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[OldCityBoy的「映画」考察] 卒業(1967) ➡男の理想妄想映画で、この脚本は卑怯だよ...

お金持ちで、勉強も運動もでき、将来を有望されている超優待生(大学卒)が、人妻に誘惑されて情事を重ね、そして、こともあろうかその娘に恋してしまい、彼女のいるバークレーまで追いかける、で最後は…
な映画です。

このストーリーを文字化するだけで見るしかない映画で、この脚本は卑怯だよ…。だって、これって男の理想妄想で、男性なら誰もが夢見る"こんなこと起きないかな~"な状況で、見ざるを得ない…

ただ、こういう脚本って、普通に演出すると非常に下品になってしまう可能性が大きいのですが、その辺は非常にうまく演出しており、まあなんともうまい。

具体的には、

○音楽
サイモンアンドガーファンクルの美しい情緒的な音楽で、下品な状況を見事に美しい描写に変換してます。

○絵作り
恐らくホックニーの絵にライドしてます。ホックニーの明るい色彩によるプールの絵が描かれたのが大体この映画公開の直前なので、この映画の監督はホックニーの絵を見ている可能性が高く、ホックニーの絵を彷彿とさせる色彩がよく見られます。要するに、絵作りにアート性を意図しているということです。

○ファッション
主人公のダスティン・ホフマンがIVYファッションの教科書みたいなカッコをしており、とてもお洒落で、かつ知的に見えるように演出しており、彼がやってることは最低ですが、あからさまにそう見えないようにしています。

○引用
最後は、最強のラブコメ映画である"或る世の出来事"を引用して、エンタメとしても十分楽しめるように演出しています。

と、テクニックで映画を下品に見えないようにしてますが、それらの意図も、脚本が脚本なだけに、そのテクニックさえも卑怯に感じられて仕方がない映画でした。


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