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2分で読める子育てエッセイ№789『空耳』

ある日、学校から帰ってきた娘が半笑い。なにやらダメージを受けている様子だった。
「お母さん、私、やっぱりキンカバカかも」
キンカバカ、それはわが家の小鳥、キンカチョウが好きすぎるという誉め言葉。
親バカならぬキンカバカ。そんなことを娘が突然言い出したのは、どうやら外で灯油販売の車が音楽と共にアナウンスしているのが関係しているらしい。あ、聞こえてきた。
「灯油の販売車です。ご入用の方は家の前に灯油缶を置いて下さい」
なんの変哲もないセリフだよね?
でもキンカバカの娘の耳にはこう聞こえたらしい。
「家の前にトリちゃんを置いて下さい」
灯油缶がトリちゃん? 
灯油缶、トリちゃん? 灯油缶、トリちゃん? 
灯油缶・・・以下省略。
「うそ~ん、そんなバカな。すっごい空耳だね~。聞こえない聞こえない」と思いっきり笑ったワタクシ。

ところが次のアナウンスで、ワタクシの耳にも、しっかりハッキリとこう聞こえた。
「トリちゃんを置いて下さい!」
ひょーっ! ホントだ。なにこの魔法、強力過ぎる!

それ以降、娘のせいでワタクシの耳には「灯油缶」って聞こえてこなくなった。

キンカバカ検定2級、合格。
おめでとう。


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