門野 直人(かどの なおと)

書籍レビューと小説執筆を始めた人。理学療法士。広島大学大学院。

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投稿作品の【目次】

 こんにちは、門野です!  執筆した作品にアクセスしやすいように、【目次】を投稿します!  記事を投稿次第どんどん追加していくので、気になった作品があれば、下記のリンクからご覧くださいm( _ _ )m 【短編】スニーキング・ペンギン 【ショートショート(SS)】等価交換 等価交換 ー ある女性の場合 - スコア・システム 本のなる木 恋の缶ジュース パスポート量販店 香る辞書 絶景の神様 みんな 【詩】わたしはエンターテイナーじゃない パズル ピース 使い方 刀鍛

    • 【短報】2ヶ月ほど詩を続けてみた感想

      前置きこんばんは、門野です! 6月から2ヶ月ほど詩を書いてみました。 始めたきっかけは、ふと「理系の自分が文学的な何かをするとしたら」と思ったことです。 最初はショートショート的な物語を書こうとしていたのですが、二日おき(現在は毎週日曜日)に更新するとなると、自分にはオーバーワークになりそうな感じで......。 で。 もの凄く短絡的に、 「短い詩なら、忙しいながらもリアルと並行して続けられるのでは?」 と思い至った次第です。 いざ書き始めてみると、詩って思った以

      • 【詩】 今日という最後の日

        セミの命は一週間。 たった一週間で死んでしまう。 でも、セミがいなかったことにはならない。 この世の誰かが死んだからといって、 その人が存在しなかったことにはならない。 いつだって覚えてる。 いつまでも覚えてる。 自分にとって掛け替えのなかった人が、 確かにそばにいたことを。 忘れないようにするために、 私たちはこの日を迎える。 そして、今日がその最後の日。 夏の日にやってくる、 一回切りの一週間。 悔いを残さないためにも、 最後のお別れはきちんとね。 セミは変

        • 昨日投稿する予定だった作品を、投稿し忘れていたので、本日投稿しました(−_−;)連続投稿が途絶えてしまって、ちょっと残念...。

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        記事

          【物語】 アルバイター

          きっかけは単純、知らないことが嫌だった。 大して欲しいものは無くて、 広い世界に出てみたかっただけ。 社会を知りたかっただけ。 吹けば飛ぶような給料に、 興味なんてなかった。 コンビニも、派遣も、居酒屋も、 何もかもが自由で、 いつでも辞められて、 狭い社会に閉じ込められていた僕には、 何もかもが新鮮だった。 ある日、僕と同じように、仕事場を転々とするおじさんに出会った。 明るく、愛想よく、楽しそうに働いている。 だから、僕はつい、話しかけてしまった。 「どうして、バイ

          【物語】 アルバイター

          【詩】 きっと、夏の雲と同じ

          ねぇ、覚えていますか 静かな教室、揺れるカーテン 二人で始めた交換日記 緑の表紙のタイトルに あなたの瞳は潤んでいた あなたを通して流れる時間が 何よりも大切で 心の会話は何回目? 「叶わない」「知ってるよ」 手を伸ばせば届きそう それはきっと、夏の雲と同じなんだ ねぇ、覚えていますか 最初のお題は未来予想 医者に、画家に、作曲家 あなたの描く将来は 取り留めもなく輝いていた あなたを通して感じた明日が 何よりも楽しくて 心の会話は何回目? 「敵わない」「知ってる

          【詩】 きっと、夏の雲と同じ

          【詩】 人柄

          おはようございます、ご主人様。 本日も何なりとお申し付けください。 はい、掃除ですね。承知しました。 え? この帚を使うように、ですか? ......畏まりました。 それでは、部屋の隅から廊下の端まで、綺麗にしますね。 そろそろお昼ですね。食事の用意を致します。 本日は遥か西方の国の料理に致しました。 え? 美味しい、ですか? はい、お口に合ったのであれば、私としては大変喜ばしくことなのですが......。 書類整理ですか、お手伝いします。 わわっ、文字を書き間違えて

          砂漠の花

          その花は水を必要としなかった。 ここは広い砂漠。 水も日陰もない、全てが吹きさらしの大自然。 生き残れったモノに罪はない。 生き残れなかったモノが悪いのだ。 その花の周りには、 およそ『仲間』と呼べるモノはいなかった。 彼女が最初に咲いたとき、 周りには同じような『仲間』が大勢いた。 近くには水があって、 木々の木漏れ日があって、 色とりどりの花が咲く場所だった。 だけど、時間が経つにつれて、周囲の環境が変わっていった。 芝生が荒らされた。 木々は切り倒された。 豊

          【詩】 強さの証

          何も知らない他人が 私を指差してこう言うんだ。 あなたは独り、いつだって独り。 この先あなたの側には誰もいない。 ご愁傷様、お独り様。 一緒にいることが素晴らしい? 集団の「一人」で満たされる? 「一人」と「独り」は違うのに、 誰も私を見ないから、 みんな好き勝手言えるんだ。 だけど、それは私も同じだった。 誰かのことなんて考えられない。 いつもでも主語は「私」で、 「あなた」になることは滅多にない。 「あなた」の孤独に気付かない。 気付くないまま生きてしまう。 気付

