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仮想現実内国家も多拠点居住の1拠点に、という可能性について

ここ数年、多拠点居住という概念についてずっとテーマにしてきて、東京に住みながらマレーシアのロングステイビザを取り、エストニアのe-Residencyを取り、神奈川県三浦市で友人らとシェア別荘を始め、インドネシア(バリ島)やフィジー、タイのリタイアメントビザのリサーチをするとともに、国内では広島県尾道市や高知県、そしてかつての勤務地の新潟県(宮崎市も面白そう)、海外では中国・深セン&香港、韓国、ロシア(ウラジオストク)、スウェーデンやフィンランドのそれぞれの地域の面白いところを直に訪れて見聞きし、学んできた。


電子行政が進むエストニアはある意味、領土を失っても行政機構はクラウド上に残るので、「創造の共同体2.0」として「国家とは領土に縛られない存在になり得る」という新たな概念を提示しているわけだけれども、ここ最近、私が私立VRC学園を含めやたらVRChatの世界に入り浸っているのは、「仮想現実内の国家的コミュニティーも、多拠点居住の拠点の一つになり得る」という発想を抱きつつあるからに他ならないのではないだろうか、と考え始めている。

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今の時点ではまだ、漠然としたアイデアに過ぎず、「ついに頭がおかしくなったか」と言われそうだけれど、多拠点居住で求めるものが、①物事を多角的に見る視点、②それぞれの拠点での人的交流とそれらソーシャルグラフの融合、③ビジネスチャンス、④拠点ごとに目的を分ける(働く場所と癒される場所、学びを得る場所、生活費の観点から主に住まう場所、など)ことによる心身の充実と平穏、だとすると、例えばVRChat内の仮想現実も上記4項目を満たすと言える。

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とりわけ、今の時点ではVRChatを使っている人たちは、パソコンスキルや創作活動への情熱が平均的日本居住者と比べて大いに高いと推察されるところがあり、その点、私としても学べるところが多い。

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まだVRChatは「国家的コミュニティー」というほど大きな存在になっていないし(仮に大きくなることでこの牧歌的空間がなくなるとしたら、それはとても寂しい)、VRChatではなく、FortniteやMinecraft、あつ森の方がそういう世界になり得るのかもしれないけれど、ひとまず、「多拠点居住の拠点は、リアルの場所でなくてはならない」と限定することで可能性を狭めるリスクがあるようには感じる。
「レディ・プレイヤー1」とは逆の結論かもしれないけれど。 

あと、仮想現実社会が変にマネタイズの波に飲み込まれると、すごく興醒めしてしまうところもあるけれど(一方、友人でもあるVLEAPの新保正吾さんが下記のような調査をしていますので、ご興味ある方はぜひご一読を)。

というわけで、引き続きリアルとバーチャルの両面で、多拠点居住の模索は続けていきたいと思います。


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