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オールインクルーシブでありたくて。SOLIT,Incを設立します

わたしは本当に、もっと、ファッションを楽しみたいーー

私たちが毎日着る「服」は、自分と社会の接点であり、その現れなのだとおもう。

古くからの何重にも重なる生産フローとその社会構造により生産され、どこかしら固定の価値観の押し付けがある、と感じる。
そして、その従来型の構造や価値観により、着たい服が着られなかったり、着られないことで悲しくなったり、涙したり、自分がダメなんだと自己否定したり。

ファッションは時として、私たちを縛り付ける鎖にもなる。
武器にさえなる。

でも、私たちはファッションに助けられてきた。
赤い口紅が第二次世界大戦の時に、女性の活力の源になったこと。
ココシャネルが、「女性解放」を、服を通して実現したこと。
マークザッカーバーグが、フーディーを着ることでこれまでの「ビジネスマンはスーツを着るもの」という定説を覆したこと。
わたしたちの、あの時のワンピース、あの時のジャケット、あの時の下着。

ファッションにはパワーがある。その時代を象徴し、時代を引き連れる旗振り役ともなる。

まだその希望を捨て切れないわたしは、この複雑で、めんどうくさくて、生きづらい世の中で、それでもそんな愛おしい世界がファッションの力で少しでも楽しめるようになったらどんなにいいだろう。

そうおもい、少し前に、「インクルーシブファッションの取り組みを始める」ことを宣言した、その想いをnoteにまとめました。

このnoteをきっかけに、少しずつ仲間が集まり、自分の言葉が自分の背中を押し、

2020年9月15日、国際民主主義の日にわたしたちは「SOLIT,Inc.」を設立することにしました。


1.オールインクルーシブライフスタイル企業

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「やばいじゃん、それ」というスラングからとった会社名、「SOLIT,Inc」。

私たちは、体型や国籍や信仰や性別や障害や、ありとあらゆる分類など関係なく、どんな人だって、自然だって、動物だって。だれも取り残さない。どれも取り残さない。その「違い」もありのままに受け入れ、健全に共存できることに最大限注力し続けたい、とおもっています。

それを私たちは「All inclusive」と掲げ、そんな世界を実現したくて、立ち上がることにしました。

今となっては時々耳にすることも多くなった従来の「インクルーシブファッション」は、”社会的マイノリティ”と分類される人たち(誰に取ってのマイノリティなんだ?) のために作られる衣服を総称しています。例えば、認知症の方が判別しやすいように柄や色で見分けられるようにした靴下のブランドや、肌の黒い方でも着ることができるバレエウェアなど。

ちなみに、世界中にはインクルーシブファッションに関するブランドやサービスはどんどん増えてきていて、どれもが「なんで画一的な服きなあかんねん!」という勢いの想いが込められていてめちゃくちゃ好きです。(日本にはまだ少ない)



有名どころだと、トミー・ヒルフィガーも自社製品をより誰でもきやすい形にされていたり。



しかし、私たちは、「マイノリティ」と分類することすら違和感を覚え、できる限り誰でもファッションを楽しめるように、「オールインクルーシブ」としました。

そして、この作りたい世界では「ファッション」のみならず、服をはじめとした生活にまつわるあらゆるサービスにおいてそうあったほうがいい!そう思い、自分たちのことを「オールインクルーシブライフスタイル企業」としました。(ちょっと横文字多すぎるけど笑


2.まだ会ったことのない仲間と

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冒頭でも書かせていただいたように、私はふつふつと湧き上がったこの想いをnoteに書き殴りました。

そしてありがたいことに、それをみて連絡をくれた方々がたくさんいて。それも共通の知り合いもいない方や、専門職の方など、全国から!!!(皆さん本当にありがとうございます…涙)

その1人1人とお話しさせていただいて、共感してさらに協力すると手を挙げてくださった方々が徐々に仲間になり、今や20名弱のチームになりました。
多業種多職種のプロフェッショナルの方々ばかりで、すごくおどろいています。

アパレル企業の新規事業開発・生産管理、リハビリテーション専門医者、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、証券会社の事業部長、マーケター、経営企画、PRライター、ディレクター、グラフィックデザイナー、車椅子ユーザー、ファッション評論家 etc..

