【気持ちのうっ滞】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

世間をにぎわす様々なニュースに紛れて、ココロに不安や負担を抱えている人が増えているのだよね、っていうような報道も、僕の耳に入るようになっています。

僕の感覚としても、そんな気持ちのうっ滞している人、多いなぁって感じます。


心にゆとりや余裕があると、人は朗らかに過ごします。
心に少しでもわだかまりや重荷があると、行動や発する言葉に不調が現れるようになる。
素直な人ほど露骨に分かるし、普段、ココロの軽い人ほどトーンが変わるのでわかりやすい。

楽しい時に笑えて、悲しい時に落ち込めるのは、そんな素直さ。

でも、悲しい時にも笑っていられるのって、見栄を張って悲しみを隠そうとしているのか、はたまた、慢性的な悲しみにすっかりマヒしてしまっているか、なんじゃないかなぁって思います。

悲しみの感情は、一時的に発することで、ココロやカラダをリセットする効果があります。
自分の無事や本来の自分を取り戻すときに必要な感情。

でも、現状の自分のつらさやストレスにさらされ続けて疲れているとき、人は自然と肩を落としてうつむくような姿勢になり、歩幅狭くトボトボとあるくようになる。

でも、そんな悲しみの感情にマヒしてしまっていると、そうした悲しみの態度が、一見見えてこない。

自分のココロにうそをつくことってありますが、これは意図的なものなので、表情にこわばりや動作にぎこちなさが現れやすい。

でも、自分のココロに気が付いていない、負担がかかり過ぎていることにすっかり慣れてマヒしてしまっているとき、一見、態度や素振りではわからないことがあります。


気が付かないでも、気持ちのうっ滞が続いていると、カラダのうっ滞にまで発展します。

ココロの器がカラダですから、気持ちがうっ滞していると、そんな不調和のある感情に合わせるように、カラダの状態まで変化させようとする。

気持ちのうっ滞っていうのは、いつも同じ感情にとらわれてしまっていて、ほかの感情のエネルギーを使うことができない状態。
かたくなに一つの感情にとらわれ続けていると、ココロもカラダもばねを失ってしまって、無気力になってしまう。

ココロのばねがなくなると、いざ行動しようと思っても、おいそれと動くことができなくなっちゃうことも。


仕事がつらいなぁという悲しみや憂いの感情にとらわれ続けているうちに、いざ仕事をやめようと思ってみても、そんな踏ん切りがつかず、ずっとつらくてストレスフルな環境下に身を置き続ける人、多いですよね。

ココロのバネが丈夫なうちに、行動出来たらいいのだろうけど、気が付いたら動けなくなっていた。

博心堂鍼灸院へお越しの患者さんの中にも、こうした仕事がつらくて体調不良を起こして、気持ちのうっ滞を抱え続けている人がいらっしゃいます。
すでにやめるという決断をされた方は、そんな決断をきっかけに、ココロのうっ滞が解放されて、今まで蓋をしてきた感情があらわになって、毎回の鍼施術の時に、とても感情的になり、ため込んでいたわだかまった感情を解放されて行かれる方もたくさんいらっしゃる。

未だに行動する決断ができない人でも、毎回の鍼施術の折のおしゃべりで、気持ちのうっ滞を手放すような感情表現をしながら、ご自分らしさを取り戻されようとされているみたい。

鍼の施術はきっかけでしかないのですが、きっかけをつかんでいただいて、わだかまり続けている気持ちのうっ滞を少しでも軽くしてもらえたらと思いますし、抱え込んでいる悩み事は、鍼施術の時間にいろいろ口に出して感情ごと発散してもらえたらいいのだろうなぁと思っています。

東日本震災後の放射能汚染の不安が高まったころと、今の世の中は似た空気が流れているなぁと、なんとなく感じるこの頃。

毎日の薄曇りの雨模様も、そんな気持ちをうっ滞させるストレスになっているかもね、なんてことを今朝の空を見ながら、いろいろ思いついたことをnote記事にしてみましたとさ。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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