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2分で読める子育てエッセイ№850『斬新な測り方』

ある日、小学生用の教材についていたメジャーを発見。退屈していた小4の息子イチに渡すと、興味津々で遊び始めた。
「僕の頭周りはどのくらいかな」
「背の高さは?」
と自分のあちらこちらを測りはじめた。
「そうそう、それやるよね~。でもイチみたいに髪の毛測るってのはやらなかったなぁ」

しばらくすると息子は
「今、10センチの物を探してるんだ~」
といいつつ家じゅうをウロウロ。それが終わったら
「今度は30センチで名前が3文字の物を探している」
と、またまたウロウロ。

なんだろうな~。

息子に訊いたら、測るものの指令が出るゲームをしていると言われた。どうやら遊び方の一例がその教材についていたらしい。ふつうに測るよりも絶対におもしろいに決まっている。さすが小学生向けの教材。興味を持たせるのはお上手。

ところが、またしばらくして息子を見かけたら今度は椅子の上に立っていた。そして、基準になるところを手に持って、巻いてある方を投げて遊んでいた。もう飽きたんかい。
それは、はたから見たらメジャーをリールに見立てた釣りゴッコ。それも釣れるわけない大物の何かを釣り上げようとしているのか。なんどもなんども楽しそうに投げているのでワタクシ思わず声をかけた。

「今日の晩御飯、家の中で釣れそう?」

すると、息子がこう言った。
「そんなの釣れるわけないじゃん。高さを測ってるの。邪魔しないで」

斬新な測り方をしている息子に軽~くあしらわれた。
ちぇっ。



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