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刀剣乱舞の刀が登場!「小説 刀剣幻想曲 」三日月宗近、山鳥毛、にっかり青江……刀をめぐる九つの物語

刀剣乱舞が好きなので、タイトルに惹かれて読んでみました。
サブタイトルのとおり、九つの物語が収録。


1.末之青江×真柄直隆

刀剣乱舞とは違う名前ですが、おそらく同じ刀だと思います。

末之青江。刀工集団青江派が作った刀。南北朝時代から室町時代に作られた刀を「末青江」と呼ばれたそうです。

太郎太刀。特定の号の刀は無いようです。ただ、二振り以上持っている場合、長い方を太郎太刀、短い方を次郎太刀と呼ぶのだそうです。

真柄直隆と直澄兄弟が所持していた、それぞれの末青江。後に兄直隆の刀を「太郎太刀」と呼ぶように。

物語は戦国時代。
素晴らしい刀は権利者が欲しがる。
それを守らんとする物語。

2.こぶ屋藤四郎×千利休

刀剣乱舞で「こぶ屋藤四郎」に該当する刀が見つからず。「藤四郎吉光」が作った刀は沢山あるのですが残念。分かれば後日編集致します。

五郎兵衛は昆布を取り扱う商人。茶会のお茶請けとして昆布を卸していた事から「こぶ屋」と呼ばれたようです。
千利休とは茶会を通じて知り合います。
小田原征伐の際、こぶ屋が千利休に護身用として渡したのが、藤四郎吉光が鍛えたこの短刀。
千利休が最期に使った短刀なのだろうか。それとも千利休はあくまで茶人として散ったのか。
短刀を渡したこぶ屋の苦悩。

3.山鳥毛×上杉景勝

「山鳥毛」読み方は色々あるそうですが、この小説では「さんちょうもう」。刀剣乱舞でも同じでした。
このお話は上杉謙信の養子、上杉景勝の物語です。上杉謙信が亡き後、跡目争い「御館の乱」がありました。勝利したのが景勝。謙信から引継いだ物の中に名刀「山鳥毛」も。だが何故か刃こぼれが。思い出そうとする景勝。寡黙になった訳と謎に迫ります。

4.へし切長谷部×黒田官兵衛

へし切長谷部は刀剣乱舞でも人気のキャラクター。格好いいですね。
さて、この本では何故「へし切」と呼ばれたか、由来が書かれています。そこには織田信長が関係してます。へし切長谷部は信長から豊臣秀吉へ。更に黒田官兵衛へと渡ります。秀吉亡き後、関ヶ原の戦いがありますが、黒田官兵衛は九州でへし切長谷部を握り戦います。が、ご存知の通り徳川家康の時代となり。黒田官兵衛は隠居します。黒田官兵衛と共にあったへし切長谷部の物語。

5.泛塵×真田幸村

刀剣乱舞では「はんじん」と呼ばれていますが、この本では「ちりはらい」。
この泛塵。所有者は真田幸村。この幸村の名前の由来が書かれています。名前は「真田源次郎信繁」。どこにも「幸村」がありません。大坂夏の陣が関係しているとか。兄である信幸は徳川方に付き、名前も信之に改変。「幸」を引き継ぐ者は信繁だけとなりました。泛塵を握りしめ戦う姿は「日の本一の兵」と称されるように。その頃に「幸村」と名乗ったのではと書かれています。真田家の存続のため、引き裂かれた兄弟と名前の物語。

6.一期一振×徳川家康

名刀「一期一振」。徳川家康が所望する。大坂夏の陣の焼け野原から探し出した二振りの刀。どちらが一期一振なのか。その謎に迫ります。

7.にっかり青江×京極忠高

にっかり青江。幻覚を見せると言う。その時に「にっかり」と笑うから名付けられたとか。
豊臣秀頼が大坂夏の陣で散る前に、京極忠高に託した刀が「にっかり青江」
忠高の正室と側室。そして後継問題が描かれていました。「にっかり」と見せる幻覚とは。

8.肥前忠吉×岡田以蔵

岡田以蔵は「人斬り以蔵」とも呼ばれましたが、子供の頃は引っ込み思案の大人しかったそうです。
「肥前忠吉」は同じ土佐出身の坂本龍馬から以蔵に贈られた刀。ですが、以蔵は28歳と言う若さで打首に。刀がその後どうなったかは不明でした。
明治となり。龍馬と以蔵と接点のあった勝海舟が尼僧蓮月と「肥前忠吉」と出会います。
ちなみに「肥前忠吉」と「肥前忠広」は同じようです。<Wikipediaより>

9.三日月宗近×高台院

刀剣乱舞と言ったら「三日月宗近」
どのコンテンツにも出てきますね。
アニメ、舞台、ミュージカル、映画、ゲーム… 
大人気です。
その「三日月宗近」の物語。
平安時代に作られたので、刀剣乱舞では年寄りめいた口調です。
第二次世界大戦後の「三日月宗近」を巡る話。
なお、高台院とは豊臣秀吉の正室ねねの事です。

まとめ

著/秋月達郎
「小説 刀剣幻想曲」
三日月宗近、山鳥毛、にっかり青江……
刀をめぐる九つの物語

この本は偶然見つけました。
飛び込んで来た文字!
「刀剣」「三日月宗近」「にっかり青江」「へし切長谷部」…
これは読まねば!
謎の使命感(笑)

読了の感想を書くにあたり、改めて読み返したり、刀剣乱舞のサイト、刀、登場した武将や人物を調べたりして楽しかったです。

「刀剣乱舞」が好きで、こうしてこの本に出会えた奇跡に感謝。

特に印象に残ったのは「泛塵」の真田幸村。
名前の由来に唸りました。歴史小説で沢山語られている大坂夏の陣と真田兄弟の物語。この本はまた別の角度で書かれていて、面白かったです。
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(※タイトルのイラストは私の模写です。刀剣乱舞の髭切。刀剣繋がりで描きました🙇)


ここまで読んで下さりありがとうございます。



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