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『荒野へ』/ジョン・クラカワー
 
都会に生まれ育ち、両親との確執などをへて大自然のアラスカへ
サバイバルに出かけた、クリス・マッカンドレスの伝記。
 
彼は不慮の事故もあり、冬のアラスカで絶命するに至るのだが。
 
 
この本には、『なぜ彼が死ななければならなかったのか?』ということが、
彼の生い立ちや、アラスカに亡命するプロセスまで、とても詳しく書かれている。
 
 
『人はなぜ、デッドエンドに向かうのだろう?』
 
 
私には、このことが不思議でならなかった。
(私にもその傾向があると思う。 無茶なところというか…)
 
著者のジョン氏は、死に至ったクリスに惚れ込んで、彼の足跡をたどって
いくんだけれども。
 
別にクリスは自殺願望があったわけではなく、ただ単純に自由を切望して
いただけなんだよなぁ…と思ったり。(ーωー;
 
 
思想的に、親が与えてくれた社会性、『家族というカタチ』がかみ合わな
かったというか、『現代社会と折り合えない人が、この世には常に一定数
いる』というか…。
 
死ぬ気はなかったのに、いろんな判断を誤って、クリスは一歩また一歩と、
デッドエンドに向かって行ってしまったわけです。
 
 
 
私の糖尿病対応も、そういうところがある。(ーωー;
 
 
 
クリスは、自身の主観に基づいて最善を尽くしていたのにもかかわらず、
死に至ってしまった。
 
「もっと食料を多く用意しておけば…」とか、「外部と連絡する手段があれば…」とか、もしもの可能性をいいだせばキリがないけれど、『どうすれば死を避けられたんだろう?』ということが気になって仕方がない。
 
 
「エリートの親の元に生まれたところから、もうすでに彼のサバイバルは
始まっていたんだよなぁ…」とか、「歌舞伎の猿之助もこんな感じだったんだろうか…?」とか、いろんなことを考えさせられた。
 
 
『人生のゴールはどこなのだ?』みたいな話を、彼はしたかったのかもしれない。
 
そこらへんを切実に実感したくて、どうしてもこの世と折り合いがつかなかったクリス青年の、自己実現を願った途上の旅路の記録がこの本なのだ。
 
 
  
人生って何なんでしょうね?(ーωー ???
 
「クリスの言い分も一理ある」と私は思う。
 
 
 
『人はその人自身として、いつかそのうちではない、たった今この瞬間を
生きるべきなのだ』と。(そこらへんは腑に落ちた)
 
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追記:やっぱり山は怖いですね。 デッドエンドに近いというか…。
 
 この本読んでると、自然のヤバさ加減がよく分かる。(ーωー;;;
 単純に危ない。
 
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追記2:この猫の眼力…。(ーωー;;

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