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阿修羅城の瞳 居場所探し

誰でも居場所を探している。

ここだ!と思える心地の良い時もあるが、それは時とともに形を変え、自分の変化と共に感触が変わり、距離感が変わり、気付けば新しい仲間といることもある。


ひと足早い4連休目の今日。絵の具のついた筆を振って紙に斑点を付けていくスタッパリングをしていたら、絵の具が飛び散り白いカーテンが水玉模様になっていた(T-T)!…見なかったことにしよう…アクリル絵の具、もう落ちない…


さて、先日から描いては上塗りしていた絵が寒々とした湖に見えて来たので、『みにくいアヒルの子』を思い出し、白鳥を描気入れてみた。言わずと知れたアンデルセンの物語。産まれてみれば、アヒルの子にしては違った要素が多い主人公。アヒル仲間から疎外され、1人寂しく旅をし、遂には自分がアヒルではなく白鳥だったと気付く話。自分は醜くなんかない、美しい鳥なんだと本当の自分の価値に気付く話。

だけど、こうとも言える。人間生きていれば、みにくいアヒルの子のように自分探しや居場所探しをすることもある。見た目はおんなじ人間同士の間でも、違和感を感じて居心地が悪かったりした場合、リラックスできたり自分でいられる居場所探しをするときもある。たとえ不満のない居場所にいても、自分を追究する旅を続けることも… なかなか奥が深い童話だと思う。

みにくいアヒルの子から白鳥へ変身といえば、先日『阿修羅城の瞳』をWOWOWで観た。松本幸四郎様当時は市川染五郎様主役。天海祐希さんヒロイン役。劇団新感線競演の舞台版。もう、何回見たか分からない程見ている。この映画版が劇団新感線を知るきっかけになった映画だ。映画版は宮沢りえさんがヒロイン役で出演されていた。

ただ今、映画『鬼滅の刃』が全米でも劇場公開され、外国映画部門、最高興行収入が話題になっているが、『阿修羅城の瞳』も”鬼狩り”の話。

鬼狩りの主人公が、鬼の王阿修羅に転生する予定の女ヒロインを愛してしまい、遂に転生してしまった女も、鬼狩りを愛するが故に戦って果てる話。

……『鬼滅の刃』なら鬼の王、無惨と鬼狩りの柱との恋⁈…などと想像してみたが…無惨が非道過ぎてないな…(°▽°)!

『阿修羅城の瞳』はヒロインの記憶がないまま旅芸人をしており、主人公は鬼狩りから一旦引退し、舞台役者をしている。しかも鬼に追われるヒロインを主人公が助けるシチュエーションで出会う。記憶を辿れば以前にも出会っている縁。赤い糸をビンビン感じさせる恋のはじまり💕そしてヒロインの記憶と因縁を辿る内、鬼の王に…

とにかく、臭いほどの染五郎様のセリフにキュンキュン💕ズギューン💕悩殺ぅ〜💕

若かれし日”龍馬”役をひとめ観た時からファン。弁慶役の為、一回り体を大きくされた今もファン。そして、約20年も前の染五郎様の若くフレッシュなお姿の映像が拝見出来る幸せにクラクラ💕染五郎様モードのラリ状態に溶ける脳…あ〜っ💕


あ、そうそう…気を取り直し…”変身”…ヒロインは旅芸人から本来の姿、鬼の王阿修羅に転生する。みにくいアヒルの子が美しい白鳥になるが如く、美しく変身する。映画版の宮沢りえさんも好演だったが、舞台版の天海祐希さんの妖艶さも迫力があった。美しい!

人の居場所って、誰と居たいかなのかも。

結局、ヒロインは転生した後にはっきりと主人公に対する自分の気持ちに気付く。転生した自分が本来の自分なら鬼を家族とし属さなければならないが、鬼であろうと気持ちはただ1人の人間を求めている。それが自分。

見た目ても、人種でも、家族でも、属するグループでもなく、ただの自分が一緒にいたい人を求めている。彼女の居場所は彼の腕の中で死ぬことのみ。

鬼狩りは鬼を狩らなければいけない。鬼の王ならば尚更のこと。2人は戦う。2人だけの秘事を愉しむように。2人の戦いの美しいこと!染五郎様の乱れ髪も汗も動きもくさいセリフも美しい!!!  

劇団新感線の観賞後感の良さはいつもながら、爽やか…各自色々なしがらみや葛藤を乗り越えて、使命を果たしていく。

自分の正直な思いのままに生きる

後悔のないように…アンデルセンの白鳥も、孤独で寂しい旅を糧に、たどり着いた自分の姿で今度こそ自分らしく生きて欲しいな。


そして、私はまた机で違う作品の下塗りを始める。絵の具で染まったカーテンを見ながら…わっ、参考資料も、電灯も…水玉模様がついている!!!悲しい変化にちょっと消沈。いいさ、描きたいように描く!ふーんだ。













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