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読書日記・不安になるのについ聞いてしまう

8月24日(木)

どうやら口内炎が、私の口内に居座り始めた様子。眠れないほどの痛みは初めてで不安になったのでGoogle先輩に質問しまくる。不安な時にGoogle先輩を頼るのは、一番やってはいけないこと。今までの経験上、先輩が不安を和らげてくれたことは一度も無いし、むしろ不安を増幅させることしか教えてくれていないことはわかっている。それなのに今回も先輩に頼ってしまった。案の定、不安な病名ばかりが私の視界に入ってくる。ただの口内炎のつもりがとんだことになった。

読んでいたのは、益田ミリさんの『ツユクサナツコの一生』

漫画家ナツコの、父との暮らしを通して見える世界にフムフムと思いながら読んでいたら、突然すごいものを読まされていることに気づいてビックリした。え????そういう話だったの???? 読み終わっても心臓がバクバクしていた。


8月25日(金)

あまりにも口内炎が気になったので歯科へ。というよりも、以前からこの日に診察の予約を入れていただけなんだけど。歯茎の痛みはおさまっていたのだけど、医師にこれは口内炎なのかと問いかけたら、医師は口内炎なんて無いよ~と言い出した。え?と思って手鏡で確認したら、口内炎が無くなっていた。え??いつの間に???? 消えてしまったものは心配するようなものじゃないと医師にも告げられたので、昨日あんなに不安だった私の心は急速に冷静さを取り戻した。今回も教訓を得た。不安なときはGoogle先輩に問いかけたら絶対にダメ(でもすぐに聞いちゃう)。

読んでいたのは、永田豊隆さんの『妻はサバイバー』

結婚した妻が摂食障害をわずらわっている。食べることで苦しみを和らげようとする妻の苦しみと、そんな妻を支えなければと奮闘する夫の苦しみが相まって言葉もない。そんな言葉もない状態なのに、妻はアルコール依存症になるし、さらには若くして認知症だなんて・・もうとにかく壮絶すぎて・・こちらもビックリな内容だった。


8月26日(土)

2日後に新学期がせまっているというのに、息子の宿題が終わらない。あとは絵を描くだけなんだけど、ササッと終わらせようという気持ちが息子には無い。明日までに終わればそれで良いだろうと、気楽に考える息子を眺めながら、親である私は夏休み初日に宿題を終わらせないと不安な人だったのに、わが子はこんなにも楽観視できるなんて、自分のお腹で育ったとはいってもやはり親と子は別人格なんだな、という当たり前のことを思った。宿題は夕方になって無事に終わった。

読んでいたのは、稲垣えみ子さんの『寂しい生活』

家電製品を手放して、月々の電気代が150円になったという稲垣さんの生活が魅力的に描かれている。家電製品がないから「不便」だろうと思ってしまうのは、家電がなければ生きていけないという思い込みにすぎないし、無いなら無いで生活はぐっとラクになるという稲垣さんの言葉が染みる。

 便利なものに囲まれていた私の暮らしは、いわば、必要な栄養や薬を補給してくれるたくさんのチューブにつながれた重病人のようなものだったのではないか。
 チューブにつながれている限りは生命を長らえることができる。安心である。その代わり、ベッドから片時も離れることはできない。

『寂しい生活』より引用

便利なものに囲まれて暮らす私たちの生活は、チューブにつながれた重病人のようなもの。その便利なものがあることで安心を得られている反面、それらが無くなってしまったら生きていくことができないという不自由さも持ち合わせている。そんなことを考えたこともなかった私は、この視点の面白さで一気に稲垣さんのファンになってしまった。一人で暮らしているのなら、稲垣さんのような生活は是非ともしてみたい。


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