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自分で自分を守るしかなかった

家庭は本来、そこに育つ子供にとって、成長を遂げて羽ばたくまでの、安心、安全の巣であるべき場所です。

巣が安心、安全であればこそ子供は翼を育てることが出来ます。

安心、安全な環境で育まれる翼は、自分という存在に対する安心感です。

それが、いつか羽ばたく翼です。

自分という存在に対する安心感は、子供が健やかに生きる為の基礎と言えます。

親から肯定的な基本姿勢で接せられる事で、子供は親から尊重されていることを感じ取ります。

自分は存在するだけで価値が有る、という意識が育ちます。

自分は尊重されるべき存在だ、という自尊の意識が育ちます。

安心、安全な環境に守られた時、子供は自分という存在に安心感を感じるのです。

それが、いつか羽ばたく翼です。


安心、安全に守られた子供は、自分に対する安心感に後押しされます。

様々な事に、湧き上がる興味、関心、好奇心に従って、迷いなく取り組むことが出来ます。

挑戦する推進力を得るのです。

物事に挑戦して、仮に挑戦が失敗に終わっても、

失敗したことと、自分の価値は無関係で、「失敗したが、そんな自分には変わらず価値が有る」
と感じます。

自分の価値が脅かされない安心感が有るからこそ、様々な事に挑戦し、
成功したなら成功体験を積み上げ、
失敗したなら、それは経験と学びを積み上げることになります。

いずれにしても、積み上がる仕組みの中に組み込まれて人生を歩む子供は、

言わば、複利で幸せを積み上げることになります。


子供の安心、安全を守る機能が正常に働かない家庭も有ります。

機能不全家庭と呼ばれます。

そこには、本来守られるべき、子供にとっての安心、安全は無く、
有るのは、不安と、危険です。

親もまた、かつて不安と危険の中で育ち、尊重される経験を持ちません。
自分という存在に対して安心感がありません。

だから、子供を貶めている自覚は無く、意図すること無く、子供の翼から羽をむしり取ります。

子供は、貶められ、責められて育ちます。

尊重された事は無く、当然、自分の存在に対する安心感とは無縁です。

自分には価値が無い、という思い込みが、心にびっしり貼りついています。


目の前の事に取り組む時、不安や恐怖などのネガティブな感情に追い立てられます。

「上手くいかなかったら責められる」
「尻込みしたらなじられる」
「失敗したら自分には価値が無い」

そんな感情に追い立てられ、追い詰められます。

物事に興味、関心、好奇心に惹かれて取り組むという事はありません。

いつも、不安や恐怖に追い立てられて、物事に取り組みます。

失敗は許されないと感じている為、結果に執着します。

自分には価値が無いと感じているから、自分の価値を証明する為に他人の評価を必要とします。

結果が全てで、他者の評価が絶対で、不安と恐怖に追い立てられるのですから、

物事に取り組むには、あまりにも辛い障壁が幾重にも立ちはだかり、

やがて挑戦することを回避する様になります。

回避すると、人生を歩む糧となる経験を積む事が出来ません。

そして、回避した自分を責めます。
意気地がないと責めるのです。

物事に取り組む動機が、不安や恐怖からの逃避なので、仮にその事に成功しても、不安や恐怖から逃れた安堵は感じても、成功体験の積み上げにはなり難く、

失敗したら、自分の価値が無い事を証明する事になり、

回避しても、意気地が無いと、自分が自分を責めるのです。

物事に取り組んで、成功しても、失敗しても、回避しても、
幸せを感じる事は無く、
経験が積み上がる事も無く、

尊重された経験が無い為に、自分に安心感を持つ事が叶わなかった人は、

生きるほどに不幸が、雪だるま式に増えてしまいます。


生まれた環境は、誰も幼い自分を守ってはくれない環境でした。

守ってくれないばかりか、貶められて、責められて育ちました。

だから、不幸になった、

それは、そうです。

環境のせいにするな!
甘えるな!

そう言う人は居ます。

しかし、その人達は、幼い子供が翼から羽をむしられる樣を知りません。

痛みも、苦しみも想像がつかないのです。

ならば、自分だけは、生き抜いた自分を褒めて欲しいのです。

自分だけが、生き抜いた自分を知る、生き証人です。

その痛みも苦しみも知らない他人と、一緒になって今の自分を責めないで欲しいのです。


幼い頃、誰も守ってくれなかったから、自分で自分を守るしかなかった。

誰が知らずとも、生き抜いて、尊い気づきを得たのです。

「生きづらさ」は、自分を嫌いになってしまった、という事の現れです。

その原因は、価値が無い、という言われの無い思い込みに過ぎません。


言われ無き思い込みから、自分を責めて生きて来た人は、自分につらく当たります。

辛辣な言葉を投げてしまいます。

もう止めませんか。


心の中の出来事です。

心の中は自由です。

誰にも迷惑はかかりません。


甘くていいじゃないですか。

自分に優しくしてみたら、

何か感じて、

何かが動いて、

何かが見えるかも知れません。


読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。


伴走者ノゾム





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