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2024年やりたいことリスト1つ目を達成:彼の背中は狭かった

2024年1つ目に達成したやりたいことリストは、15年越しの願いだった。
小学校6年生の冬。
父が妹と私を誘って申し込んでくれたのが、乗馬体験。

本物の馬なんて見たことのなかった当時の私は、あの大きな体に乗るなんて... と断ったが「何事も経験♩」とうきうきの父は私の不安を無視していた。

そして体験の日当日。2階で寝ていた私は、自分の体に違和感を感じながらよたよたと1階に降りて洗濯物にアイロンをかけている母へぽとっと話しかけた。

お母さん、なんか体が熱い...

母は体温計をとってきて熱を測るように言った。

体温計が示していたのは、38度。
のちに病院へ行ってインフルエンザと判断されるのだが、体温を見て究極のだるさとしんどさの中で「良かった、これで乗馬に行かなくてすむ...」と安堵したのも本音だった。

半日後、自宅で寝込んでいた私のところへ父と妹が乗馬体験から帰宅した。
身長の足りなかった妹はポニーに乗ったらしく、小さな体全部を使ってポニーにまたがろうとしている後ろ姿が可愛かった。

何度か話のネタになりながらもそれから15年。

特に大きなきっかけがあったわけではないが、「2024年は何か新しいことをたくさんやってみる1年にしたい」と考えた時に思い出したのが乗馬だった。

ネットで調べて見ると、自宅から車で行ける距離に牧場があるではないか。
乗馬体験の日程をチェックし、旦那さんと行くことへ。

体験の会場へ着くと、すでに3家族ほどが並んでいた。
料金を支払い、安全用のヘルメットを被るといよいよ私の順番が来た。

乗馬は運動場1周分を歩くので、確か2~3分くらい。
スタッフが馬を誘導しながら一緒に歩いてくれたので私は乗っているだけ。

今回乗せてくれた馬は15歳、人間で言うと50代だそう。
馬が1歩、1歩とぽっくりぽっくり踏み出すごとに縦の振動が全身に伝わってくる。

もっと馬の背中は横幅があり、椅子に座るような安定感があるイメージだったが、実際は公園にある遊具のシーソーに跨っているような、体を横にするとそのままぱたっと倒れてしまいそうな不安定さがあった。

乗馬の1周はあっという間で、あと10周ほどしないとじっくり楽しさを味わい尽くせないような名残惜しさがあった。

乗せてくれた馬の背中から降りて、「ありがとね」と伝えながら体をなでなでした。

犬や猫を触ったり、子牛にミルクをあげたりしたことはあったが、そのどれとも違う、「自分より大きな体を持った生き物に体を預ける」ことから感じる、緊張や信頼、愛おしさを味わった乗馬体験だった。

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