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【治らない痛みに、意味】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

今年は大したきっかけものないのに、痛み症状を発症して、なかなか治らないという患者さんたちと、たびたびご縁をいただきます。

とくに6月に入るころ、股関節を中心とした足腰の慢性的な痛みが治らないという訴えを持つ患者さんたちと、ずいぶんご縁をいただきました。


こうした身体症状、普段から負担をかけていたり、仕事が原因、生活習慣が原因、ということもあるでしょう。

そして、意外と心理状態が反映されていることもあります。

特に今年の春先から、新型コロナウィルス騒動で感染症の実害よりも、感染しちゃいけない、させちゃいけないという世間の風潮が、様々なお仕事や生活に不安の影を落としました。


飲食業や旅行業、演劇や音楽活動などのエンターテインメント業などに携わる方たちは、慢性的に心労が重なっておられるんじゃないのかな。

そうしたことに携わることなく、一般企業にお勤めされる患者さんたちは、いつも通りに鍼施術を受けに来院され、感染症騒動が大きくなると感染拡大の心配からか、来院間隔が開いたり足が遠のくように感じます。

でも、切羽詰まって頑張っておられる方々は、現状の困難な状況を踏ん張るためなのか、鍼施術を受けに来られる方が多いみたい。


世間の見えない情勢に振り回されながら、ご自分のお仕事の在り方を常に考えておられる。

鍼施術を受けに来られ始めるころ、そんな現状の不安を口にされる患者さんは、それ以降もいろいろと胸の内に宿る心配事を、具体的に話していかれる。

いいなぁと思います。

ココロとカラダはつながっている。
ココロのわだかまりを口に出せるということは、カラダは元気を取り戻すためこわばりが解けている証拠。
また、かたくなだった体がゆるむことで、思いついたことを口に出しやすくもなるみたい。


鍼施術を受けたからと言って、ご自分の携わっている物事が解決するわけじゃない。

でも、それに向き合い受け止めるココロとカラダに元気を取り戻すことで、身の周りの現状の見え方が変わるし、課題を受け止める力が強くなる。

ココロを穏やかにする時間、気を楽にする時間(息抜き)、カラダの元気を取り戻す時間はとってもとっても大事です。


責任のある立場の人ほど、自らの消耗を後回しにして、周りの人に気を配る。
先の見えない逆境なのに、そんな気づかいをし続けることで、普段以上に心身の気力というやつは消耗していく。


もうこれ以上は無理だよ、というカラダの声は、股関節に不都合をおこさせて、無理を押し通そうとする行動に、わざわざ足止めしようと工夫しているようにも感じます。

おカラダを通してお話を伺うだけの鍼灸ならではの、こじつけのように聞こえるかもしれませんが、あながち外れではないんじゃいなかなぁって、東洋医学の奥深さを僕なりに実感し続けるこの頃。


逆境の中、周りの人に自らの元気を振りまき、自分の内側が空っぽになっちゃうとき、表情と目の表情とのギャップを感じる。

笑っているのに、目が笑っていない(逆に悲しそうに見えちゃう)のは、とてもよくない。
自分のことを後回しにしちゃうような自虐的な人相は、やっぱりよくない。

自分のことを大事にして、少しでも自分のことを満たすように過ごしたうえで、周りの人にかかわってあげるwin-winの関係じゃないと、自分が自分の犠牲になっちゃうからね。

せっかくいただいた自分の命を大事に過ごすためにも、少しでも身軽な体で、気楽に逆境の中でも過ごしてもらえたらなぁと思います。


最近鍼施術にお越しになられた患者さん。

顔にも施術してもらえたら、もっと気持ちが楽になるかしら?
なんてことをおっしゃっていました。

まだまだお顔まで手が回りませんが、カラダが整う余裕が生まれるとき、ぜひお顔のケアもしていきましょう。
率直に、元気と気楽さを取り戻せますよ、なんてことをお伝えしました。

目が嘘をつけないような、ちゃんとご自分らしい笑顔で過ごせるように、状況にかなった過ごし方をしなやかにこなせるココロとカラダを整える鍼施術を、続けていければいいなぁと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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