そして私がこの構想を発想した瞬間から、いつも背中を押してくれ、共に立ち上がることを決断してくださった、現在私が通う大学院大学至善館の同級生でもある高橋朗さんには頭が上がりません…。

実は新型コロナウイルス感染症拡大と自粛生活もあって、全員で会うこともなければ、まだ会ったこともない人が大半。熊本や大阪や韓国、東京や神奈川と住んでいる場所もばらばら。いつか会えたらいいな…と妄想を膨らませながら、日々slackとzoomでコミュニケーションをとりながら準備をしています。


3.会社とはなにか、私たちは何者か

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実は私にとって、これは3度目の起業になります。1社目は「一般社団法人防災ガール」という非営利団体。2社目は現在も仲間と共に継続経営をしている「morning after cutting my hair ,Inc.」という営利企業。そしてこの「SOLIT,Inc.」が3社目になります。

そして改めて、今私の考える「企業とは何か」「私たちは何者か」を、企業の根幹となる「定款」に入れることにしました。

初期の段階で定款にここまで理念を盛り込む会社も少ないそうなのですが、意思表明であり、自分達の立ち返る場所にすべく、まとめました。この定款を読むだけで私たちがどうありたいのかが伝わると思います。

少し長いですが、定款からまるっとそのまま掲載させていただきます。

(商 号)
第1条 当会社は、SOLIT株式会社と称し、英文では、SOLIT,INCと表示する。

(企業理念)
第2条 当会社は、次の理念に基づいて経営する。
1.本会社は、多様な価値の多様性や自由な価値観の選択が相互承認され、自然、人間、生物、人間及びテクノロジー等のあらゆる存在が健全に共存できる世界の実現に注力しつづける。
2.本会社は、全ての人間、自然や動物も、どれも取り残さない「All inclusive」を企業ミッションとし、この理念のもとで全ての存在が本来持つべき尊厳を保つ生活をつくるオールインクルーシブライフスタイル企業を目指す。
3.本会社の使命は、多様な体型、国籍、信仰宗教、性別及び価値観の人々が楽しめる服をはじめとした生活にまつわるあらゆるサービスの提供すること、及び、これに伴う顧客体験価値の増大であり、その結果として売上、利益がもたらされることは、あくまで本使命を果たすことによって成し遂げられるという、この使命と結果の順序を本会社は重要と考える。
4.本会社は、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々の活動の根幹的な姿勢としてに据え、かつこれらを常にアップデートすることをもってし、これをもって社会的責任の遂行に最大限努める。
5.本会社は、同じビジョンに共感した様々な同志による共同体であると考える。それと同時に、本会社企業は、企業活動がそれ単独では成立せず、世界や社会の存在とその持続性の上に成り立つということを忘れてはならず、様々な関係者との繋がりの中で、より大きなビジョンの実現と、企業価値の最大化を生み出すことができると考える。
6.本会社の主要なステークホルダーは、顧客をはじめとした本会社の事業活動や表現行為に少しでも触れた携わる全ての生活者や、株主の皆様、ならびにおよび、多様な契約形態で業務に携わる従業員や、共創関係にある協力者・パートナー、地域住民はもちろん、や自然と地球をも含む。
7.本会社は、以下を旨としてステークホルダーの価値増大をはかるとともに、健全かつ良好な関係の発展・維持に努める。
(1)未だ解決されていない社会課題の解決
(2)公開可能な経営情報のわかりやすい開示
(3)企業価値の向上
(4)自社のみならずパートナー企業も含む安全かつ安定的な雇用の確保、やりがいのある仕事の上での個の成長促進
(5)地球環境に最大限に配慮した製品開発と意思決定


4.今、何をしているか

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冒頭に掲載したnoteにも書かせていただいたけれど、昔からこの事業の一部は夢の中に出てきていました。そして日々の既存のファッションにおける違和感がふつふつとチリ積もり、そしてついに大学院での講義「Envision」の初回3月14日に形となって現れ始めたこの、SOLITという構想。

