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私自身の目で見て、感じたいという欲<羊飼いの暮らし>

羊飼いの暮らし 著者:ジェイムズ・リーバンクスさん

羊飼いとして生きる人生として、これこそふさわしい言葉はないだろう。

100年後もファーマーたちが同じフェルに立って同じ仕事をしているとすれば、そのほんの小さな一部を作り上げたのは私なのだ。いまの私の仕事が、過去のすべての人々の働きの上に成り立っているように。

本書より

著者が精魂込めて執筆した中で、この言葉が生み出されたことを称えたい。そして、著者のように、これが私の人生だと言い切るような人生を送りたいと思った。

羊飼いの家系に生まれ、オックスフォード大学で学び、再び羊飼いとして過ごす著者の半生はありのままに家族間の出来事を語っている。師であり、ライバルであり、仲間であるという祖父や父たちとともに、農場で起きる春夏秋冬を乗り越える姿。それは、羊の命を預かり一蓮托生の思いで仕事にプライドを持つ人たちの人生だ。

イギリスの湖水地方での農場という場所を基点に、命をつなぐこと、家族への思いを語った言葉はストレートに伝わってきて、読み終えた後に私自身の目で見て、感じたいという欲が溢れ出た。


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