学校教員対象解説会に参加しました

今日は県美の学校教員対象解説会に行ってきました。

このところ、半分は美術教員として、もう半分は県美の担当として、という程よく宙ぶらりんなスタンスで参加しています(あくまで自己研修。仕事ではない。それが気楽でいいのです)。

今回は特別展「印象派からその先へ 世界に誇る吉野石膏コレクション」の解説を中心としたプログラムとなっている。

受付名簿をチラッと確認したところ、小学校の先生が多数。ついで中学校。高校の先生は少なかったな。(後で聞いたところ高校は文化祭シーズンで忙しくしているんじゃないか、とのこと)

まずは教育普及担当でいつもお世話になっているY学芸員から「兵庫県立美術館の概要と展覧会の紹介」と「教育普及プログラムの概要」についてお話がありました。

「兵庫県立美術館の概要と展覧会の紹介」
前身にあたる兵庫県立近代美術館と、阪神淡路大震災を経て復興のシンボルとして創られた今の兵庫県立美術館。
建築は安藤忠雄氏によるもので、5月にオープンした新たに増設した第2展示棟(AndoGallery)の紹介も含め、まずは施設自体のストーリーを紹介。展覧会は大きく特別展とコレクション展、ギャラリー棟での共催展があり、それぞれの展覧会の位置付けや運営について紹介いただきました。

「教育普及プログラムの概要」
教育普及については、以前は弱かった部分だが現在どこの美術館でも力を入れている部分ということで、団体鑑賞や出前授業について紹介。
昨年度から始まった高校との連携ワークショップ「ハッケンビ」についても触れ、今年度も引き続き行うとのこと。

次いで、本日のメイン「吉野石膏コレクション」展担当学芸員による特別展の解説会。
展覧会の構成や、出品作品の作者・作品について、時代背景や西洋美術の動向を踏まえた解説がなされました。
担当のS学芸員は、上方の噺家のような親しみ深い語り口で展覧会の解説をされ、終わったときに参加者から拍手とともに「面白かった〜」「よぉわかったわ〜」という声が漏れ聞こえてくるくらいでした。

特別展ごとに「学芸員による解説会」も開催されているので、こういう日を狙って参加すると、より展覧会を身近に感じる機会になるのではないかと思います(次は7月8日(土)に学芸員による解説会があります)

休憩を挟んで第二部は学校教員向けに、こんなこともありますよ的な情報提供をしてくれるコーナー。
今回は「展覧会ができるまで」というタイトルで、展覧会を企画・立案し、実際に開催するに至る運営サイドの動きについて解説をいただきました。

最後の質疑応答では、展覧会にかかる予算的な話や、全校造形の会での苦労話が話題に上り、面白い展開になっていました。

児童生徒の視野を学校の中だけに留めておくのでなく、実際の社会に目を向けていくことも教育者の役割だと思います。
美術館・博物館・図書館といった社会教育施設に繋いでいくだけでも、子どもたちの視野は広がると思います。

子どもたちは勝手に視野を広げ学んでいくのだと思います。
教育者はそういう環境に繋ぐ、コーディネーター的な役割ができたらいいんじゃないかな。

まずは美術の先生が美術館に足を運んで、実際に自分の眼でたくさんの作品を観て、あーだこーだ考えて、先生以外の学芸員さんや、いろんな美術に関わるたくさんの人たちと繋がる。そういうのが大事なんじゃないかなと思いました。

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