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新しい官能表現を考える会

6
ランダムに選ばれた言葉を使って官能小説が書けるか試してみました。
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記事一覧

新しい官能表現を考える会 #6

新しい官能表現を考える会 #6

今回の検証語句



 布団に仰臥した身体から下着を脱がせると、そこには死んだ陰茎がだらりとぶら下がっていました。この一年の間、幾度となく屹立し、私を求め、私に侵入し、そして私の中を擦り上げた性器。それがいまは重力に対して完全服従を誓ったかのように、力なく垂れていたのです。

「ねぇ、こっちまで元気無くなっちゃったの」

 ペニスをそっと下から持ち上げ、裏筋を自身の秘部にあてがうように腰を下ろす

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新しい官能表現を考える会 #5

新しい官能表現を考える会 #5

今回の検証語句



 甘い柔らかさを纏った女の唇が、名残惜しそうにペニスの表面を滑っていく。てらてらと光る唾液の線を皮膚に残し、それは湿ったキスのような音をたてて屹立を解放した。
「そんな早くちゃダメじゃない?」
 そう発した口は、またすぐに私自身を包み込んだ。ざらついた舌が裏筋を擦り上げる感覚に思わず目を閉じる。いや、彼女の言うことはもっともだ。もっともではあるものの、とどまることを知らぬ新

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新しい官能表現を考える会 #4

新しい官能表現を考える会 #4

今回の検証語句



年暮るる           
バンバンドクドク 除夜の鐘
 異人の貴方と 棍棒外交

結論 仮説の通り、上記の三語は一切の違和感なく官能表現として機能した。引き続き調査を続ける。

新しい官能表現を考える会 #3

新しい官能表現を考える会 #3

今回の検証語句



 温水に棲む生き物のように細い指が剥き身のペニスの上を這いまわった。いつもとは違う他人の手。それもよく見知った女の手が導く初めての快楽に、忠雄はまるで失語症にでもなったかのように明瞭な言葉を発することが出来なくなっているようだ。あっ。うっ。ただ意味をなさぬ短い声だけが白い湯気の中に漏れ、溶けていく。
「ね。腰を上げて」
 幸恵はそう囁いて忠雄の臀部に下から手を添える。こうな

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新しい官能表現を考える会 #2

新しい官能表現を考える会 #2

今回の検証語句



「い、いえ、今日は取材にきただけですので」
 口では余裕を滲ませたつもりだが、脳の奥からじっとりと染み出てくる情欲、その熱さはどうだ。普段の仕事なら虚偽報道とそしられるレベルかもしれない。
「そう……でも、もうそういうわけにはいかないんじゃない?」
 スラックスの上から陰茎の裏をなぞる女の爪に僕は反論できない。いや、それどころか、彼女の狭い中をなんとかなるとばかりに自身が分

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新しい官能表現を考える会 #1

新しい官能表現を考える会 #1

当会の理念
 「世に存在する全ての言葉は官能表現としても使用しうる」という仮説を調査し、言語エロスの未来を切り開いていく。

当会の活動内容
 ランダム単語ガチャを使用して三つの単語をランダムに抽出。それを実際に官能表現として用い、違和感なく使用できることを調査する。



今回の検証語句



 いままで執拗に静江の乳房をまさぐっていた城崎の手が、静かに彼女の受け口へと滑りおりていく。その中

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