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過敏性腸症候群がつらい

幼稚園の頃から腹痛がひどく、よく病院へ行っていた。

診断結果はただの便秘。
出される薬は整腸剤。マグネシウムとか。
薬を飲むも、一向に症状は良くならなかった。

突然訪れる、激痛。
脂汗が止まらず、まったく動けない。
人さまには見せられないような苦悶の表情を浮かべながら、あまりの痛みに腸がねじ切れているのでは?と本気で心配になった。

痛すぎて座ることもままならない。
学校生活にも支障が出た。

中学時代、激しい腹痛とともに、強烈な偏頭痛にも悩まされ、私は度々学校を休んだ。
偏頭痛はまず視界が一部分見えなくなり、次に頭をもぎ取りたくなるほどの痛みに襲われ、最終的に嘔吐するというのがいつものパターンだった。

高校時代もこの体調は変わらず。
さらに、重い生理痛が追加された。
一度、頭痛がひどかったときに保健室に行ったが、一限が終わると、保健室の先生に、「早く教室に戻りなさい」と言われた。

とても戻れるような状態ではなかったので、体質や体調のことを相談したが、「教室に戻りなさい」「ずる休みはダメ」と眉間にしわを寄せて怒っている。
私は諦めて、その件以降は保健室を利用せず早退することにした。

自由にトイレに行けない授業中が怖い。
いつの間にか、痛くないときでも痛み止めを飲んで登校する癖がついていた。

友人に指摘されてから薬に依存していたことに気付き、その悪習は止められたものの、症状が改善したわけではない。

私は動けなくなるたびに学校を休み、欠席が多いために何度も単位を落としそうになった。

大学に入ったくらいだったか、過敏性腸症候群という病名があると知った。
詳しく調べてみると、そこに書いてあるのは私のことだった。

正直、嬉しかった。
ただの便秘と診断され、まったく改善しない、長年の違和感が解けていったような気がした。

自分が過敏性腸症候群であると気付いてから、もう10年近く経とうとしている。

一昨年、久しぶりに薬を飲まざるを得なくなったとき、まったく痛み止めが効かないことに気付き、ぞっとした。

私にはもう、痛みは黙って耐える方法しかないらしい。

過敏性腸症候群は一説にはストレスが原因と言われているが、明確な原因は未だに解明されていない。
原因が分かっていれば対策の立てようもあるが、現状ではストレスを溜めないようにするという曖昧な行動しか取れない。

食事も腹痛を誘発させやすいので取りたくなくなり、体調を崩すことが怖くて外出も億劫になった。

学校生活でも、仕事でも、ずっと支障をきたしてきた。
そのたびに悩んで、悩んで、それがストレスになり、症状が悪化するという負のループ。

「いったい、どうしたら良いのか?」


自分の生きやすい生き方を自分で作る

私が過敏性腸症候群で生きていくことが困難と考えたのは、「普通」の生き方をしようとしたからだ。

「普通」

そんなもの、ありもしないのに。

私には過敏性腸症候群以外にも、「普通」に生きていくのが難しい理由がある。

「普通」を追っている人はみんな生きにくいんじゃないか?

もし私と同じような生きづらさを感じている人がいるなら、あなたは一人ではないよ、と優しく声をかけたい。

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