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椎間板ヘルニアとコルセット ―自分にとって欠かせないもの。恥じる必要はないのだ。

今日、自分の中ではちょっとドキドキしながら初めて実行してみたことがあります。

今までは人に奇異な目で見られたくなくて、ジャケットを羽織って出かけていました。

というのも突然ですが、椎間板ヘルニアのため、入院と手術と術後の療養のため、現在休職させてもらっています。
忙しいプロジェクトのさなか、休職させてくれた会社には感謝の言葉しかありません。ここで改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。


今は退院していますが、入院した日から数えて今日でちょうど2ヶ月です。
行った手術は腰椎後方椎体間固定術というもので、腰椎L4, L5の間の椎間板を取り除いて、自分の骨を混ぜた人工骨に置き換え、腰椎をボルトで固定する手術でした。(手術や入院中の話は別途詳しく書こうと思っています)

かなり大きな椎間板ヘルニアで、ヘルニアが神経をブロックして、足先まで痺れと痛みが酷くてどうしようもなくなり、手術に至りました。


間に人工骨を入れて、4本のボルトでガッチリと固定されています。
(写真すべて私本人のものです。このような写真が苦手な方はスミマセン)


手術後、3ヶ月着用しなくてはならなくなったのが、冒頭の写真の硬性コルセットです。オーダーメイドで作りました。

初めて知ったのですが、装具はまずは一旦自費で全額支払って、後日、保険組合に書類などを書いて請求するスキームになってました。
保険適用前で65,800円。休職中の私にとっては思ったよりも高い金額でした。

手術前に体の型を取ってオーダーメイドで作成したのですが、手術前は椎間板ヘルニアの影響で体が左に曲がっていたため、出来上がってきた装具も曲がってしまっています。
トホホ。こんなんでいいのか。


術後3ヶ月間、腰を曲げることができず、椅子に座った状態を90°として、膝を90°以上、曲げることができません。痛みが出てしまうため、椅子に長時間座ることもできません。

術後2ヶ月ほど経った今は次第に痛みが和らいできましたが、腰を少しでも曲げようものなら、または膝を90°以上あげようものなら、寝返りを打とうものなら、手術をした箇所に激痛が走ります。
(今でも、夜中に無意識のうちに寝返りを打って、痛みで目が醒めることがたびたびあります。寝不足です…)

入院中、病院内では同じ病棟の人たちも同じような病気を抱えていて、何も気にすることはなく過ごしていました。病友は、同じようなコルセットをはめていました。


退院後、リハビリで病院に通う道中や、リハビリを兼ねたウォーキングの際、コルセットが他の人の目に直接触れると、奇異な目で見られてしまうのではないかと感じて、これまで上に何かを羽織って出かけていました。

街で、足や体の何処かに装具をつけて歩いている人たちを見かけても、奇異な目で見たことがあるつもりは全く無いのですが、いざ自分が、3ヶ月間とはいえ、装具をつけないと思うように自分を支えられない状態になってみると、このコルセットをつけたむき出しの状態で外を歩くことを恥ずかしく感じていたのです。

でも、近頃は暑いのもあって、もう何も羽織らずに装具むき出しのままでかけてもいいかな、と思うようになっていました。

そして今日、もういいやと割り切って、少しドキドキしながらも、むき出しのコルセットのまま、何も羽織らずに夜のウォーキングの時に出かけることにしました。

この状態で出かけてみようと思えたのは、ただ暑かったからだけではありません。


先日、私が渡ろうとしていたちょっと長めの横断歩道を、向こうから足に装具をつけて杖をついた若い人が渡ってきました。

若いのに大変だな、辛いだろうな、この横断歩道は長いから渡るの大変だろうからがんばって!と心の中で応援した反面、
自分は装具を隠して何を恥ずかしがっているんだろう、私はこのコルセットがないと思うように自分の体重を支えられないのに、隠さないといけないような恥ずかしいものなんだろうか? と自分を恥じました。


また最近、ハヤカワ五味さんの note の記事で、 #NoBagForMe の取り組みについて読みました。

ハヤカワさんと同意見で、生理用品を何も恥じる必要はないと思っています。(ハヤカワさんの捉え方と異なるかもしれませんが、)それは当たり前に必要で自然なものだから。赤ちゃんを産むために体に備わった大切な機能だから。

何も隠さなくていいんだよ、と言われているようで、記事を読んでハヤカワさんの奮闘ぶりに励まされました。


今夜、コルセットむき出しの状態でウォーキング中、何をつけているんだろう?という感じで、実際にジロジロと見てくる人もいらっしゃいましたが、私が何か悪いことをしているわけではありません。

私にとって、これは必要な装具です。椎間板を置き換えて、ボルトで固定するような手術したので当然です。

これがないとウォーキングにも出かけるどころか、家の中でも安定して歩くことができません。この装具のおかげで体を支えることができています。(つけたから、安定して問題なく歩けるかというとそうでもありません。気をつけながらゆっくりと歩く必要があります)

たとえジロジロと見られたとしても、堂々としていればいいのだと、少しだけ自由になれた気がしました。
自分が弱者だと言いたいわけではありませんが、弱者が思いやりの目で見られる社会を実現できればよいなと感じました。

また、今回の手術や術後の煩わしさやもどかしさを通して、障害をお持ちの方の気持ちが、ほんの少しだけかもしれませんが分かったような気がしましった。そのような方々に、もっと寄り添えるようになれたらいいなと感じました。


夜のウォーキングがいつもより爽やかに、そして軽やかに感じたのは、羽織っていたジャケットの分だけ軽くなっただけでなく、心の覆いも少し取れたように思いました。

そして装具くん、いつも支えてくれてありがとう。

それではまた! A dopo ciao ciao!

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