Vinifera EuroMaster:仏での授業概要
ワインには直接関係のない記事の連投ですいません。
これが終わればまたテクニカルな記事を続けて出せると思うので、しばしお待ちください。
このプログラムの紹介はいつかは残さないといけないと思っていたので、興味がないよという方はブラウザバックでお願いします。
今回は前回の自身のプログラムの話の続きになります。
前回は制度とかプログラムの仕組み、概要について触れましたが、今回は生活や授業についての説明をしていきたいと思います。
まず1年目のスケジュールから。
この写真はオフィシャルサイトにあるのですが、大まかには下の画像のようになっています。
ブドウやワインについてのイントロからはじまり、この時にwelcome 合宿みたいなのがありました。
合宿っていっても南仏のバンガローでゆったり2泊3日ぐらいの感じです。
とりあえずみんなと仲良くなるためのイベントっていう感じですね。
そのあと前期はブドウの生理学基礎、ワイン経済学、醸造学と受けていくのですが、基本的には生活リズムは高校生みたいな感じです。
だいたい月から水は9時始業の5時終わり、木曜日はフランス語と第3言語の授業(我々にとっては第4ですが)、金曜は授業か休みかといった感じでした。
この第3言語は原則2年時に行く大学のある言語をとることになっています。
なので私はドイツ語を取っていましたが、日本の大学の第2外国語みたいなもので、今となっては完全に忘れてしまいました笑
生理学ではブドウの構造の話や遺伝なども出てきます。
経済学はワインの経済規模、購買行動について、ブランディングなどについて授業として聞き、グループワークでのプレゼンを行うことが課題でした。
醸造学はぶどうの構成物質である酸やフェノール、Nやその他元素の話などを主に見ていきました。
Vine BiologyとEnologyはテストでの評価です。
テスト前の1週間ぐらいは授業を少なめにしてくれたりして考慮されています。
このあたりが一番楽しくて真面目でしたね笑
年越しを挟んで
次にWine Analysisという講座がきます。
これは亜硫酸の分析とかそういったのを実験室でやってみて、そのレポートを出すこと、またテイスティングの授業のコメントも評価対象みたいです。
ちなみにテイスティングは金曜日を主に結構な頻度でやります。
これだけテイスティングに力を入れているのはなかなか嬉しいですね。
もちろん生徒が任意でテイスティング教室を使ってテイスティングをすることもあり、みな各々自国のワインと講座を担当する中、自分は日本酒のテイスティングの講座を担当しました。
結構考えて作ったんですよ。
純米大吟醸に純米、山廃と原酒、木桶と古酒なんかで比較テイスティングという形でやりました。ちなみに私の日本酒の中のトップはここにもある広島、寳剱のこの赤ラベルの超辛口です。
こう見えてかなり日本酒好きです。ワインといい勝負します。
そこからはProject Managementという統計学の授業と、Wine Processingという醸造学の現場寄りの知識部分の授業があります。
統計学は周りが結構苦戦していたイメージがありますね。
ベースはRコマンダーなのでスクリプトが打てなくても大丈夫です。
Rコマンダーすら全く使えない人も一杯います。
授業を受けてもなお使えない英語圏の人とかもいるので、できないことはあまり気にしないでおきましょう。
でもこのグループワークのトピックもあくまでもワイン。
自分の班はブドウの異常収縮についての発表を行いました。
醸造学の応用編ともいえるこの講義は、造る際の機械の流れや、それぞれの違い、醸造技法、濁度や清澄材の使い方などを学びます。
ここは個人的には未だに割と苦手な部分です。
次は休みを挟んでのEcophysiology。
ここでは生理学のときに習ったことを復習しつつ環境要因やGDDなどの指数の扱い、水ポテンシャルや蒸発散の機構などについて学びます。
この科目の土壌の部分なんかは自分のバックグラウンドもありとっつきやすかったですね。
全体としてこの分野はもう少ししっかりと現場で学ぶ必要がある科目かもしれません。
またこの分野の雰囲気を知りたい人は以前の稿の栽培集中講義というのを見てみてください。
そして2回目のテストですね。
ここでは統計学の簡単なテスト、Wine processingのテストとプレゼン(SO2についてやりました)、温室での水分ストレスについてのプレゼンと指数等データを基にしたレポートの作成といったことが課題になりました。
でも今年の生徒の話を聞くとここは少し変わっているみたいです。
最後の塊は今まで習ってきた生理学を踏み台にして、どう栽培管理をしていくかという講義になっていて、テストによって評価されます。
自分のときはここにアンペログラフィというブドウの品種や台木の見分け方の授業なんかもありました。
これはなかなか楽しいのでまた後日記事にしますね。
ここまでがモンペリエでの講座のおおまかな内容になっています。
かなりボリュームがあります。
正直なかなかタフな部分もあります。
結構忘れてしまった部分もあり、だからこそnoteでまとめなおしているのですが、授業のスライドとかは今でもかなり利用させてもらっていたりします。
ただこの1年のおかげでワイナリーさんからも求めて頂けるような情報にアクセスする力がついたのかと思うとかなり有意義だったと思います。
そして最後に抜け落ちている2つ。
1つはスタディトリップ。
スタディトリップは日本ともう一か所です。
これはどちらかという可能性もありますし、両方行ける可能性もあります。
といっても我々は日本に行く必要は指してないかと思いますが。
京都大学、山梨大学、ワイナリー数軒、酒蔵、ウイスキー工場などを見て回ります。
もう一か所は、基本はシャンパーニュになると思います。
自分たちの年は、シャンパーニュで数軒回った後、ブルゴーニュ、ボジョレーなんかを見て回りました。
自分たちの年は片方のみで参加者を募ったときに、日本へ行く人が少なく、最終的に両方許可したといった感じでした。
そのときは日本に行く人たちにひたすらに質問攻めされたり予約を取ってあげたりすることも。
そしてもう1つ抜け落ちているのは最後の授業。
Terroir Auditingです。
正真正銘これはモンペリエの授業ではありません。
このタイミングでボルドーへと向かいます。
1か月のボルドー滞在です。
この時期はちょうどFete du Vinというボルドーのワインのお祭りなんかもありかなり楽しいです。
1年の総復習ともいえるワイナリーのコンサルという課題が与えられます。
経済学として簿記を学習しつつ経営の健全性などについても授業があります。
それを活かしながら、また教授に質問しながらワイナリーの生データでコンサルをします。
1か月後のプレゼンではそのオーナーも見に来てくれます。
この授業はかなりエキサイティングでした。
チームメンバーとも喧嘩したりもしましたが笑
ということでフランスでの一年ですね。
改めて書いてみると結構密度も濃く楽しかった?つらかった?なぁという感じです。
授業面では全くツラさはありませんでしたが、やっぱ精神面ですね。気をつけないと海外は大変。
今回は授業ベースの紹介だったので、次回はその他フランスについて書いていきます。
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