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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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禁猟区

程よくネタバレ気にせずに記しているので、ネタバレに関してはご自身の判断でお願いいたします

34歳、ライターの文美子。 夫との関係は冷え切り、娘はかわいいが保育園で問題行動を起こしていた。 ある日、文美子はママ友から、女性がお金を出して若い男性を「狩る」という「お茶会」に誘われる。 乗り気でなかった文美子だが、そこで劇団俳優の夏生と出会い、彼の誠実さに惹かれていく。

Amazonサイトより

ズルい人たち

みんな本能に赴くままに自由で素直で狡くて我儘な人たちでいて爽快

文美子

取材で行ったとはいえ、そこから偶然仕事先での再会
夫婦生活に不満があったからこその心地よい刺激

夏生と合瀬を重ねているのに、夫の浮気には嫌悪感
相手の女性が乗り込んできたら葛藤も抱える

夏生の想いに気付きながらも甚振り愉しむ狡猾さ
他の人の恋路には冷静でいられるのに、自分は一度箍が外れる時に大胆になる視野の狭さ

夫を詰めておきながら自分の窮地には動揺
夫に詰められるとさらに夫を詰める

拒絶され別れを切り出される理不尽な慟哭
一体誰を好きでどうしたかったのか

好きだけどそれとこれとは別
どっちも欲しい
貪欲な女性

夏生

ママ活的なギャラ飲みに参加しながらも、年齢もそろそろ限界の売れない役者
文美子に結婚して子どもがいるのも分かっているのに、大人の女性に落ちていく
真っ直ぐにひた向きに自分に正直でどこか憎めない

賢吾

文美子の夫で九州に愛人作って都合のいい言葉で繋ぎとめていた
挙句に東京に呼び寄せようとして玲奈によって文美子にバラされる

挙句に別れ話をしつつも内見の際に玲奈に「やっぱり奥さんと別れて」「わたしと結婚して」と迫られて手を切られたと言うが、これも玲奈へ最後ぐらいと関係を迫り拒絶され殴って襲おうとして逆襲にあった負傷だった
しかも玲奈の顔面を殴る最低な男

文美子の不貞を知り自分も浮気していたのに、夏生との情事で快楽を得たことを知り、文美子を拒絶する自分勝手な男

でも自分の実家への離婚理由は自分の不貞が原因と文美子を守る優しい男

晶子

文美子のママ友で遊びを知らないからこそ、質の悪い若者に落ちてしまう
トラブルに巻き込まれ、文美子も自分と同じ不倫をしていることを知り、恐喝からの幼稚園の関係者から夫の賢吾にまで証拠写真をばら撒く浅はかで弱い女性

瀬里

ママ友で文美子と晶子をママ活の出逢いの場へ誘った人
夫以外に元カレとも続いていて、一番遊び方を分かっている人

感想

恋愛の一線を越える駆け引きからの一気に導火線に火が付く瞬間がとてつもなくドキドキする一番愉しい時
結婚していても結局そこにお互いの気持ちが向いてなければ、どちらかが違う方向に向いていてしまっていれば、キッカケなんて脆い

最初は慎重にしていても段々と刺激を求めて大胆になっていく
始まりがあれば終わりもある

文美子と賢吾は別れを選択したのは賢吾がもう無理だったから

文美子と夏生は一旦距離を置いたけれど、夏生が諦めきれなかった抗い
後は文美子が向くだけで再熱

不倫はよくないことは大前提だけれども、好きになる気持ちは止めらない

お互いに好意を感じ取って、探り合って、確信して。。。
この経験は何度経験しても刺激でしかない
恋愛って中毒性がある

自由で素直で狡くて我儘


そして石田衣良さんの作品はカタカナ横文字よりも漢字が適している作品でそれはそれで風情があって好き


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