるもの

みっぽ じゃあ、映画内できっちり描かれていたというその、「女子高生を象徴していて、且つ世代差も現れる何か」って何っていう話よね。

キキ わたしは『SUNNY』を観ているとき、「女子高生を女子高生たらしめるのは足元なんじゃないか」って考えてたな〜。

みっぽ 確かに、どの時代のシーンでも、足元のカットって何度も出てきたよね。

キキ 実際に90年代のルーズソックス、私たち平成一桁生まれ世代のハイソックス、現代のショート丈ソックス、って、各年代の特色が出る部分でもあるよね。

みっぽ 制服の中でも靴下って、比較的着崩しの自由度が高いアイテムだと思うんだよね。例えばリボンなんかは指定のものがある学校も多い中、学校指定の靴下って意外と少なくない?

キキ だからこそ足元、靴下に女子高生の世代間の特色が現れるわけだ。

みっぽ 地域差も出るよね。『SUNNY』では広瀬すず演じる島出身の奈美は最初ダサい白ソックスだったのが、転校してきてルーズソックスに変わった。

キキ 私たち世代だと個人的には、二階堂ふみが女子高生時代に雑誌『ニコラ』で、沖縄の女子高生は柄のソックスを制服に合わせてるんですって話してたのが印象的だったな〜。

■概念としての女子高生

みっぽ よく女の子を撮っている写真家の青山裕企さんも、女子高生を撮るときには足元を切り取っていることが多いよね。

キキ こんな部分的な写真でも「女子高生だ」って分かるからすごいよね。

みっぽ ルーズソックスなのか紺ソなのか、ローファーなのかスニーカーなのか、上履きのかかとは踏んでいるのか、そんなことでなんとなく、どんな女子高生なのかが分かるのもすごいと思う。

キキ 顔や喋り方と同じくらいその子の個性が表れる場所でありながら、その部分を見ただけで「女子高生である」っていう共通点も分かるんだもんね。

みっぽ それが分かっているからこそ、『SUNNY』では足元のシーンが効果的に差し込まれていたんだと思う。どの世代、地域、どんなキャラであっても女子高生を表現するときには足元を見せる。

キキ 足元こそが概念としての女子高生が凝縮されている部位なのかもね。

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