3月14日~4月25日の講義の間は、BIOTOPEの代表でもあり准教授の佐宗邦威さんや、私も大好きなニュースメディアLOBSTERの岡橋惇さんをはじめとした同級生に見ていただきながらブラッシュアップして。

5,6月の2ヶ月は図書館に入り浸って本を読み漁り、福祉施設を巡ったり、ファッション業界の先輩方にどうやって実現ができるのか伺ったり、工場に電話したり、既存の産業構造に疲弊したり、それでも応援してくれる人がいることを知ってがんばってみたり。そんなことをしていました。

そして7月からは、実際にターゲットとする既存の服を購入してその問題点を洗い出し、リメイクし、それらを特徴的な体型のモデルの方にきていただきながらプロトタイピングをまわし、また修正し…。そして地球環境に配慮された素材や、製造過程での人権侵害のないようチェックを重ね、どこにおいても「all inclusiveであるか」を確認しながら、試作を今もなお繰り返しています。

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8月からは、ここまでのヒアリングしてきた情報にあわせて、医師や理学療法士、作業療法士のみなさんと、様々な体型のかたへの調査や研究データの収集と分析をはじめ、そのデータをプロトタイプに組み込みながら、開発をして。

今月からは、試作やサービス開始にむけた資金調達や、「どう届けるか」「どう伝えるか」をさらに丁寧に捉えて紡いでいこうと… 

相変わらずあたふたしています笑(だいじょうぶかなw

5.背中を押してくれたみんなに感謝を込めて

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まだリリースしたわけでもないのですが、ここまでにも多くの方に相談させていただいたり、アドバイスをしていただきました。本当にありがとうございます。

(すごくざっくりですが、だいたい相談させてもらった時系列順になっています。敬称略しています。私一人では立ち上げられていないので、記録するようにしていますが、もし漏れていたらごめんなさい🙏)

BIOTOPE  佐宗 邦威
BCG Digital Ventures Atsushi Okahashi
FABRIC TOKYO峯村 昇吾
電通 澤田 智洋/高橋 鴻介/諸星 智也
BRIDGE KUMAMOTO佐藤 かつあき/村上 直子
日本環境設計 岩元 美智彦 / 吉川 輝
仕立て屋と職人 ワタナベ ユカリ
RIDE MEDIA & DESIGN SHOKO SATO
Yahoo! Japan 岸本 雅樹
大学院大学至善館 星野洋介/加納 達也/森安洋平/山崎智史/向縄一太
島精機製作所 岩本 健二/坂元 康行
豊島株式会社 山形 弘毅
ALL YOURS 木村 昌史
up tsukubai 江本 珠理
文化服装学院 障害者衣料研究所 高見澤ふみ先生
株式会社ontos 藤永 晋悟
フォトグラファー 近藤 浩紀
車椅子ダンサー かんばらけんた
NEWPEACE 増沢 諒
フリーランス 徳永 啓太
テーラーバンク 永井 正継
車椅子ダンサー 森田かずよ
Unimode
Plaly Takuya
港北区社会福祉協議会 大澤 有希
多摩美術大学 田中美帆
LIFULL OPENSWITH担当の皆さん
Mymizu Mariko / Robin
Collable 山田 小百合
Blanket 秋本 可愛
WORLD坂本 清子
理学療法士 山田 修平
精巧株式会社 近江 誠
経産省 村山 明日香/笹本 つむぎ
フリーランス 桑村 美奈子
小野田髙砂法律事務所 小野田峻
One ip Tsuyoshi Kageyama
TOSアセットマネジメント 沓脱 亮
SHIFT Heeseok Han
ファッション評論家 平川武治

ここには今一緒に活動しているメンバーは含まれていません。それはいつか、webサイトとかができたときに。

(そして許可を取って記載していないので、おこられちゃうかな…大丈夫かな…感謝の気持ちだからいいかな…あはは)



さて、まだ会社を登記しただけなのでどうなるか全くわからないのですが、少しずつ走り始めます。


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