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遺影を撮って生きることにした

私は、去年の始め、遺影を撮った。
いわゆる生前遺影というものを。

ずっと死にたかった。
もう自分が手に負えなかった。このまま生きていたら魂までもが傷ついてしまいそうで、それに焦っていた。もう、死ぬことしか考えられなかった。病気も治らないし誰かを責めながら生きる人生はもうやめにしたかった。

そして、覚悟を決めて自分でお葬式の準備を始めた。お通夜に来て欲しい人リストを書き、遺書をたくさんしたためて、そして、モデルになる!!とみんなに宣言して、カメラマンの所に行き、遺影を撮った。

表現することが好きな私は撮影を楽しめた。データが送られてきて、眺めているうちにほんとに終わりなんだ、って思ってほっとした。準備は整った。
死んだら、自分のお葬式に行って、みんなのこと見られるのかな〜🎵

あれ?


死ぬの怖い…。
私の中で安心が一気に恐怖へと様変わりしていくのをみた。
情けなかった。今の私には生きることも死ぬことも出来てない。そんな空白な時間が流れていることが世界中の誰よりも恥ずべき事の様な気がした。
情けなくて堪らなかったけどどっちかに転ばないとこの時間を耐えられない…!そう思って私は生きようと決めた。何とも情けない。
何度思い出しても思う。情けない。

それから私は生きて、お礼を言うために絵の個展を開きたいと思うようになった。コロナで延期も考えていて、中々思うようには進まないけれど、今の私には死にたいと本物の死との間に広い部屋がある。死のうと思った時にはその部屋で休憩して、また私の人生へと戻るのだ。

辛いことがあれば魂は削れる。それはあまりに不安な事だ。でも、その削り続けた魂の先に凹凸のない綺麗な丸が生まれるのだと信じている。いつまで続くか分からないやすりで削る作業。最近ようやっと、少し楽しくなってきたと思ってる。

遺影は今も大事にしまってある。これも私の価値だ。

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