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選挙結果振り返り(2024 4.14)


 数多くの選挙が行われた昨日。 悲喜こもごも、様々な結果が出ていますが、ざっと見た限り私が感じたコトは、低調な自民よりも、なんだかんだ当選していく参政党よりも、「維新がヤバイ」というコト。 とくとご覧あれ。




◆【取材済】岐阜県・岐南町長選挙

 前の町長が辞職し、次の座を元町議の女性と町の元総務部長の男性、2人で争う一騎打ちは元町議の女性が初当選を果たしました。

 現地で取材しましたが、敗れた元総務部長は自民推薦で、陣営には県内市長村長や市町村議、商工会などが支援するなどゴリゴリの組織戦を展開。 一方、元町議は文字通りの草の根選挙で組織のバックアップは全く無い。 両陣営とも “99のハラスメント” で辞職した前町長には批判的なのでそれが候補者を比較するポイントにならないならば、組織の強い元総務部長が有利だろうと見ていたのですが、投票率が前回から2.1ポイントプラスになったコトも大きいでしょうが、有権者は「良くも悪くも」女性町長を望んだ結果だと見ています。 後日レポートを出しますので、お楽しみに。


◆【取材済】岐阜県・下呂市議会議員選挙(定数14/17人)

 現職9人、新人7人が立候補し、政党別では共産と維新が1人ずつ立てた、女性候補3人出た選挙は現職1人、新人2人が落選。 女性候補は全員当選しました。

 驚くべきは、政党候補が全員落選し無所属候補のみ当選したコト。
 共産候補は6期目を目指す70歳男性が次点で落選。 改選前には2人いた共産議員を1人に絞ったにもかかわらず、です。 得票数も前回の2人合わせた分の3分の1まで減少。 この結果は深刻です。
 そして、維新。 前々回、前回と最下位で落選した候補に公認を与えて当選を目指しましたが結果はまたしても最下位で落選。「維新」の看板は岐阜では全く通用しませんでした。 次回衆院選で維新は下呂市を含む4区に候補を擁立予定ですが、この結果を見る限り見るも無残な相当厳しい結果になるとしか思えません。

 次に、その他5件の結果を振り返っていきましょう。


◎静岡県・御前崎市長選挙

 2期務めた現職が退任表明。 次の座を巡って元大学教授と元医療支援団体理事長の2人で争う一騎打ちは元大学教授が圧勝で初当選を果たしました。

 原発再稼働容認派の元大学教授と見直し派の元理事長。 そこが両候補の主張が最も異なる部分で、その結果がコレ。 元大学教授が地元の人間ではない、最近移住してきた人だ、というマイナス評価も有ったとはいえこれだけの差がつく結果は、御前崎市民は原発再稼働の声が圧倒的多数だと見て良いのでしょう。


◎岡山県・笠岡市長選挙

 3期目を目指す現職に市議を1期務めた新人が挑む一騎打ちは新人が競り勝ち初当選となりました。

 保守分裂選挙でしたが、現職は辞職勧告決議を喰らったりパワハラ疑惑が有ったり、そして安倍晋三さんが亡くなった時に「ピースロード」のTシャツ姿の写真を添付した追悼文をFacebookに載せ、それが統一教会問題が大きくなった時に全国から総ツッコミ喰らった人なので、恐らく自民はどちらが勝っても良いように、というか、現職を見捨てた選挙だったのではと私は見ています。
 ところで敗れた現職はとにかく安倍ちゃんが大好きで出陣式に安倍総理時代の自民党ポスターをわざわざ飾るほどの人なので、次の衆院選で「安倍晋三さんは真の保守政治家である!」とか言ってる「アレ」な政党から出馬したりするのでは? と考えるのは想像が過ぎるのでしょうか。


◎福岡県・行橋市議会議員選挙(定数20/23人)

 現職16人、新人7人が立候補し、政党別では公明が2人、立憲と共産が1人ずつ立てた、女性候補が4人出ている選挙は現職2人、新人1人が落選。 女性候補は3人当選しました。

 自民系でゴリゴリの右派(というか、ネット右翼)。 そして、かつてtwitter-Xで自身について、

「元走り屋、70台を誇るチームの頭。 圧倒的な戦力で、敵対勢力を焼き払う。 譲歩はない、躊躇もない、示談も許しもない。 もともと『残酷』で有名だった。」

 と投稿し、その内容と漂う圧倒的な “厨二感” から選挙ウォッチャー界隈で「残酷パイセン」と呼ばれている現職が4期目を目指していましたが14位で当選。 スタッフも多く地元の票を手堅く固めているようで盤石な戦いでした。


◎長崎県・壱岐市長選挙

 4期務めた現職が退任表明し、次の座を巡って元市職員、元衆院議員秘書、元市議、元市職員(候補者順)の新人4人で争う選挙は、46歳の元市職員がアタマひとつ抜け出し初当選を果たしました。

 元衆院議員秘書や元市議が並ぶ中、何故抜けだすコトが出来たのか。 どうやら彼に自民党が、“あの” 谷川弥一氏を輩出した自民党長崎県連が支援し、更に長崎知事選で電話代をいっぱい貰ったのではと囁かれる某選挙コンサルタントが入っていたというウワサを見ました。 あのコンサル、どんだけ長崎好きなんだよ・・・


◎鹿児島県・鹿児島市議会議員選挙(定数45/61人)

 現職34人、元職1人、新人26人が立候補し、政党別では自民が21人、公明が6人、立憲が5人、共産と維新が3人ずつ、社民が2人、国民民主と参政が1人ずつ立てた、女性候補が15人出ている選挙は、現職4人、元職1人、新人11人が落選。女性候補は12人当選しました。

