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食について真剣に考える日々

5月は山菜の季節でした。田舎に住むとご近所さんからお野菜の差し入れがあるよと噂には聞いていましたが、そんな有難いことは町に馴染んでからだろう、と思っていました。

しかし本当にあるんです、お裾分け。美味しい!
ご近所の方々から山で採れた幸をいただいて、食卓の賑わう1ヶ月でした。

一緒に採りに行かせてもらったのは、わさびの葉っぱとこごみ。これがなんとも美味!
わさびの葉は教えてもらったレシピで醤油漬けにしました。やってみると思いがけず簡単で、自家製の保存食ができると一気に豊かな気分になります。副菜が冷蔵庫にスタンバイしていると、和食のときに便利です。


ミニワサビ



こごみは下準備のためにサッと塩茹でしてみると、それだけで美味しくてつまみ食いがパクパク止まりません。もう一度採りに行って、鰹節とお醤油で食べたり、パスタに入れてもらったりしました。こごみは山菜の中でも1番のヒット。ちょっとネバッとした食感と僅かな苦味が堪りません。


セリはルッコラの代わりになりそう。サラダにしたり、サンドイッチに入れると美味しかったなあ!


いただいた蕗味噌がすごく美味しかったので、ふきのとうをもらったときに自分でも蕗味噌を作ってみました。
お味噌は近所の味噌屋さんの熟成味噌。これがねっとりと濃厚で美味しいんですよね。でも自分で作った蕗味噌は油っぽくなってしまってそのままご飯と食べるにはイマイチ。もったいないのでお味噌汁を作るときに使いました。ふきのとうの香りと苦味で季節を感じるお味噌汁になって大満足。特売になっていたブリのお刺身を蕗味噌汁の具にするとなかなか良い塩梅でした。

玉ねぎのような、らっきょうのような”のびる”は、生のままお味噌をつけて食べるとツーンと鼻から脳天へ突き抜ける辛みが身体に良さそう。お醤油漬けにしたものもいただいのですが、こちらはもっと食べやすく、辛味が引いてポリポリ美味しいツマミになります。らっきょうに似ているかな?

タケノコもいただいたので、初めてアク抜きに挑戦しました。思ったよりも時間がかかります。しかしアク抜きが終わって皮を剥くとビックリ。立派なタケノコだったのに皮を剥くとこんなに小さくなるとは!タケノコって大変なんですね。ちょっとアクが抜け切れていなかった気もしましたが、牛肉の細切りと炒めて美味しくいただきました。

根曲がり竹という細いタケノコも名産だそうで、こちらはアク抜きなしで食べれて簡単です。山で採れたてのものをいただいて、サッと湯がいただけで味見をしたのですが、これまた美味しい!大きいタケノコよりも食べやすく、お味噌汁に入れてもぴったりでした。


雨上がりの山!


美味しいものをたくさん食べることのできた5月でした。近くの山で採れたものを食べられるって豊かなことだなあと思います。
この辺りは、スーパーでも近隣で育てられた野菜を手に入れられるのが嬉しいです。

しかしオーガニックな食材の選択肢は多くありません。遠くから運ばれて来た、ときには外国から運ばれて来たオーガニックの食材を選ぶのか、農薬などを使っていても近郊で採れたものを選ぶのか、難しい選択です。お財布とも相談しなくてはなりません。


日本に帰ってから食について気になる機会が増え、最近、農薬や化学肥料などについての記事を読むようにしています。

ヨーロッパに比べると、日本は薬品の規制がとても緩いのだそうです。情報は玉石混合なので自分で調べて各自で判断する必要がありますが、お買い物に行くのが怖くなるような記事がたくさんあって、どうしようかと考えているところです。


フランスはオーガニックな食材への需要が大きいから、お店もたくさんあって選択肢が多かったのだなと気がつきました。
日本でももっと、食と健康への意識が高まり需要が増えれば、選択肢が変わってくるのかも知れません。需要が高まれば価格も今より手に取りやすいものになるはずです。

お肉や野菜は、国内で生産された食材の方が、わざわざ海を越えて運ばれて来た食材よりも値段が高いというのも不条理で納得がいきません。

しかし日本の切実な問題は商品価格の高さではなくて、それよりも給料の圧倒的な低さだと、暮らし始めてからヒシヒシと感じています。どうしてこんなにも給料が低いのか、もっとみんなの給料が上がる方法はないのかと考えています。

普段のお買い物で難しいのは、生鮮食品だけではありません。ちょっとした調味料や食品、お菓子の選択肢の少なさにも困ることがあります。我が家では、うま味調味料や調味料としてアミノ酸、化学調味料や防腐剤などの添加された食材は買わないようにしているのですが、とにかく何にでもアミノ酸が入っているのです。


特にハムやソーセージ、ちくわや練り物はほとんどがアミノ酸入り。お醤油やお味噌、みりんなどの基本的な和の調味料に至っても、注意して一つひとつ食品表示を確認しなければ、シンプルな原材料で作られているものは意外と少ないのです。
ポテトチップスも結構好きなのですが、どうしてジャガイモと塩と油だけではダメなのでしょうか。せんべいなどもしかり。塩味のスナック菓子には必ずと言っていいほどアミノ酸が添加されています。

スーパーでアミノ酸の添加されていないものを選ぼうとすると、驚くほど選択肢が限られてしまうのです。


添加物や化学調味料が多用されているものを食べると口に嫌な後味が残ったり、口の中や喉がねちゃねちゃしたり、お腹の調子が悪くなることが多いので避けるようにしているのですが、農薬と同様に、食品添加物についても様々な意見があります。身体に悪いという意見もあれば、全く悪くないという意見もあるので、個人個人で判断するべきでしょう。とにかくわたしの身体には合いません。なので、できることならオーガニックや無添加の食品の選択肢が増えることを切に願っています。

食品添加物は食べた後、比較的すぐに身体の反応でわかるので次回から避けることができますが、農薬などの影響はすぐに身体では感じられないため、恐ろしいなと思います。


食の安全性が気になるのなら、自分で何か育てられる良い方法はないかと、農業の本を読み始めました。とりあえず小さな家庭菜園も初めてみました。本格的に食料を生産したくなれば、幸い田舎には土地がたくさんあるので農地を貸してもらうこともできそうです。

そんな折に、近くの町でパーマカルチャーと無農薬・有機栽培を実践している農園を訪問させてもらう機会がありました。

実際に育てている方のお話は、とても刺激的です。職業として農家になり大規模な農園を運営するのはとんでもなく大変だと、以前3ヶ月ほど農業を体験して身に沁みていたのですが、それでもやっぱり自分の食べるものを自分で育てることができるっていうのは、すごく魅力的なことだなあと思いました。何か自分のできる範囲で実行できないかと、考えています。

どこまでもストイックにこだわるのは精神的にも経済的にも大変なので、まずはできる範囲から身体に合うものを選んでいこうと思います。
農薬や食品添加物、食の安全について、インターネットで記事を拾い読みしていましたが、もう少しきちんとまとめられた書籍などにもあたってみようと思っています。

投票と同じく、普段のお買い物からも意思表示をしていきたいのです。

食について考えていると、国民をなるべく貧しくさせることは、考える力を奪い、選択肢をなくし、無気力にするために、非常に効果的な戦略なのだなあと思いました。

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