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2分で読める子育てエッセイ№832『さらにおいしくなりました、だって』

この春中学生になる娘と一緒にのん気に串団子を食べていたときのこと。
モグモグしながら娘がこう言った。
「『あんこ』が、さらにおいしくなりました、だって」
それはパッケージに書いてあった言葉。おいしくなったのは嬉しいこと。そしてちょっぴり暇でのん気な時間を過ごしている我々には十分な会話のスパイスだった。

「一体どのくらい、おいしくなったんだろうね」
とワタクシがチャチャ入れ始めると
「前のあんこと比較してみたい」
と、娘もいいだしたのでついつい、ワタクシ調子にのってこんなことまで言い出した。
「言えてる~。もしかしたら、前の方が好みかもしれん」
すると通りかかったダンナが、嬉しそうに会話に入ってきた。
「しばらくしたら、もっとおいしくなりました、って出るかもね。老舗でもときどき時代に合わせて味を変えているところもあるって聞いたよ」

ひょーっ! ここまできたら全部食べてみたい。比較してみたい。
今食べているというのに、次食べたい物を話題にする食いしん坊のわが家の面々。「試作品3本セット」もしくは「食べ比べ三姉妹」などが出ないかと真剣に話し合った。
「こんなん売れるんかな・・・」とは思わないでもないけれど、少なくともわが家は3つ買うのでご安心を。頂けるのであれば、3つには限りませんが。

残った最後の一口を食べながら、よくよく考えてみたら、わが家は老舗でも、つぶれそうな団子屋でもないことに気がつき、ここまで真剣に話し合った意味が全く見あたらなかった。


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