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台湾の街の漢方薬局から、D2Cブランドのあるべき姿がみえてきた話

今月、4/19(金)から5/5(日)まで、「DAYLILY」は有楽町マルイさんでPOPUP SHOPをさせていただくことが決まりました。

ちょうど1年前、台北に1号店をオープンした 女の子のための漢方のライフスタイルブランド DAYLILY(デイリリー)。その後、表参道で日本初のPOPUP SHOPを開催し、大阪、福岡など様々な百貨店さんで期間限定SHOPを行いました。

表参道でのPOPUPには、私たちの想像をはるかに超えた方々にお越しいただき、また、都内ほとんどの百貨店バイヤーさんがお声をかけてくださいました。

最初はそれが「認められた」ような感じがしてとても嬉しく、また、早く日本でたくさんの人にDAYLILYの漢方を届けたいという思いもあり、商談ばかり重ねていました。

しかし、各地でのPOPUP SHOP開催や商談を重ねている中で、目の前の売上や成果をつくることばかり考えてしまい、ただ商品を売る買うだけの出店になってしまっていました。そして、「ブランドが流行に消費されてしまいそうな危機感」がどんどん強くなっていきました。

短期間であったとしても出店することは、準備含めとても体力のいることなので、ただただ疲れてしまい、あれ、なんでやってるんだっけ?と思ってしまうこともありました。

もちろん、買いに来てくださった方々と直接お話しをし、応援の言葉もたくさんかけていただけることは、それは本当に強い力をいただいています。

けれども、わざわざ足を運んでくださった方のためにも、そして自分たちのためにも、ただ売る買うだけのPOPUP SHOPはもうしない。改めて、意味のあるSHOPのあり方を考えていきたいと思いました。

D2Cブランドは「モノ」「ビジネスモデル」の話ではなく、「関係性」「距離」の話だと思う

まだまだ駆け出しの小さな私たちのブランドですが、最近、D2C(Direct to Consumer)ブランドとして、イベントにご招待いただいたり、取材いただくことが少しずつ増えてきました。

その度に、世の中にたくさんあるD2Cブランドに関する定義や解釈の記事を読んでは、みんな正しいな〜と思うわけですが、

最近、私の中で「これは最も学ぶべきD2Cブランドのあり方だ」と思ったものは、海外のオシャレなD2Cブランドでも、売上を爆速で伸ばすインフルエンサーブランドでもなく、「台湾の街の漢方薬局」です。

こちらは、DAYLILYの共同創業者Eriの両親と、彼らが営む漢方薬局。Eriの父は漢方の専門家として、この場所で30年以上薬局を営んでいます。DAYLILYはこのすぐ横にあり、家族のサポートがあって成り立っています。

台湾にはこのような街の漢方薬局がたくさんあり、地域を見守る特別な場所としてその土地に根付いています。そしてそれゆえに、台湾では漢方が生活にしっかり根付いるのだと思います。

日本では敷居が高く、入ることすら躊躇われる漢方薬局ですが、台湾では様相が違います。

わたしにとって、漢方薬局といえば台湾の漢方薬局。そこは、病気の人だけでなく
元気な人も訪れる場所で、ドアの無い漢方薬局もあるくらいオープンな雰囲気なのです。 ー Eri

台湾の漢方薬局は、Eriの父のように漢方の専門家がいて、顔見知った地域の人々がふらっと立ち寄り、最近の話や、家族のこと、体とは直接関係のなさそうな世間話をしています。そして、その中でさらりとその人に合わせた漢方を紹介し、お客さんはなんの疑問もなく、摂り方だけを聞いて買って帰ります。

そんな台湾の漢方薬局の様子を眺めていると、「これこそ本物のD2Cだ。」と感じ、その関係性は自分たちのブランドづくりにも活かすべきだと思いました。特に大切だと思ったことは3つあります。

① 距離が近く、オープンで、対等な関係であり続けていること

Eriの父と昼夜訪れるたくさんの地域の人たちは、病院における“ 先生と患者 ”のような関係性ではなく、“ ご近所さん ” のように非常に距離が近く、オープンで、対等な関係にあります。Eriの父も決して偉ぶることはありませんし、顔が見えているからこそ、そこには確かな信頼があります。

② ブランドは創業者のものではないということ

Eriの父の漢方薬局「鈞生蔘藥行」もひとつのブランドですが、何度も、何年も通い続けている地域の人も一緒にこのブランドをつくってきたように感じます。そしてそれを地域の人たち自身も感じているように思います。そうなる環境をつくること、そう感じてもらうことがとても大事で、これはD2Cブランドだからこそできるのではないかと思っています。

③ 徹底的に寄り添い、「よりどころ」であること

Eriの父は、一番近い距離で対話をし続け、生活やライフステージに徹底的に寄り添い、漢方を届けています。売買されるものは「モノ」ではありますが、それ以上の価値と関係性がそこにはあり、確実に、身体と心の「よりどころ」となっています。

今まで私たちは、世の中にあるたくさんのブランドの中から、自分に合ったものを選び、自分自身を形作ってきました。しかし、D2Cブランドがあまた誕生した昨今、その構造は逆転するように思っています。

台湾で街の漢方薬局をみつけるように、ともにつくり、成長していくブランドをみつけ、オープンで対等な関係で対話を続けていく。自分に合ったものではなく、自分に合わせていく。そんな新たなブランドとの関係性が、D2Cブランドの本質となるのではないでしょうか。私たちDAYLILYもそんな関係性をつくっていきたいと思っています。

DAYLILYははじめ、クラウドファンディングで500万円ご支援いただいたところからスタートしました。クラウドファンディングはお金を集めるためのものとして捉えられがちですが、ブランドとの新しい関係性をつくっていく上でとても大切なものだったと思っています。このときご支援いただいた方々のおかげで今があり、その方々とのコミュニティも丁寧に醸成していきたいです。

DAYLILYは女性の一生に寄り添ってQOLをアゲたい

DAYLILYは女の子のための漢方のライフスタイルブランドとして、台湾の街の漢方薬局のように、近くて対等でオープンな関係性を築き、女性の一生やライフステージ、そしてそれぞれのペインポイントに寄り添っていきたいと思っています。

私はもともと電通で会社員をしていたのですが、辞めてこのブランドをはじめました。辞めてから一年半ほどが経ちましたが、正直、非常に辛い一年半でした。

もともとメンタルと体だけはかなり強い方だと思っていましたが、生理がとまってしまったり、肌も荒れカサカサになってしまったり、体重も8kg以上の増減があったりと、露骨に体にあらわれてしまいました。

起業家が大変だ。ということを言いたいのではなく、誰しも人生のあるステージでそうなる可能性が多分にあるということを改めて実感しました。

「女性はみんなメンヘラ」

そんな言葉を耳にしたことがありますが、私は「人類皆メンヘラ」だと思っています。ただ、どうしても女性の方が少しだけ身体の変化による影響を受けやすい。

だから、女性の一生に寄り添い、心と身体をサポートする「よりどころ」となれるような漢方を届けたいのです。そして女性のQOL(Quality of Life)をアゲたいのです。



美味しい漢方スープをいただきます!