 自民は改選前の19議席に対し現職16人、新人5人を擁立し現職15人、新人2人が当選し2議席減。 公明が改選前5議席に対し6候補擁立し全員当選の大勝利。 共産、社民は改選前2議席を維持。 国民民主が1議席獲得しています。

 立候補受付を遅らせるコトでポスター掲示場の後ろで公認候補を並べるという “奇策” に出た立憲は改選前3議席に対し5候補擁立し4人当選し1人が惜しくも次点落選となりました。 トップ当選した公認候補が獲った票を割り振れれば、なんて簡単な話じゃないですよね。 個人的には私のツイキャスのリスナー様がスタッフとして頑張っていたので当選してほしかったのですが・・・ 残念です。

 参政党は「ジャンボタニシ騒動」の発端となった人を擁立。 それがどう影響するか注目されましたが、神谷独裁者代表が告示日と投票日前日の二度も応援に入るというチカラの入れ方が功を奏したか、15位で当選。 結果として騒動の影響は無かったようです。
 とはいえジャンボタニシの件はこれからも追及されるでしょうから、これからが大変でしょうね。 なお、参政党を離党し無所属で立候補した候補は6位当選で参政党公認候補を上回る結果に。 ただこの人は “よしりん系” で内海聡氏が為書きを出すなど、“反ワク道” 一直線のようです。(ったく、どいつもこいつも・・・)

 そして、維新。 市内、そして鹿児島県内で殆ど勢力が無い中で突然3候補も擁立してきましたが、

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 初の議席獲得を果たしたものの当選したのは1人(8位)だけ。 残り2人は51位&57位で落選しました。 当選候補の票を他の2候補に割り振れば結果は違ったのでしょうが、地方組織が未だ弱く、且つ選挙も自己責任でお馴染みの維新に「票割り」という文字は無いのです。
 ちなみに、落選した女性候補の人は立憲から離脱し維新に転身したらしいですが、策に溺れた結果となりました。

 では、今週各地の選挙に候補者を立てた維新と参政について、結果を見ていきましょう。


▼今週の維新

◎埼玉県・志木市議会議員選挙(定数14/26人)

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 62歳男性という、おおよそ維新らしくない候補を擁立し、ブービーですが当選しました。 昨年の統一地方選後、埼玉県の維新はコレで7勝1敗。 公認候補の全勝は伸び、先日公認県議が居住実態ナシで当選取消となった悪い流れを(形の上では)断ち切るコトが出来ました。
 ただ、上記の表を見ていただければ分かる通り、これまで当然のように中位~上位で当選出来ていたのが、ブービー・・・ コレが北関東ブロックにおける維新の現状なのかもしれません。


◎新潟県・佐渡市議会議員選挙(定数21/24人)

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 統一地方選後、新潟では初の維新候補。 しかも、佐渡。 更に、70歳男性。 よほど候補者本人に知名度や人望が無い限り当選は難しいだろうと見ていましたが、やはり最下位で落選でした。 維新は候補者から公認申請が来た際、党の政策を受け入れるならば簡単に公認を出してくれるらしいので、恐らく候補者自身が「維新」の看板を掲げて当選を目指すために動いた、候補者主導の公認だと思われます。 ので、党としても積極的な支援はしていなかったのでしょう。 現地で応援するためにはフェリーか高速船で渡らないといけないですからね。


◎静岡県・御前崎市議会議員選挙(定数13/21人)

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 前回の選挙は無所属で初当選(3位)、今回維新公認で2期目を目指しましたが15位で落選しました。 1期目の働きぶりがシビアに評価される2期目の選挙なので誰でも厳しい戦いになるので、結果を見ると4年間の仕事ぶりが評価されなかったのでしょうが「維新」の看板を以てしても当選させられず。 何なら足を引っ張っている可能性すら感じます。

今週、維新、ヤバくね?


▼今週の参政党

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◎岡山県・笠岡市議会議員選挙(定数20/24人)

 38歳男性という「売れ線」の候補を擁立してきましたが、当選したもののブービー。 ただ神谷独裁者代表は告示日前日に現地入りしたのみで、逆に考えれば最小限のリソースで当選が可能だと見られていたのかもしれません。
 ただこの候補、職業の「インターネット販売」に疑いの目が向けられる可能性も有り、前途多難な1期目となりそうです。


◎岩手県・九戸村議会議員補欠選挙(定数1/3人)※ステルス

 「今週の選挙」を書いた時には気づいていませんでしたが、当時現職の人が昨年6月の本選で党公認で出馬しましたが、“93歳15選” の候補を下回る結果で落選。 今回は無所属で出馬しましたが他の2候補に離されて最下位落選。 本戦で突然参政党公認で出たコトで地元の信頼を失ったのではないかと言われています。


◎埼玉県・坂戸市議会議員選挙(定数20/23人)※ステルス

 一時期参政党HPに「公認予定」として載っていた人が「無所属」で出馬。 「離党した」という情報は無いので当方では「ステルス候補」としています。 コチラもブービー当選でした。
 参政党が神谷代表の独裁体制となり、応援演説に入るコトで票の積み増しが狙えるのは神谷代表自身しかおらず、一人では応援に入るのに限界が生じるコトは容易に予想できます。 それを克服するための手段として、坂戸市議選のように(九戸は除く)強い応援を入れなくても当選が見込める候補に対しては公認せず「無所属」で立候補させる動きが続くのでは? と私は見ています。 実は今週も同様の動きが有るようなので、情報を集めながらこれらも合わせてチェックしていきます。


以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます


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