【やりたい】英語の勉強がしたい、早起きがしたい、読書がしたい、運動をしたい

【やめたい】タバコをやめたい、コンビニの唐揚げをやめたい、アニメの見過ぎをやめたい

けど、直ぐにへこたれる

本記事では、『やりたいこと』を身につけ、『やめたいこと』を徹底的に排除するための仕組みづくりについての考察について、前回の内容を踏まえて、『具体的な方法論』について踏み込んでいきます。

⭐️ 脱ヒューリスティクスで、行動に繋げる技術とは？〜おさらい〜

前回記事🔥『やりたい』が続き、『やめたい』を遠ざけるためのコツとは？　
では、以下の3つの結論を最初に示し、❶について、解説をした。

結論
❶人間の脳は、ヒューリスティクス『近道』をする。だから、『わかったつもり』になる
❷「～したほうがいいのはわかっているけど･･･」というのは、『わかっていない』　だから、『できない』
❸近道せずに、落ち着いて『位置付ける』『記録』するだけで、行動は変わる

❶をおさらいすると･･･

・AIは、現状で入手可能な全ての情報を関連づけて、合理的に判断する。
・人間は、ヒューリスティクスという脳みそ、思考のショートカットを用いるために、『意外とちゃんと考えていない』
・これは、仮説や空想という形で、人間独自の創造性という生の側面をもたらす。
・ヒューリスティクスの負の側面として、『ちゃんと考えない』状態に陥ることがある。

要するに、私たちはただただ『考えが甘い』ということ。

・勉強を続けたい
・お酒やタバコをやめたい
・早起きをしたい

そういうとき、私たちは、それらの行動の『目的』『価値』『損失』などを考えていない。

もちろん、ある程度は、考えている。

メリットやデメリットも。考えている。『多分そんな気がする』程度には。

じゃあ、「タバコをやめる」メリットについて、いくつ思いついたか？
「早起きをする」メリットは？それをしないことによる「損失」は？

あえて時間をとって、適切に考えない限りは、『ショートカット』している不完全な結論しか導いていない。

私たちはコンピュータにはなれないが、【適切な視点で】【時間をとって（近道せずに）】考えることで、思いもよらないメリットやデメリットを捉えることができるはずだ。

メリット、デメリットを認識すれば、「やりたい」「やめたい」を実現できるようになる。私自身、これから紹介する方法で、それなりの成功体験を積んできたつもりだ。

⭐️方法論

ここからは具体的な方法論にはいっていく。

私たちは、『近道思考』をする癖があることを知った。それを克服するには、『遠回り』で考える、つまり、『スローで確実な思考を促す』しかない。

具体的には、書く、記録するということである。

以下では、それらを『価値付け』、『価値外し』として、やり方を紹介する。

💡『価値付け』･･･『やりたい』に対して、どんな『目的』『価値』があるのかを正しく考える。

💡『価値外し』･･･『やめたい』に対して、どんな『目的』や『損害』があるのか正しく考える。

実は、この2つの用語は正直大したことない。それよりも、次に紹介する『道具』と『方法』の方が大事だ。

⭐️『価値付け』と『価値外し』

次に紹介するのは至ってシンプルな方法だ。その前に、私がこの方法を取るに至ったエピソードについて触れたい。

私は、1年ほど前からやたらと健康に気を使うようになった。

実際に次のものをほとんど摂取しないようにすることができた。

・ジュース【砂糖は、血糖値を上げ、集中力を奪う。またアトピーの原因になる】
・パン、パスタ【炭水化物は、エネルギーとしてあまり優秀ではない。日本人の多くは多少なりともグルテンアレルギーを持っている。体が必要な栄養素はタンパク質。】
・アルコール【睡眠の効率を著しく下げる】

私は、ジュースもパンもパスタもお酒も大好きだ。でも、やめた。
これらを徹底してやめることができたのは、【　】内に示す『やらないことの価値』と『やってしまった場合の損害』についてじっくりと立ち止まって知識を得て、考えたということが大きい。

習慣として当たり前になっている食生活について、『ヒューリスティクス』的に『きちんと考えていなかった』のだと思う。

立ち止まって、理由や価値、目的を考え、自覚した途端に、これらの誘惑を一気に断つことができた。だからこの方法をお勧めしたいと強く思っている。

それでは、具体的なやり方を紹介しよう。ExcelかGoogle Spreadsheetを使う。（後者の方が無料でスマホからも使えるから便利）

❶左側の表　👉　特典・損失
スプレッドシートの縦列には、「項目」「特典」「損害」の項目がある。

「項目」･･･「やりたい」または「やめたい」こと
「特典⭐️」･･･「やる」または「やめる」ことで、得られるもの
「損害☠️」･･･「やる」または「やめる」ことで、回避できる損害

