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ああ、懐かしの長電話...

電話で話すのが好きか嫌いか、得意か否か?

ここ最近、仕事や所要以外でどのぐらい電話をすることがあるだろうか?
メールや各種アプリやSNSのメッセージ機能が連絡手段の主流となっているこの時代、以前に比べておしゃべりするために電話するということが少なくなっているように思う。

携帯電話がない頃、あっても通話料が高くついた頃、インターネットを使って連絡を取るということが主流ではなかった頃は、家の固定電話を使って電話をしていたものだが、電話でおしゃべりすることは人とのコミュニケーションであり、わたしにとっては楽しい娯楽だった。
いや、今でも基本的には楽しい娯楽(ただし、相手や話す内容にもよるだろうけれど)には変わらないのだが、電話というものはひとりではできないので、相手の需要や余裕が必要不可欠になってくる。

インターネットを通したオンライン通話がまだ普通ではなかった頃は、どのぐらい電話代をかけられるかという経済的余裕も必要だったが、現在ではその面は大きくクリアしていると思われる。携帯電話の通話料金自体も、パック料金形態で以前よりかなり安価になっているだろう。

にもかかわらず、電話(オンライン通話含む)でおしゃべりする機会が減っている理由としては、年齢を重ねると共に、状況や周囲の環境が変わっているので、そんなにたくさんの時間を割くことができないということが想像できる。
仕事や家事・育児などで忙しく過ごしている中、必須ではないことにまとまった時間を取るのはなかなか難しいのだ。
また、一人暮らしでもなければ、家族や一緒に生活している人を差し置き、電話で長時間おしゃべりをすることは難しいということは容易に考えられる。そして、一人暮らしの人も時間に余裕があるかといえば、年代にもよるとは思うが、仕事が忙しかったり、そのためオフの時も疲労しているということで余裕がないということが多いのだ。

では、学生などの若年層世代の人たちはどうなのだろうか?
現在の日本の学生世代の人たちの電話に関する意識については、直接は分からないので検索してみたところ、想像してはいたが、電話は苦手な人が多く、メッセージでのやり取りの方が主流のようだ。

一方、同じ検索で、平成11年(1999年)の総務省の通信白書があがってきたが、下記のように言及されている。

「電話による通話時間」については、15~19歳及び20代の総通話時間が他の年代と比べてかなり高く、特に携帯電話等(携帯電話又はPHS)による通話時間が長い。特に、20代の総通話時間は5.47時間にものぼり(60代の総通話時間の約2倍)、電話によるコミュニケーションが生活に定着しているといえる。

平成11年版通信白書 第2章情報通信の現況 (3)生活時間

約25年ほど前の若い世代は、仕事からリタイアした世代の60代よりも通話時間が長いというほど、電話でのコミュニケーションが盛んだったとのこと。

わたしに関しては、時には仕事でも電話で長く話すこともあったが、表題にあるように長電話を懐かしむぐらいなので、好きか嫌いか問われれば「好き」、得意か否かならば「得意」な方なので、前述の1週間あたり5.47時間はおそらく越えていただろう。
誰とだったかまでは覚えていないのだが、1度の最高通話記録は6時間ぐらいだったかもしれない??そんな超超超長電話は、いくらなんでも他にはないが、しっかりおしゃべりするとなると1時間コースは普通だろう。30分ではまあ足りないので、生存確認・連絡事項・近況報告ぐらいだろうか。
そんなに長電話して話すほど話題があるならば、実際に会って話せばよいのにと思う人もいるだろう。たしかにそれは一理ある。

実際に会って話し、一緒に過ごすことで、電話では分からないノンバーバル/非言語な雰囲気も伝わり、より人間関係を深く構築することができるのは否めない。

しかし、電話のよいところとしては、時間や場所に関する負荷が減る点があげられる。例えば、夜にそれほど長く外出していられないという場合、移動の時間も含めて、電話は便利。
そして、知っている人だけれど、ふたりで会うほどは親しくないとか、ふたりで会うところまではちょっと……という間柄でも、電話ならばふたりだけだったとしてもハードルが下がる。(いや、下がりません!という人もいるかもしれないが)
今はこのハードルが電話ではなくて、SNSやメッセージなどの文章媒体でのコミュニケーションに変わったのだと思われる。メッセージするのは気楽にできるが(それも気楽にはできないという人もいるとは思うものの)、電話となると色々な面でハードルが上がるという人も多くなったのだろう。

イタリア人の電話・通話について考えてみると、長電話はさておき、家族や恋人とは1日に数回電話連絡するという人が稀でもないので、日本人よりは現在でも電話をしている回数は多いかとも思われる。勤め人も、細々とした時間の間を縫って電話する人はよくいるし、まあ、そういったことに寛容の社会なのだ。
やはり、チャット・SNS・メッセージは盛んだが、若い人でも、コロナ後にも、グループでオンライン通話をするという声は耳にする。ただ、実際に顔を合わせることを好み、少しの時間でも会って話したいという人は多いとは思われる。

いくら長電話OKだったわたしでも、今は夜の電話自体は必要不可欠なものだけで、他の時間帯でも電話でじっくり話す(話せる)機会はそれほど多くはない。
そもそも、以前は、電話をかけてみて、相手が可能だったら話すというプロセスだったが、今は、電話で話したかったら、まずメッセージやメールでアポイントを取るところから始まるので、今すぐ!ということはけっこう稀だ。

だからこそ、楽しかった長電話の記憶を懐かしみ、今ならば、貴重な機会を「一電話入魂」で存分に味わうのだ。
ウソ、そこまでではないけれど、お互いに不完全燃焼にならず「ああ、楽しかった!」という時間を過ごせるようにはしたいと思う。


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