          【詩】 名無しの生き方

          僕に名前はない。 人間は、何かに名前をつける時、 必ず「意味」を考える。 だからきっと、僕に意味なんてない。 作られた意味。 生きる意味。 死ぬ意味。 そんなもの、僕にはない。 ある男が言った。 お前はガラクタだ、俺には必要ない、使えない道具に価値なんてない、ナイナイ尽くしのお前にこの家は分不相応だ。 僕は家を追い出された。 僕を拾った女が言った。 あなたは何の能力もない、あなたに比べたら私の方が断然優れている、優れているから生きる価値がある、誰に何と言われても

          【詩】 名無しの生き方

          【詩】 一匹オオカミの妄想

          満たされない 満たされたい、この空白を それは欲で自己顕示 手に入れたのに自己嫌悪 いつだって空っぽの箱の中 玩具の羊で満たしたいのに 空きっ腹には物足りない 大きな羊が欲しいんだ 「楽しくない」を楽しげに話して 無表情で顔文字を送って いつも嘘つき 妄想好き 嗚呼 今日も一人で部屋の中 月を睨んで、声上げて 今日も満たされず眠りにつく ほら、また明日 空想続きの始まりさ 渇望してる 刺激的

          【詩】 一匹オオカミの妄想

          【詩】 影

          一歩進めば付いていき、 一歩下がっても付いていく。 そう、ぼくは影。 キミの後ろで、ずっとキミを真似ている。 いつだって、キミの側で見ているよ。 ぼくは知っている。 頑張るキミを知っている。 ぼくは知っている。 ズルしたキミを知っている。 ぼくは知っている。 泣いているキミを知っている。 頑張る姿も、 怠ける姿も、 楽しい姿も、 悲しい姿も。 ぼくは全部を見ているよ。 ぼくは影。 いつもキミの側にいる。 いつもキミを真似ている。 それを知ってもらえたかな?

          【詩】 赤いゴム風船

          最初はしわしわ、ただのゴム。 吹き口を咥えて。 たくさん、たくさん空気を入れて。 赤い風船はどんどん大きくなる。 頑張りすぎると、頬っぺたが痛くなる。 それでも、わたしは風船が好きだった。 頑張った分だけ、風船はどんどん大きくなってくれるから。 もっと、もっと大きく。 誰よりも大きな風船を作りたくて。 わたしは息を吹き続けた。 どれだけ苦しくても、風船はわたしの努力の分だけ大きくなってくれるから。 だけど、だんだん空気を入れづらくなる。 だから、わたしは思いっきり息を

          【詩】 吸血鬼の向日葵

          きっと、ぼくは太陽に嫌われている。 暑いし、 肌は焼けるし、 ぼくの命を溶かしてしまう。 でも、ぼくは太陽が大好きなんだ。 世界を明るく照らす朝日も、 水平線に沈む夕日も、 太陽の全てが愛おしい。 大好きで、大好きで、 いつも隣にいたいのに、 太陽はそれを認めない。 太陽を直に感じると、 ぼくの命は蝋燭のように溶けてしまうんだ。 大好きな太陽に嫌われてるなんて。 こんな人生に、意味なんてない。 ある夜。 ぼくは花の種を拾った。 荷馬車が走った跡のわだちに落ちてい

          【詩】 吸血鬼の向日葵

          【お知らせ】こんばんは、門野です!いつも記事を閲覧して頂き、ありがとうございます!明日から、記事の投稿を毎週日曜日に変更します!来月か再来月に、隔日投稿した感覚と、毎週投稿した感覚を記事にしてみます。何かが劇的に変わるわけではないですが、よろしくお願いしますm(_ _)m

          【お知らせ】こんばんは、門野です!いつも記事を閲覧して頂き、ありがとうございます!明日から、記事の投稿を毎週日曜日に変更します!来月か再来月に、隔日投稿した感覚と、毎週投稿した感覚を記事にしてみます。何かが劇的に変わるわけではないですが、よろしくお願いしますm(_ _)m

          【超短編】 芽を摘む

          ボクはとても小さな花の種。 先日、ふかふかの花壇に植えられて、育て主が水をくれたところ。 ボクはまだまだ小さいけれど、そのうち大きくなって、綺麗な花を咲かせるぞ! 芽が出て、膨らんで、ようやく自分の周りが見えるようになって、とても驚きました。 なんと、ボクの周りにも、たくさん芽が出ていたのです! ねぇねぇ、キミたちはなんて名前の花を咲かせるの? ボクと一緒だったら、お揃いだね! ボクたちの芽はぐんぐん大きくなって、幹の側から葉っぱも生えてきました。 ちょこんと