これをただただ書いていくだけだ。

【価値外しの例】
「スナック菓子をやめたい」のであれば、それをやめることで『お金、健康、スリムな体』が得られる。また、やめることで「自己嫌悪、健康、コンビニに立ち寄る時間、お金」といった損失を避けることができる。

【価値付けの例】
「早起きをする」や「毎日10分の読書をする」でも、同様に「得られるもの」と「失ってしまうもの」というプラスとマイナスの側面から書いていく。

単純だが、これが効果が高い。

⭐️この方法が有効だと思われる理由

理由は次の通り。

❶「書く」という行為が強制的にヒューリスティクスを停止する。
❷「理由の数」が、行動につながる。
❸「空白の魔力」がアイデアを生む。
❹【分解思考】と組み合わせれば、さらに効果的

💡❶「書く」という行為が強制的にヒューリスティクスを停止する。
ヒューリスティクスは、「放っておけばやっちゃう」類の人間の思考特性である。じっくりと向き合えば、コンピュータほど正確＆網羅的ではないが、多角的に、できるだけ適切に考えることもできる。

💡 ❷「理由の数」が、行動につながる。
これは、逆にヒューリスティクスを利用してやろうという魂胆である。

どういうことか？

実は、私たちは、行動をするときの「理由の質」よりも「理由の量」にすごく敏感だ。

面白い実験がある。（残念ながら出典が思い出せない･･･）

「理由の量」こそが重要であることを示唆する実験
コピー機で順番待ちをしているところに、どんな理由を告げれば、割り込ませてくれるのかを調査した実験だ。「急いでいるので」、「レポートの締め切りが30分後なので」、「1枚だけなので」といった様々な理由を述べて、割り込みをしていった。実験の結果、こうした『正当な理由』だけではなく、「印刷がしたいので」と述べた場合も、割り込みが成功する確率は変わらないというのである。

「印刷がしたい」から印刷させてくれというのは、もはや理由になっていない。
しかし、人間は「理由が理由として認められるか」も大事だが、「理由があるか」だけで判断していることがあるらしい。これもある種のヒューリスティクス『近道思考』だ。

スプレッドシートに、「特典」「損害」といった観点別に記入していくことで、目標行動に対して複数、多様な理由が出てくる。理由がたくさんあればあるだけ、その行動を成し遂げたいという気持ちは高まる。理由の質は傍に置いておいて･･･

💡 ❸「空白の魔力」がアイデアを生む。
スプレッドシートを使うことで、あらかじめ理由を記入する観点を用意しておく。すると、「空白の魔力」が発動する。私たちは「空白」を埋めたがる心理があるようだ。他の欄が埋まっていると、どうしてもそこを無記入で放置したくないただノートに書いていくのではなく、セルという「空白」を『事前に作っておく』ことで、脳内からアイデアを捻り出してたくさん書くようになる。

それが、❷「理由の数＝行動」効果と相乗的に良い影響をもたらす。


💡 ❹【分解思考】と組み合わせれば、さらに効果的
『特典⭐️』『損害☠️』欄自体も、さらに細分化して捉える「テンプレ」があると、より一層効果的だろう。ここでは、次の図のように要素分解を行い、いくつかの観点を参考例に示しておく

参考
過去記事：アイデアと思考を爆速化する【分解思考】と【Mind Node】過去記事：【超効率的　分解メモ】　（アプリ紹介）

こういう『価値付け』『価値外し』のテンプレを用意した上で、スプレッドシートに記入していくことで、最大限に『やりたい』『やめたい』の理由付けができる。それも、考えれば考えるほど、『やるべき素敵な理由』と『やめるべき恐ろしい理由』が出てくる。

『ちゃんと考えていなかった』行動の価値が再認識された瞬間に、一気に行動力が湧いてくる。

🔴まとめ

最初に提示した結論に戻ろう。

❶人間の脳は、ヒューリスティクス『近道』をする。だから、『わかったつもり』になる
❷「～したほうがいいのはわかっているけど･･･」というのは、『わかっていない』　だから、『できない』
❸近道せずに、落ち着いて『位置付ける』『記録』するだけで、行動は変わる

今回は、自分の目標に対して頭の中でああだこうだと考えるのではなく、落ち着いて価値と損害を考えてみようと言う話をした。

『やりたい』『やめたい』と思った時、それらの価値や害悪は考え抜かれたものではなくて、【脳がショートカットして得た雑な結論】でしかない。

それを防ぐテクニックとして、『価値付け』『価値外し』と言うテクニックを紹介した。このテクニックの背後には、【強制思考装置としての『書く』】【理由の数】【空白の魔力】【分解思考】 という4つのコンセプトがある。

ちなみに、このような【記録による行動管理】の類には、WOOPやDefinition of Fearといったやり方もある。これについても、次回ちょろっと触れてみようかと思っている。（触れないかもしれない）

最後までお読みいただきありがとうございました‼️ 少しでも読者の方に貢献できたなら、「スキ」をして激励してやってください。これからも頑張ります。