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2分で読める子育てエッセイ№741『そこは母に似なくても・・・』

ある日、小3の息子が夏祭りのくじで当たったおもちゃがあったことを思い出した。それはピストル型でシャボン玉がたくさん作れる、名付けてシャボン玉製造機。

「これおもしろーい」

と息子は大喜び。

次から次にどんどん、どんどん容赦なく。勢いよくシャボン玉が飛び出していくので、すぐにシャボン液がなくなってしまった。

「え~もう無いの?」
としょんぼりする息子。


そこで、ワタクシ息子にこう言った。

「お母さんが子供の頃はシャボン液をおばあちゃんが作ってくれていたよ」


「え?」
驚く息子。

「食器用の洗剤と水を混ぜるだけだよ?」

すぐに台所から、洗剤とコップと混ぜる棒、さらに一度試してみたかったガムシロップを息子に渡した。


「洗剤とお水にシロップを入れると、シャボン玉が長持ちするんだって。どのくらいの量か分からないから、自分で究極のシャボン玉を研究してみたら?」

研究という言葉にテンションが上がる息子。


早速、息子はシャボン液を作りすぐに試した。


「ブーン」

シャボン玉製造機から、大量のシャボン玉が飛び出す。


「うわ~! すごい~」


自作のシャボン液は上出来だった。


「泡が割れにくーい!」

ワンコインで売っているシャボン液よりも断然にイイ感じ。
次回から、これを作ればいいやとニヤリとしたワタクシ。

息子にどのくらいの割合でシャボン液を作ったのか聞いてみた。


ところが、息子はきょとんとしてこう言った。

「えっとね~、ガムシロップを1個入れて、洗剤をドバーっと入れて、お水を入れた? あれ? ちょっと入れたかな、入れてないかな。わかんない」


作った本人ですら分からない幻の製法となってしまった。

そんな~。



ワタクシも料理は目分量。
なにもそこは、母に似なくても・・・。

息子にあれやこれやと言う資格はないと思った。













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