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「世界最強」を目指すチームに、今日も勝てないけれど 【6/18ソフトバンク戦⚫️】

「世界最強」の旗がレフトスタンドにはためく。もちろん、ソフトバンクの応援団の旗だ。「目指せ、セ・リーグ最下位脱出!」と思っている現在の私は、自分の志の低さを深く反省する。目指す高みが全く違うのである。

ホームランというのは、あちらの景色とこちらの景色が、見事に違って見えるよな、といつも思う。野球は裏と表のスポーツだ、と、私はまた実感する。

相手チームが放つそれは、もちろん、1発でこちらの心を折ってくる。(なのに4発もあびるだなんてなかなかのものだ。)反対に、こちらが放つそれは美しい軌道を描き、夢へと続く道に見える。そう、遥かな夢へと続くわけだ。新たな時代を。いつ来るんだろう、新たな時代は。

そういったわけで(どういったわけだ)「ねえ松田ってママと同い年なのに、もう14本もホームラン打ってるよすごくない・・?」とバックスクリーンの成績を見ながら息子に言っていたら、あっという間に松田は15本目の熱男を放った。あっさり15号捧げちゃったよ…と言っていたら、さらに光の速さで16本目の熱男を放った。

普段あまり生で目にすることがない「熱男」を1回くらい見るのはちょっと感動してしまったけれど、何もご丁寧に2回も見せていただく必要はない。ないけれども見たものは仕方ないので私はじんレモ(期間限定500円)を静かに飲む。

世界最強を目指すチームを前に、ヤクルトは、追い詰めこそすれ、やっぱり勝てない。連敗の痛みは、チーム全体を苦しめているようにも見える。そうそれは、後遺症のようなものだ。

打てないわけじゃない。全く守れないわけでもない。微妙な噛み合わなさが、ボタンの掛け違えが、ずっとそのまま、何か違うな、という感覚のまま、もどかしくそこにある気がする。もちろんそれは、見ている側の気持ちに過ぎないのだけれど。

でも、しっかり立ち向かって行っているのだ、という手応えのようなものはある。いやプロなのだから、立ち向かって当たり前なのだけれど。逃げられたら困るけれど。でもとにかく世界最強に立ち向かうその必死な何かは、伝わってくる。

それは、内野安打をもぎ取ったおっくんのヘッドスライディングや、同じくおっくんのナイスな守備や、熱男を打たれまくったじゅりがなんとか後ろにつなげるために放ったヒットや、一軍に昇格したばかりの宮本くんの放つ1本や、代打荒木が今日も打つ1本や、エイオキ兄さんが執念で掴みとる内野安打や、てっぱちの久々のタイムリーや、あきおの熱男未遂や、久保くんの好投や、そんな色々に、しっかり表れている。

それはやっぱり、いつだって、希望のかけらだ、と私は思う。そういうのが明日の、明後日の、もしかしたら来年の、何かにつながるはずだ、と思う。・・・と、毎日毎日言い続けている気がするけれども、その「いつかの何か」は一体いつくるんだという話なわけだけれども、仕方がない、見ているこちらはじっとそれを待つしかない。

今日も、ヤクルトは勝てない。神宮には、相手チームの「世界最強」の旗がはためく。でも、じんレモは500円で、からあげは美味しくて、息子はまたコーラ売りのお姉さんに会えて嬉しそうだ。そうして日々は続いてゆく。夏はまだ、始まったばかりなのだ。


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