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✓あの子は貴族/山内マリコ

▽あらすじ
東京生まれの華子は、箱入り娘として
何不自由なく育てられたが、
20代後半で恋人に振られ、
初めて人生の岐路に立たされてしまう。
各門女子高の同級生が次々に結婚するなか、
焦ってお見合いを重ねた末に、
ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。
一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。
猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、
一時は夜の世界も経験した。
境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。
ふたりが出会ったとき、
思いもよらない世界が拓く。


▽印象に残った文章

「彼女と話していると、自分がどれだけ狭い所で
守られて生きてるのか痛感したし、
そういう自分がダサくて、嫌にもなって。
わたし、一人で生きていくなんて絶対できない
と思ってたんです。
誰かに頼るしかないから、
結婚にいっぱい期待していたんです。
わたしの周りには、そういう人にしかいなかたし、
そういう生き方しかないって思いこんでいて。
でも、自分の力で生きている時岡さんを見てると、
なんだかすごくかっこよくて、素敵で、
ああいうふうになりたいなあって
思うようになったんです。」

▽感想
お金持ちにはお金持ちの、
一般人には一般人の悩みがある。

読んでいて、ずっと思っていたのは
お金持ちの人は世界も考え方も甘いなあ
と思っていたけど、
きっとお金持ちの人はその狭い世界の中で
決められた生活とレールがあるから
ずっと同じ世界で回っていても
問題ないんだと思った。

お金には困らないかもしれない
何不自由ないかもしれない。
でも少しでも外の世界を知ってしまえば
面白くなくなってしまうのではないかなと思った。

華子と美紀が出会うきっかけは
あまり良くなかったかもしれないけど、
二人が出会ったことによって
華子は見違えるほど華子らしくなったと思う。
今までの華子は誰かのための華子だった。
自分のためだけになった華子が
私には輝いて見えた。


✓あのこは貴族/山内マリコ/集英社

↳単行本

↳文庫本

サンプルもありますので、ぜひ

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